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【囲碁本】おすすめ棋書レビュー評価ランキング【厳選100冊】

私はオススメ漫画ランキングで「ヒカルの碁」をトップにするほど囲碁が大好きだ。「ヒカ碁」に影響を受け囲碁が趣味にもなった。それに伴い碁に関する書籍(棋書)を読む事も好きなった。本棚には無数の棋書が置いてあり、何を捨てても棋書だけは保管すると心に決めている。もちろん、お金や部屋のスペースなどの制限もあるが・・。

囲碁の書籍は、近所の古本屋を探したり、アマゾンなどのネット通販、それでも見つからない無い場合には図書館などで借りて読むなどを繰り返してきた。今でも碁を打つ傍ら、棋書を探す囲碁本マニア的な感覚も持ち合わせている。昨年は途中で構築を止めてしまったが囲碁書籍サイトまで立ち上げたくらいだ。

しかし、構築に必要以上に力を入れ過ぎ時間がいくらあっても足りないようなサイトの作り方をしてしまった為、ハードルが上がり途中でやめてしまった。そういった理由から、細々と自分の趣味レベルで「囲碁オススメ棋書ミシュラン」をやってしまおうと考えるようになり、囲碁ファン向けに独自の調査基準で棋書ランキングを作ってまとめる事にした。

一般評価との間にズレが生じているかもしれないが、あくまで私自身の独自の観点として読んで頂ければと思う。

 

*挫折しないようにタイトルにて目標100冊を掲げた。この記事の作り方なら達成できそうだ。S~D各ランクの最後に追加でレビュー記事を書いていく。週に1冊ペースを目安に随時更新するので、記事更新日をチェックして更新されていれば読んで頂けれるとありがたい

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レビュー評価基準の読み方 (注意書き)

【総合評価】  「S」を最高ランク 「D」を最低ランクとする

(棋書レビュアーである私自身と、読者さまの囲碁観や価値観にズレが無いかを照らし合わせるための判断材料にするため低評価ランクの棋書もまとめています。低評価ですがこれらにもお薦めできる、できないポイントは書いてありますのでご参考にして頂ければと思います)

【カテゴリ】  布石、中盤、ヨセ、囲碁理論、死活、手筋などの用途別の記載
【対象者】   一般的な碁会所を基準とする表記 (初心者~高段者)

【内容】    棋書としてのクオリティ、コストパフォーマンスの良さ
【構成】    文字の大きさ、テーマ図の配置などから見る棋書の読みやすさ
【実用性】   例題が実戦向けかどうかなど、用途の幅広さ(実戦的なほど良判定)
【即効性】   読了後に棋力向上へ繋がるまでの時間(早いほど良判定)

*内容、構成、実用性、即効性の項目は5つ☆満点で査定しております。
*総合評価は、総合的な棋書の印象で決めており☆の数以外にも考慮されているポイントを含みます

*S~Dまでのランクには順位がありますが、ランク内部の紹介順番には差はございません。上から詰めているだけです。

D 参考書のような位置 ~他の棋書との併用で役立つイメージの棋書たち~

他者のレビューにおいて”良い”と言われる棋書を紹介されても、本当に自分に取って良書となるのかが判断しづらい。ここでは、お世辞にもバリバリ薦められる棋書を紹介しているわけではないが、私自身の棋書に対する感性を知ってもらう事を目的に書いてある。もちろん棋書として買いのポイント、買えないポイントもしっかり記載する。

 

定石ハズレ 徹底ガイド 実戦頻出52型 大矢 浩一

【総合評価】 D

【カテゴリ】 定石、ハメ手、定石外れ
【対象者】  上級者以降、定石好きな方

【内容】   ☆☆
【構成】   ☆☆
【実用性】  ☆
【即効性】  ☆

私は定石が好きなので、通常の手順はよく覚えていた。しかし思い通りにならないのが定石でもある。相手がひとたび違う手を打てば、そこから定石外れに流れが変わる。一手間違えれば、どちらかが大きな痛手を負う事は囲碁経験者ならすぐお分かり頂けるであろう。そういった悩みを解決するためにこういった対策書が出版されている。

ただ、本書に限って言うと必要かどうか微妙で意見が分かれるところ。理由はこの一冊だけでは、ハメ手を攻略できないということだ。もちろんどの棋書でも一冊で済む話では無いのだが、本書の場合は52型とテーマが少ない。この一冊だけで定石外れをフォローする事は難しいと思った。

一般の定石書でも事が足りる内容でもあるため定石が好きな人にだけお薦めできる棋書となる。これ一冊で定石外れを学べると勘違いしないようにしておけば、他の棋書との併用で良い働きをしてくれる内容だとは思う。

三村智保の読みに強くなる秘訣 (NHK囲碁シリーズ)  三村智保

【総合評価】 D

【カテゴリ】  総合問題集
【対象者】  上級者向け

【内容】   ☆
【構成】   ☆
【実用性】  ☆☆
【即効性】  ☆☆

全体的に中途半端な感じという印象を受けた。三々への打ち込み解説から始まったかと思えば、攻め合いの詰め碁を解く事になり、シチョウに関する攻防、石の競り合いなどへと続く。これだけの項目を222ページで解説しているので、当然だが駆け足のように進んでいる。

ただ、私の性格的には合わないだけで問題をバランスよく解きたい方などには向いているかと思われる。総合的に考える余地があり、広く浅くというコンセプトとして解くならばお得感を得る人もいるのではないだろうか。上級者くらいで読まれると効果が出やすいだろう。

C 棋書マニア向け ~囲碁本を集めるならここは通過点~

少しマニアックな棋書はこのランクで紹介させて頂きたい。人によっては全く必要のない囲碁本と化してしまう可能性もあるので、囲碁も棋書も大好きな方以外は参考にならないかもしれない。しかし私のような一部の人には、読んだ感想だけでも聞きたいという人もいる。中身をチェックしないまま買うのには勇気がいる方の為に少しでも情報を残したい。

白江流上達の法則 強くなる14の急所 白江治彦

【総合評価】 C

【カテゴリ】布石、序盤~中盤
【対象者】中級者以上

【内容】☆☆
【構成】☆☆☆
【実用性】☆☆
【即効性】☆☆

白江先生の若かりし頃をあまり知らなかったが、この棋書を読んだ事でなかなか面白い事をされていた棋士だったのだなと少し気になる存在となった。私は独創的な布石が好きで、少し変わった布石で打たれた棋譜を見るとうっとり眺めてしまう。この棋書にも、白江先生が打たれた独創的な布石の棋譜が掲載されている。

黒番で3カ所の星から天元に向かって2路高く打つ「アポロ流」という布石は読みごたえがあった。三連星を超えて行くさらなる「宇宙」を感じた。アポロは豪快な布石で見た瞬間「真似しなければ」と興奮してしまった。白江先生には、変則布石をテーマに一冊書いて頂きたいと思うくらいである。

扱うテーマは大まかで、非常に内容幅に関する情報量は多く感じる。もう少し絞った方がわかりやすい。白江先生の余談が途中で読めるなど、受け取り方によってはサービス精神旺盛な棋書だ。ただ、私のように内容を詰め込み過ぎと受け取る人もいるため、一度でも目を通すか、中古で手に入れる事を推奨したい。

 

「星と小ゲイマ」集中講義 逆からツメる新発想の布石 蘇 耀国

【総合評価】 C

【カテゴリ】 布石
【対象者】  初段以降

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆
【即効性】  ☆

一般的に発生する「星と小ゲイマ」からの布石が題材。序盤のありがちな進行から解説されて行くが、場面によっては非常に難解なケースにも発展。記憶して打てばいいという問題でもなく、どちらかというと相応の棋力で理解していないと打ちにくい流れを掲載していると私は思う。それゆえ初段以降に読むことをお薦めしている。

もし購入を考えるのであれば、徹底的に「星と小ゲイマの布石」を使い続けているような人向けになると思う。一度テーマに入り込み始めると、手数は伸びていき「そこまで必要なの!?」という図まで作り上げてくる。実戦でそういった手数まで進むとも限らない為、効率的な勉強には向いていないのかもしれない

ただし、棋力が上がればこの手の棋書のような長い手順の図は、想定内に置かれているのが常識にもなる。上を目指す以上は、知識として蓄積する必要もあるため無駄にはならない。一筋縄ではいかない内容もあるため、繰り返して問題にチャレンジされる方であれば手に取って見られると良い。

 

攻め合い力 養成トレーニング 河野臨

【総合評価】 C

【カテゴリ】 詰め碁
【対象者】  上級者~有段者向け

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆
【実用性】  ☆☆
【即効性】  ☆

本書は問題レベルがA(高段者),B(初段前後),C(級位者)と3つの階級に分けられており、総合で136問の詰め碁が用意されている。これらはもちろん攻め合いに関する内容だ。1ページに問題があり、その裏に解答と変化図が掲載されている。冒頭で解くためのヒントが少しだけ与えられる。

私は攻め合いがとても苦手で、どうにか克服をしようと考えていた時に本書に出会った。そのため購入時期はベストタイミングとなった。ただ評価ランクが少し低いのは、問題配置によるバランスが少し変わっているため違和感を覚えたからである。これらA~Cの問題が、ステップアップ形式では無くランダム形式で登場する事だ。

かなりの乱れた作りでは無いが、やはり簡単な問題から難しいところに上がる方が解きやすい。文字は大きく見た目も悪くないので少し勿体無いといったところだ。バラバラと出題される問題レベルに疑問を抱いたので注意ポイントとしてお伝えしておきたい。

入門、初心者のための はじめての詰碁  日本棋院

【総合評価】 C

【カテゴリ】 詰め碁
【対象者】  囲碁入門者向け

【内容】   ☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆
【即効性】  ☆☆

タイトルは嘘をついていない。その名のとおり入門者や初心者に向けて作られた簡単な詰め碁である。構成は全部で13章で成り立っており、囲碁を始められた方に向けられたルールに関わってくるようなレベルと考えて頂ければよい。それこそルールを把握できたと思えばすぐに読むと良い内容だ。

13章と聞くと豊富な容量に思えるが、実質はかなり少ない。理由は「二眼で生きる」「一眼では死ぬ」という事の判断がつけば9章くらいまでなら楽に進行できそうだからだ。詰め碁は挫折して辞めて行く人が多いため、そういった出鼻を挫かせない作りを目指したものだと私は捉えている

終盤に向かうほどレベルは上がるが、それでも初心者向けを一貫して守り抜いている。まずは詰め碁に対する自信が付けばいいので、碁を覚えたばかりの方はこの詰め碁を解いてみる事から始められると良いだろう。全体的に見やすさが評価でき、ひと目でスイスイ解ける感覚が好印象だった。

 

三村流 厚みの法則―全局を支配する戦い方

【総合評価】 C

【カテゴリ】 厚みの使い方、序盤~中盤
【対象者】  上級者以上

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆

本書の中身は三村先生と、先生のお知り合いの方、そしてその娘さんの3人で進んでいく。いわゆる複数人での検討を棋書にしたもので、親娘がアマチュアの立場で三村先生に教わると言う流れだ。アマ親娘の意見がいいタイミングで入ってくるので、プロ視点に傾き過ぎておらずバランスよく仕上がっている

基本的には序盤~中盤までの流れの中で、厚みを活かす打ち方を解説を通して教わる。ただし、ページの最後の方になると、少しだけ終盤の解説が入っている。これに関しては気にしないでいいレベルでほんの少しだけだった。

問題の解答に選択式は少なく、ほとんどが次の一手の正解探しになる。しかし親娘の会話と混ざっているので、問題を解くと言うより読み進めると言う空気感に近かった。厚みを存分に活かしきるために必要なプロの意見書のようなもの。レベル的には少し難しく、上級者から有段者になって読むくらいがベストだ

完本 本因坊秀策全集  岩本 薫 (監修) 福井 正明 (編集)

【総合評価】 C

【カテゴリ】 打ち碁集
【対象者】  有段者以上

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆
【即効性】  ☆

私が碁を覚えたきっかけは漫画「ヒカルの碁」を読んだ事からであった。漫画内では本因坊秀策である”藤原佐為”が大活躍する事もあって、ど素人で秀策先生の偉大さもさっぱりわからなかったにも関わらずちゃっかりとファンになっていた。いわゆるニワカファンだが、それでも好きな事に変わりはない。

そんな時に本書が売られている事を知る。絶版になれば二度と新品で手に入らないと思うと、居ても経ってもいられなくなり購入を決意。私の囲碁人生を送る上での宝のような扱いをして、今でも棋譜並べの際に使っている。肝心の内容は単純で、秀策先生のこれまでの棋譜に数行の文章が添えられている程度。価値は個々の判断となる。

棋譜は1ページに100手ずつ掲載されている。少し手を探す時に苦戦することも。打たれた日付などを見ると、秀策先生の歩まれた囲碁人生がわかる。何も考えずに並べるだけの棋譜集になると思うが、それでも何かしら得るモノはある。無心で並べられる人などには良いのではないだろうか。

布石の要点 (アマの碁ここが悪い)  影山 利郎

【総合評価】 C

【カテゴリ】 布石
【対象者】  初段以降

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆
【実用性】  ☆☆
【即効性】  ☆☆

口ぶりが特徴的な影山先生の棋書。冒頭では「こういう本があったら私はもっと早く強くなっていたろうに、そのこういう本というのを私は書いたつもりである」と書かれている。自信たっぷりの幕開けだ。読んでいて口調に少し違和感があるかもしれないが、ワンパターンに丁寧な言葉で書かれている棋書よりは個性を感じる。

置き碁を題材にされているが、総合的に見ても2~4子までなので大量の石があるハンデ戦では無い。手数も布石を取り上げたと言う事で、序盤の進行のみが取り上げられ続けている。問題1ページに、解説3ページの合計4ページで問題は進み全体的に問題数は多い。

質より量という言い方が適切かどうかは不明だが、延々と読みながら解き続けられる人向きだ。総合的には、好き嫌いが分かれやすい棋書だと思う。私の中では”これさえ読めば”という雰囲気を醸し出している部分があまり読み取れなかったので、評価は少し低めになっている。

アマの知らない布石 布石の発想転換法 安倍 吉輝

【総合評価】 C

【カテゴリ】 布石
【対象者】  珍しい布石に興味のある方(棋力よりも興味が重視されるため)

【内容】  ☆☆
【構成】  ☆☆☆
【実用性】 ☆☆
【即効性】 ☆☆

個人的にはこの手の棋書はもっと発売されるべきだと思う。理由は、あまり打たれる事のない布石が見られる事に他ならない。しかし惜しいかなと思うところは、あまりにも多くの変則布石をテーマに出しているため、一つ一つの解説ページが少なすぎるという点。「こういう布石もあるよ」という知識を得るための観賞用の棋書とも受け取れる。

あまりにも多い布石のテーマなので一部だけ紹介しておこう。5の五、白番5の五、大斜ジマリ、トーチカ、変形中国流、アポロ流、初手天元、天元を一間ジマリ、四角星、両三々と天元、張栩流、向かい小目、白番三連星などの布石が延々と紹介されている。扱い切れるかどうかは棋力次第だが、どちらかというと好きに打ちたい人にお薦め

どの布石も10ページあるか無いかくらいの割合でしか解説されていないため、深いレベルを追求している事は無い。そのため評価としてはCランクを付けさせて頂いた。浅く広く使う棋書であった。私は実戦に役立てられないが、眺めて楽しんだので問題ない

ここを直せば高段者 (実戦力強化シリーズ1) 武宮 正樹

【総合評価】 C

【カテゴリ】 序盤~中盤
【対象者】  三段前後

【内容】   ☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆

高段者を目指すための問題集。様々なテーマをこなしていくのだけど、一般的に売られている棋書とそこまでの差は無い。これと言って目立った部分が無いため、手に入れるかどうかは個々の棋力や読んでみた時の解きやすさで変わる。また、この棋書を解ければ高段かというと微妙で、問題のバランスに多少の不安定さを感じる面もある

問題は序盤から中盤に至るテーマ図から出題され、A~Cの三択から解答するのだけれど、高段を目指すのであればヒント文章のみ掲載する方が良かったのではないかと思う。それでも間違ってしまう事もあるので、難しいと言えば難しいのだが。ただし、解説は読みやすく図面や文章構成も丁寧に作られており読みやすい

対象棋力は3段前後であると思う。ここらの棋力で足踏みしている人は、一度手に取って自分に必要かを見極めて見るのもいいかもしれない。総合的に癖の少ない問題集なので、とりあえず三択の問題集という認識さえ持っていれば買って損をしたと言う事にはならないだろう

B 普通の棋書 ~一般的に誰にでもお薦めできる囲碁書籍~

どんな棋書を読めばいいのかを的確にお薦めするというのは、囲碁というゲームの性質上非常に難しい。良書と言われる棋書であっても、全く受け付けない人もいる。逆に誰もが読まない棋書でも価値を見出す人もいる。このランクでは”私の考える安定して読んで貰えそうな普通の棋書“をおいてみた。普通と言えども侮れない安定の棋書をお伝えしたい。

中盤戦に強くなる 打ち過ぎ撃退法 日本棋院

総合評価  B

カテゴリ  中盤
対象者   初段~

内容    ☆☆☆
構成    ☆☆☆
実用性   ☆☆☆
即効性   ☆☆

打ち過ぎはプロの碁でも当然のように出てくる。強硬手段など無茶気味であろうと、勝負の展開によっては必要なので仕方が無い。そういった無茶を咎めるか、咎められないかが棋力の違いとして結果に結び付くのが碁というゲーム。読者の方にも思い当たる節が少なからずあるのではないだろうか?

そんな打ち過ぎに対して、解説をしてくれているのが本書だ。アマチュア同士の碁にありがちなパターンを多く掲載してくれているため、どこかで見た事のある場面も見つかる事だろう。打ち過ぎを発見する事そのものは困難ではないかもしれない。何が難しいかというと、打ち過ぎの対処法という応手の問題だ

検討でお互いが安心して「ここは打ち過ぎだった」などと研究出来ればいいが、アマチュア同士だとどうしても間違った解釈も生まれやすい。一部の局面と限定的ではあるが、この本があればそういったミスをしっかりとプロが解説してくれている。

悪い手を打ったけど、応手が分からない人などは一読の価値あり。内容は少し難しいかもしれないため、できれば初段以降に読まれる事をお薦めする。

 

三段の布石101題 (最上位1%をめざす最強ドリル 3) 棋苑図書

総合評価  B

カテゴリ  布石
対象者   上級者~

内容    ☆☆☆
構成    ☆☆☆
実用性   ☆☆☆
即効性   ☆☆☆

問題のバランスが非常に良い。序盤こそ少し簡単かな?と思ってしまったモノの、総合的に解いてみれば序盤の不安はどこ吹く風という状態。良くも悪くも騙された感じだ。問題数は101題と少ないながらも、クオリティはしっかりしている。中身を見る事が無理な状態でも、棋力が上級者くらいならとりあえず買って損はない。

レベルもタイトル並みと言ってよい。上級者になった頃から解き始め、三段前後くらいまでの間は良書として扱える。問題数としては少なく感じるかもしれないが、実戦を想定していたり、最低限は押さえておきたくなるようなテーマを出題する問題バランスなので、このボリュームに関して私は文句が無かった。

ありがちな布石問題集なため、目新しさは無いかもしれない。しかし読みやすく作られているため手軽な問題を探しているのであれば手に取って見てはいかがだろうか。立ち読みなどをする機会があれば、是非とも読んでみるとよい。

必勝の石運び 上 (碁楽選書)徐 奉洙 (著), 洪 敏和 (翻訳) 東京創元社

総合評価  B

カテゴリ  手筋
対象者   中級~三段以上

内容    ☆☆☆
構成    ☆☆☆
実用性   ☆☆☆
即効性   ☆☆

私の感覚としては定石書なのだけど、扱いとしては「石の形」や「棋理」にも通じているものがあるので一概にこのジャンルと言えない所が難しい。用途として考えるのであれば「手筋の問題集」と呼ぶ方が自然かもしれない。

扱われている定石も、序盤は定石とまでは呼びづらい常識的な問題が多発する。だからと言って、簡単過ぎという事は無い。一手一手の意味を知らないと間違いそう。少しずつでも本書を見る習慣をつけると、石の流れなどが自然に頭に入りそうだ

ちなみに、繰り返し問題を解く事が好きな人には重要な要素が多いと思う。時間をじっくりかけて染み込ませる感覚で読む事が必要で、一回読んだらポイという人には勿体ない。反復の精神を重んじる方に向けられた棋書だと思う。購入前には事前に中身を確認しておく方が無難である。

 

新・呉清源道場1  究極の一手は簡明な一手 呉 清源

【総合評価】 B

【カテゴリ】 布石
【対象者】  三段以上

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆

棋書にしては珍しいプロの研究会での内容を文字に起こしたもの。研究会の主催者はもちろん著者である呉清源先生。それも先生の自宅で行われた内容を書籍化しているから驚きだ。多くの棋士が集まり、無数の意見が飛びかっていたようだが、呉清源先生の意見のみをまとめている。ファンならずとも読みたくなる一冊だ。

肝心な研究会の中身であるが、主に布石に関するテーマを取り上げている。簡明な定石を使い、なるべく難しい事をしないという方針ながらも内容はさすがプロの研究会。ひとたび解説が入ると、とても細かいところにまで言及しており難しいと感じるレベルだ。私的な感覚だが、序盤から考え込む人に喜ばれる棋書だと思う。

というのも序盤の数手から考えさせられる問題が多数用意されている。変化図も10手進んでいない局面を入念に解説しており複雑。この内容であれば最低でも3段くらいから読むべき棋書であると思った。強くなるには本書のような思考は必ず必要となってくると思うが、時期を見計らって読まないと挫折しそうなクオリティ。

盤上に夢と元気を   宇宙流が到達した囲碁観  武宮 正樹

【総合評価】 B

【カテゴリ】 読み物
【対象者】  すべての囲碁ファン

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

私が初めてお会いしたプロ棋士の先生は武宮先生だった。握手を求めたが快く応じて頂けた事は忘れていない。サインなどをお願いする余裕が無く、ただただ「宇宙流」を生みだした手に触れた記憶だけが頭に残っている。

そんな武宮先生の棋書であるが、「宇宙流誕生」におけるプロセスや棋士仲間との話などを中心に書かれている。もちろん延々と話が続くのではなく、棋譜解説も適度に掲載されているので読みっぱなしにならず飽きさせない。それでも読み物である事に変わりはないので、棋譜解説はおまけ程度に考えるべきであるが。

印象に残ったのは「勝ちに対する執念の打ち方と、ダラダラと打つ事の違い」であった。勝負手で勝ちをもぎ取りたい姿勢は大事だが、どう見ても逆転の可能性のない碁を若手棋士が打っているのを見かける事が多くなったという内容だ。私も、ネット碁でカチンと来た際に相手のポカを待つ事もあったが、この内容にハッとさせられた。

囲碁という競技は、勝ち負けも大事ではあるが、それと同時にマナーもしっかりしていてこそ碁打ちとしての仲間入りを果たせるのだと勉強させられた。この棋書から囲碁に向き合うマナーを再認識するのもいいのではないだろうか。

 

星の小ゲイマジマリ後の攻防 強くなる 囲碁・必須読本  結城聡

【総合評価】 B

【カテゴリ】 打ち込み
【対象者】  有段者

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

私は星からの小ゲイマジマリに対して違和感を持っていた。「無い手」とは思わないが、少なくとも好んで打つ事は無かった。理由は「星打ち」とは隅を一手で終わらせ、他へ展開していく「スピード重視」の打ち方という認識があるからだ。ゆえに星からのシマリを打つなら、最初から小目からのシマリを選択する。

それがどうしたことだろう。この棋書の読後は、めっきり小目からのシマリを打つ気がしなくなり、逆に星からのシマリを試したくなっていた。それにより星からのシマリには隅に打ち込みなどの手は残るものの、あえて打ちこませる戦法を取れるようになったのだ。結果的に布石としての戦略にも幅が広がった

デメリットは掲載される手数が多い時もある事。大半の方は、棋書を目で追う読み方をしているかと思う。しかし本書の場合、手順が長引く際には15手前後を掲載しているケースもあり目で追う事に疲れる場面もある。もう少し図を分けてくれた方が読みやすいとも思ったので、注意ポイントとしてお知らせしておこう。

 

攻めの力が劇的に強くなる4つの法則 武宮正樹

【総合評価】 B

【カテゴリ】 囲碁理論
【対象者】  上級~二段くらい

【内容】   ☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆

本書は、強くなる為に必要な法則を武宮先生がまとめたもので「1,弱い石から動く」「2,直接攻めない」「3,分断することが大切」「4,石の形を崩す・整える」の4項目から構成されている。アマチュアの碁を題材に、三択前後で次の一手を選択する問題集になっている。基本は4つの法則を意識して解くようになる。

武宮先生の棋書なので、少し「宇宙」方向への考え方を意識するようになるかもしれないと思っていたが、内容は至って普通の解答が用意されている。特にこれといって、「宇宙」を求められる事も無いので、誰が読んでもわかりやすい理論書のようなもの。心配するとすれば、あらかじめ答えの選択肢が限られている事くらい。

ノーヒントでがっつり考え込みたい人もいれば、多少のヒントを求める人もいるのでこればかりは好みの問題でもあるが・・。それでも難しいところは難しく作られており、問題集としてのバランスはしっかりしている。総合的にはマイナスポイントらしい部分もあまりない安定ぶりだった。

 

基礎からわかる 白番布石の教科書 迷いをなくす5つの鉄則 小松 英樹

【総合評価】 B

【カテゴリ】 布石(白番向け)
【対象者】  中級~初段くらい

【内容】  ☆☆☆
【構成】  ☆☆☆
【実用性】 ☆☆☆☆
【即効性】 ☆☆☆

本書は、相手が黒番と想定した場合に打たれる布石対策書。取り扱われる布石はメジャーなモノばかり。主には「三連星、中国流 、ミニ中国流、星と小目のシマリ、小ゲイマジマリと小目、小林流、ケンカ小目、向かい小目」などが中心。黒番の布石にどう対処すればいいのかが一目瞭然の仕上がりとなっている。

棋書レベルで言うと、基礎中の基礎でほとんどが解説されているが、それがこの棋書の良いところである。理由は布石はご存じのように多様で、個々の研究によってかなりの知識格差が出来てしまうからだ。本書は、そういった格差を起こさぬよう基礎だけでも押さえる事を目指した仕上がりになっている。

基礎を知っておけば、むやみやたらに相手陣に飛び込んで行ったり無茶をする事が減る。また、相手の布石から注文を読みとる事が出来るなど良い事づくめだ。問題のレベルが基礎を中心としているため、使用できる期間に制限はあるものの、理解できるまではとても役に立つ棋書であることは間違いない。

 

サバキの急所 石が死ななくなる6つの法則 王 立誠

【総合評価】 B

【カテゴリ】 中盤、サバキ
【対象者】  上級者以上

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

誰でも碁を打てば得意、不得意な展開が存在する。私は、サバキの側に回る展開が非常に苦手だ。もちろん他も苦手なところばかりであるが・・。サバキの苦しいところは、相手に狙われてしまっているところだろう。攻められては気分も良くないし、捌けなければ碁そのものが終わる程のダメージを負う可能性もある

そんなサバキについて取り組むならば、本書のようなスタンダードな内容を収めている問題集がお手頃だ。上達のコツは読んでもらうと分かるが、基本的な事を押さえながら地道に打っていく中で身に付くものというスタンスで書かれている。何事にも言い換えられるが、場数を踏んだ人が有利である事に変わりはない

ただし、その場数から学ぶにもある程度は段階を踏んでおく必要がある。王先生の解説はわかりやすく、この一冊だけでサバキの基礎固めも可能だ。本書は上級者以降に考えたくなるようなポイントがバランスよく網羅されており、一定の技術力を求められるようになる初段付近に近づいてきたら読まれると理解も深まるだろう。

 

厚い碁の作り方 羽根直樹

【総合評価】 B

【カテゴリ】 棋譜解説、厚みの解説
【対象者】  中級者以上

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆
【即効性】  ☆☆

内容は羽根先生の打ち碁22局の棋譜解説となっている。しかし掲載されている手は、一般的な棋譜のように最終手まで扱われているというわけでもない。あくまで主要な部分のみを取り扱っていると思って頂けるとよい。最後まで見たければ、打ち碁集のような物に頼るべきである。

変化図などが少なく、流し読みするような感覚で使うのが一番だ。厚みの勉強をするために手に入れると言うのであれば、中身を閲覧してからでないと後悔する可能性もある。私のような根っからの厚み好きには、これと言って問題は無いが、本書から厚みを学ぶつもりなら注意が必要。

「タイトル買い」するのが危険な棋書の典型例であったが、先ほど書いた通り変化図が少なく一般的な棋書のような寄り道が見られないため、さっさと進みたい人には相性がいいとも言えると伝えておこう。

基礎からわかる 中国流布石の教科書 知らなければハマり、知っていても互角以上! 小松英樹

【総合評価】  B

【カテゴリ】 中国流布石
【対象者】   中級~三段くらいまで

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

中国流の布石に対する扱い方を基礎から網羅している。小松先生の考える「中国流を打つなら知っておくべき鉄則」を元に解説がなされている。その鉄則とは「①4対1の攻めで主導権を奪う」「② 模様の接点を逃さない」「③ 三々は怖くない」「④ カカってから三々に入ってきたら死活が重要」の4点になる。この4点を軸に解説が進む。

また、中国流を打ちたい人側だけの問題で止めていない。もし相手に中国流の布石を打たれたらどうなるかを想定した、いわゆる知らない人にも向けた対策書としても有効になっている。布石作戦である以上、相手の思惑に乗りかかってしまってはいけない。そういった場合に本書のような基礎を攻略しておくと有利になれる。

総合的に級位者の頃から使い始めて、有段者になっても活用できる内容であるためお得感は十分に感じられるはず。多様な布石の中でも、打ちやすい、打たれやすい中国流を知るには本書はベストなポジションに位置しているのではないだろうか。

石のハサミ方 集中講義  楽に身につくプロの手法 小林 覚

【総合評価】 B

【カテゴリ】 布石
【対象者】  中級~上級者

【内容】   ☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆

布石における石の方向感覚などを含めて、ハサミの打ち方、考え方を学ぶ棋書。問題レベルは簡単なモノが多く、級位者の方が解かれる事をお薦めしたい。初段くらいになってくると物足りなくなるので、中級者くらいから手をつけておくと使える期間はそこそこ広がる。

ハサミの専門書ではあるが、前述している通り級位者向けである。高度なハサミを打っていくための技術書には向かないのでそこだけ注意が必要。解答は選択肢も出ているためヒントを使えば上手く進んでいける。小林先生の解説は非常に定評があるので、こういった棋書でハサミと布石の基礎を同時に固めるのも手だ。

全体編集はきっちりまとめられている印象。要所でしっかりチェックポイントを作ってくれている為、おさらいしやすい。まずはこの棋書でハサミの特徴に触れて、棋力を上げてからより高度な問題を探すというのもありだろう。

正々堂々 高尾の力学 (有段者囲碁選書)  高尾 紳路

【総合評価】 B

【カテゴリ】 布石
【対象者】  2,3段くらいから

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆

全4章に分けられた次の一手を考える問題集。布石~序盤で思考する場面が続くが、最後の4章だけは終局まで棋譜が掲載され解説がなされている。使われている碁は、高尾先生の実戦譜から。本書のコンセプトは、複雑な変化や難解な戦いになるべく入らない打ち方を目指す事である。

問題のレベルは非常に高いため2,3段くらいから読まれるのが一番効果的ではないかと私は思った。有段者向けとタイトルに書かれているだけあって、読み応えのある内容で満足できるだろう。当然の一手だと思われる解答から、少しその手は気が付かないという難しいものまで用意されてあり解説もわかりやすい。

ひとつだけ文句を言うならば、4章の終局図までの棋譜は不要だと思うところ。私はこの棋書にはあまりヨセの場面までは求めておらず、1~3章までと同じように布石と序盤の問題で最後まで続けて欲しかった。購入される場合は、おおよそ3分の1は終局図まで進行する事だけ頭に入れておくと間違いはないだろう。

置き去りの傷を探せ 日本棋院

【総合評価】 B

【カテゴリ】 終局直前の見落としを探す
【対象者】  級位者

【内容】   ☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆☆

本書は私なりの使い方で説明すると、“囲碁から離れていた時期が長かった人”が復帰する為の棋書。終局に近い図が用意されており、小さな傷の見落としが無いかをチェックする事が出来る。碁から離れた時期を長期的に過ごすと、碁を打っても目が慣れていないためポカも増える。そんな時に、本書のような見落としチェック本は役に立つ。

詰め碁ほどガッツリ勉強する感じも無く、囲碁を始めたばかりの子供たちの勉強などにも使われるほどの優秀な棋書。ひたすら碁を打つよりも、たまには碁を離れ休憩し本書などを読みながらまた囲碁ライフに戻るのもありだと思っている。どんどん解いていると、囲碁の感覚がすぐ戻ってくる。”難し過ぎない”という良さがあるからだろう。

棋書ミシュランにおいて、ヘビーユーザーの方などからしてみると、ここで本書が出ているのは不思議かもしれないが碁から離れている方などにもすぐ復帰できるような棋書プランを用意できればと私自身は考えていたので推薦してみた。ちなみに私は定期的に囲碁から離れては戻るを繰り返す一人だ。

序盤・中盤 ここがアマの盲点!  三王 裕孝

【総合評価】 B

【カテゴリ】 序盤、中盤
【対象者】  中級者以上

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

序盤から中盤にかけた問題集。非常にバランスよく構成されており、ひとつの問題ごとにテーマが提示されて“何を学ぶか”という指針をはっきりと打ち出してくれている。問題の解答は、選択する事になるが問題のレベルと照らし合わせると妥当であると言える。次の一手などのノーヒント形式だと間違えるだろう。

序盤から問題を出されているので、定石に対する選択眼や布石全体を見渡してひらめく第一感など様々な能力が要求される。パッと見は簡単だけど解いてみると意外と難しかったという内容も多く感じた。棋力としては中級くらいか、上級者になったくらいから解いたのでも十分に勉強になる。

本書は昭和に刊行された物を編集しているが、現代の棋書にも負けず劣らず読みやすい。マイコミ文庫のブランドという安定感も健在だ。

依田流 並べるだけで強くなる古碁名局集  依田 紀基

【総合評価】  B

【カテゴリ】  棋譜
【対象者】   上級者以降

【内容】    ☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆
【即効性】   ☆☆☆

棋譜を並べると言うのは、ケースによって楽しめるか楽しめないかがはっきり分かれる。例えば現代碁と古碁を比べると、古碁の方が少し難しい。馴染みが無い布石から進行するせいであろうか。なるべく現代の解説が入っていた方が読みやすいし、解説が無いよりあるに越した事は無い

本書は、古碁においては解説が丁寧にされてある方で、かつ文量は少なく扱いやすい。依田先生は並べるだけで強くなるとおっしゃっているが、こう見るとやはり少量の解説は必要とも受け取れる。先生は、こうも書かれている。”美術館で作品に対する解説が流れている事があるが、そういう感じだと思って欲しい”という内容だ。

本書は、しつこくない程度の最低限の解説と、合間に掲載されているコラムがちょうど棋譜並べの休憩にもなり良きバランスを保っていると思う。

スモール中国流布石 徹底ガイド 河野 臨

【総合評価】 B

【カテゴリ】 布石、スモール中国流布石
【対象者】  上級者~

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆
【即効性】  ☆☆☆

スモール中国流とは、中国流の5手目をさらに一路下にずらした布石を指す。研究家の河野先生が書かれているため分かりやすい。一路の違いではあるが、この一路の大きさについて先生の考えが本書では詳細に述べられている。世界でも流行しているため、早めに知識を取り入れたければこれで十分な内容だ。

黒番のスモール中国流布石に対して、白からのカカリは無数に存在するがそれらを一つずつ解説しながら進行する流れ。巻頭でもカカリのテーマ図を入れた目次を用意してあるなど親切な編集となっている。中身も要所でまとめを入れてくれており復習の準備は万端。無難な言い方になるが、スモール中国流を学ぶなら本書は扱いやすいと思う。

内容レベルは棋理にかなった打ち方を推奨してくれており、めちゃくちゃに難しく複雑化されている事は無い。上級者くらいなら、それなりに理解しながら読み進められるであろう。本書を把握しきるにはそれ相応の棋力が必要だが、気楽に学び始める感覚で読むと良い結果が付いてくるとも思う。

中盤の一手 初段へのレッスン (碁楽選書)  曺 薫鉉、成 起昌、洪 敏和

【総合評価】 B

【カテゴリ】 中盤
【対象者】  中級者~三段

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

タイトルには初段のレッスンと「初段」を強調しているが、問題によってはそこそこレベルが高いように感じる。トータル的には2~3段までなら余裕で使える棋書だ。序盤の問題こそ簡単だが、気がつけば途中で難しくなる場面も。中級~上級者の間で本書を読み始めると効果が期待できるのではないだろうか。

内容は実戦向きでわかりやすい構成となっている。すぐに使えると言ってもいいくらいなので、即効性を求める方には調度いいかもしれない。石の方向感覚や、石を攻める際の感覚を養えるだろう。級位者の頃には失敗しがちな攻めも、本書のようなお手本があると学びやすい。

上手の目のつけどころなど本書を読む事で学べ、思考も変化に向かいやすくなるはず。安定した読みやすさもあり初段に到達していない人であれば購入してもいいのではないだろうか。問題テーマは局面全体から考えるのでは無く、部分的なところから出されたりする(盤面の半分など)ので大事なところを集中講義しているような棋書とも言える。

苑田流格言 実戦講義 楽に身につく「場」の定義法 苑田勇一

【総合評価】 B

【カテゴリ】 囲碁理論
【対象者】  有段者向け

【内容】   ☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

本書は苑田先生の打った実戦譜をテーマ図に、問題と解説が繰り広げられている。問題&解説は棋書の基本スタイルであるため、一見すると普通の囲碁本と思われる方も多いはず。しかし内容は独特の解説法を用いており、他書との差別化はしっかりと図られているため相性の良い方には読みやすい仕様となっていると思う

よく囲碁は「感覚的にここらに打ちたい」などという理由で、元々のセンスを問われる部分も多い。そういったセンスの問題を抜きにして、石と石の間における幅や高さ、石数の多い少ない、石の強弱など石の競り合う場面での話を、具体的に解説してくれているのが本書だ。例えば石数なら、何子VS何子だからこう打つなど論理的でわかりやすい。

また、解説図の中に線を引いて枠を作っていたりと細かく説明を入れている部分も目に止まる。わかりやすくなっているとはいえ、場合によっては邪魔に感じる人もいるかもしれない。個人差によって変わるがストレスになるほど大量に使われているわけでもないので気にしない人には調度いいのではないだろうか。

万波佳奈の囲碁上達ハンドブック―誰も教えてくれなかった上達のためのQ&A 万波 佳奈

【総合評価】  B

【カテゴリ】  囲碁総合
【対象者】   19路を打ち始めた方

【内容】    ☆☆☆
【構成】    ☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆

簡単過ぎて、すでに打ち始めている人にとってはスルーされてしまう内容。しかし、裏を返せば打ち始めくらいの人にとってはスルー出来ない内容。万波先生の棋書は、初心者向けが多いが過去の先輩棋士たちがやってきた初心者の壁破壊の後任者だと自分は思っている

第1章の「誰も教えてくれなかった質問」は評価できる。碁盤の解説では無く、言葉だけでの解説をしている。「碁会所に行ってみたい人に向けた話」や「パソコンでの囲碁勉強は役に立つか」などに始まり、色々な疑問に答えている。一見どうでも良さそうな事にも答えられているが初心者にとっては聞きたくても聞けない質問で有益な内容だ

女性向けといえば女性向けの棋書。ちょっとした所で会話が成立している棋書なので、囲碁の勉強だけだと堅苦しいという人などにお薦め。NHKでもアマチュア寄りに聞き手の仕事をされていたりと、やはりアマチュアの気持ちを理解してくれているプロ棋士が書いているという面は大きい。初心者は試しに目を通してみるといいだろう。

A なかなかの棋書 ~名著としてお宝として損をさせない棋書たち~

棋書集めが面白くなったのも、このAランクに登場しているような本に出会うようになった影響が大きいかもしれない。読んでいる最中に「お、これは少し違う棋書だぞ」と感覚的に分かるようになるとお宝を見つけたような喜びがある。”買って損はない”と自信を持って推薦できる棋書はレビュアーにとって貴重な存在だ。

お悩み天国 治勲の爆笑人生相談室 趙 治勲

総合評価  A

【カテゴリ】  読み物
【対象者】   週間碁を未読の方、趙 治勲先生のファンの方

【内容】    ☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆

チクン先生が大好きな囲碁ファンは多いだろう。かくいう私もチクン先生のファンであり、解説などを中心とした面白いトークではいつも笑わせて頂いている。しかし囲碁になると全くの別人。頭をボサボサにして捻り出す一手はファンを魅了する。「ギャップのある人は魅力的」という言葉は、チクン先生にも当てはまっている。

本書の内容は、週刊碁に投稿された読者の悩みにチクン先生が答えるという名物コーナーをまとめたモノ。相談者とチクン先生のQ&Aが1つの質問につき4ページ前後を使って回答されている。チクン先生ご自身が非常に丁寧に答えているため読みごたえは抜群。

面白いネタ的な投稿から、真剣な回答までバンバン飛び出てくる。また、全然関係の無い棋士の先生のファンなども登場してくるが、ユーモアのある先生のセンスによってチョイスされたと思われる。囲碁を知らない人でも雰囲気で楽しめるが、それでも最後は囲碁ファン向けの仕上がりであった。

 

10目得するヨセのテクニック すぐに効く厳選213題  山田 規三生

【総合評価】  A

【カテゴリ】  ヨセ
【対象者】   上級~

【内容】    ☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆

本屋に並んである棋書を眺めていると目に飛び込んできた「10目得する」の文字。この手のタイトルは誇張しているケースもしばしば目立つが、本書に関しては嘘とは言えない見事な出来栄えであった。同時に「すぐ効く」という文句も適している。何しろ実戦的な問題を惜しみなく課題として与えられるからだ。

私のヨセは何気なく打っている場面が多く、「ここは普通に下からハネツギを打っておけば、先手で形が決まるだろう」などと露骨なまでの普通のヨセを打っていた。しかし、この棋書を読んだ後には「まだ何か手が残っているのでは?」と意識を研ぎ澄ませるようになった。見落としの怖さを本書は教えてくれているのだ

ヨセを勉強すると「出入り計算」や「逆ヨセ」などの難しい話で挫折する人も多いかと思う。私もその一人だったので理解できないという苦しみは肌で感じている。しかし、一部分でも形として手が残っているのではないか?と考える習慣をつける事は難しい話では無い。

この問題を解いて「当たり前のヨセの中にある手」を発見できるようになれば、10目ならすぐに逆転してしまうヨセの感覚を手にする事が出来るだろう。繰り返し解ける良質なヨセ問題集だった。

 

依田紀基の強くなりたきゃ石に聞け 依田紀基

【総合評価】  A
【カテゴリ】  囲碁理論
【対象者】   上級者~有段者
【内容】    ☆☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆

囲碁に関する理論、棋理を説いてもらうなら依田先生に頼むべきだと思う。熱心な囲碁ファンならNHK杯での解説を聞いていても分かるかと思うが、碁の疑問に関して細かなところまでファンに説明しようと頑張ってくれている姿勢が素晴らしい。なおかつ分かりやすく、見聞きした人を納得させる説得力が魅力的だ。

まず本書の目線はアマチュアからの観点を多く採用している。アマチュア高段者同士や依田先生のお子さん、他にも置き碁などを中心に棋譜を掲載している。もちろん、プロの立場から依田先生の碁も採用されており満足の行く豪華さ。

題材にされている方の棋力がバラけてはいるが、依田先生の解説がしっかりしているため上級者以上に向けられてしっかり締めるところは締めるといったバランス感がある。私も含めた、アマチュアにありがちなミスが多く抽出されており非常に読んでいて為になる

感心したのは「なぜこの悪形がいけないのか?」という部分を解説していた点だ。これは「筋が悪いからダメ!」と一言で済ませるのではなく、細かく噛み砕いて想定図を示した上で「ここが、こうなるからマズイのです」と理解に繋げてくれるところ。読み手が納得する仕上がりなので推薦しておこう。

 

石のヒラキ方 集中講義 序盤で差がつくプロの手法 小林覚

【総合評価】A

【カテゴリ】序盤、布石
【対象者】中級者~有段者

【内容】☆☆☆☆
【構成】☆☆☆☆
【実用性】☆☆☆☆
【即効性】☆☆

二間ビラキ、三間ビラキなどケースによって打たれるヒラキ。しかし、私はどういった際に二間や三間を選択するのかが理解できていなかった。「何となく」「とりあえず」で打たれたヒラキはその場は良くても、後になって「あの時の手がまずかった」と後悔に変わるかもしれない。そんなヒラキに対する疑問に本書は有効だ。

全体的には布石書と思っておくと良い。実戦的にも良く出てくるケースを想定して作られており、基礎的な部分からしっかりと叩きこんでもらえる。「具体的に何をどう考えると、このヒラキになるのだろう?」などと常日頃からヒラキに疑問を持っている人へ向けた特化型の内容が素晴らしい。

この棋書を読む事で、私のヒラキに対する感覚にも少し変化があった。「ここは二間ビラキのパターン、これは三間ビラキの定石」などといった、手拍子感覚で打っていたヒラキの決め打ちは減った。ヒラキに対して、十分に考える楽しみが増えたとも言い換えられる。本当にヒラキとは奥深い物だ。

小林覚先生の棋書は、分かりやすく理解しやすい物が多い。特にこのヒラキの集中講義は特段のクオリティ品質であった。ただ、内容は簡単なように見えるが理解して自分のモノにするには時間がかかる。じっくり読んで、実戦を重ねて吸収できるよう訓練は必要なのも確かである。中級くらいから読み始めると良いだろう。

 

常識破壊―殻を破る発想法 宮沢 吾朗

【総合評価】 A

【カテゴリ】布石、序盤~中盤
【対象者】上級者以上、囲碁の常識に疑問を抱いている方

【内容】☆☆☆☆
【構成】☆☆☆
【実用性】☆☆☆
【即効性】☆☆

「囲碁は自由性が高く、好きなところに打っていいゲーム」という文句を聞いた頃はあるだろうか。実際に碁はルール上で問題が無ければ好きな場所に打っていい。初級者の頃から、好きなところに打ち始め碁を覚えていく。しかしそれもある一定の棋力までだ。気がつけば「ここはこう打つのが常識」と決めている場面も多い。

プロが示すお手本のような手が載っている棋書などは、アマチュアに取って一つの指針ともなっている。しかしそれが正解かどうかはわからない。良いとされてきた手が、突然悪いと言われる時代に入る事もある。その逆もまた然りだ。これらのことから碁の世界であれど、現実の世界と同じで常識も常に変動している事がわかる

宮沢先生の発想は至ってシンプルであった。「常識に従わなければならない事は無い」「自分の好き嫌いで打っても良い」という当たり前であるが、忘れがちな囲碁に向かう考え方が書かれている。本書は「周りに流されて打つ事よりも、自分に取ってその手がどうであるかを軸に考える重要性」を振り返るチャンスを与えてくれる。

常識的な手を打たれている方でも「この手の何がいいのだろう」と疑問を持ちながら打っているケースもあるかもしれない。ひょっとすると、それはあなたの直感が「常識を破れ」と答えてくれているのかもしれない。自分の碁に悩んだり迷った際に本書を読むと、常識の先にある何かが見えてくるかもしれないとだけ伝えておこう。

 

アマでも身につくプロの常識 有段者への近道5 大橋 俊雄

【総合評価】 A

【カテゴリ】アマチュア題材、序盤~中盤
【対象者】有段者向け

【内容】☆☆☆☆
【構成】☆☆☆☆
【実用性】☆☆☆
【即効性】☆☆

テレビなどでプロの碁を見る事はあれど、アマへの指導碁はなかなか拝見する機会が無い。華麗に打ち回し、アマを翻弄させる場面をたまには見てみたいと思う。そんなプロとアマの対局がここに再現されている。置き碁ではあるものの、登場棋士は豪華そのもの。古い棋書なので、あまり知らない棋士ばかりかと思いきや・・。

呉清源、梶原武雄、影山利郎、高川格、林海峰、加藤正夫、大竹英雄、山部俊郎、前田陳爾という豪華メンバーを中心に名のある棋士が登場するまさに贅沢な一冊だ。なぜ指導碁の舞台にいらっしゃるのかもよくわからないが、この顔触れを見ただけで読んでおく価値があるのはお分かりいただけるだろう。

プロとアマの手を比較し、プロならではの美しい手を見る事が出来る。アマなら思わず打ってしまう手を、プロは違う着想を持って打つ場面がこの一冊で十分に味わえる。楽しい指導碁集という感覚で読んでみると面白い。ただし、さすがにプロを相手にするアマだけあってレベルは高い。有段者になって読む方が理解しやすい。

 

山下敬吾 戦いのベクトル 山下敬吾

【総合評価】 A

【カテゴリ】 布石
【対象者】  有段者向け

【内容】   ☆☆☆☆
【構成】   ☆☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆

全4部で構成されており「1,天元のベクトル」「2,『5の五』のベクトル」「3,最近打たれている布石」「4,戦いのベクトル」と分けられている。それぞれのテーマに対して山下先生の解説が書かれている。特に面白いのは序盤の「天元」と「5の五」についての解説だ。山下先生の若手時代に打たれていた手で非常に珍しい手。

囲碁漫画の「ヒカルの碁」でも、山下先生の打った手が再現され登場している事でも有名。布石の本ではあるが、上記のような珍しい手で作り上げた場面を掲載して解説している点が非常にレア。他の棋書でも、珍しい手を解説しているケースは存在するが、この棋書はボリューム感の面でそれらに勝っている

「天元」や「5の五」の魅力は、普通は打たれない布石であるため未知数な部分が大きい事。常に四隅から打ってしっかり地を確保する碁のセオリーの真逆を進む手だ。非日常的な世界を広げたい場合は、こういった構想で打ってみるのも一つの手。山下先生の世界観にも触れる意味で、試される価値はあると思う。

アマが強くなれない4つの理由 武宮 正樹

【総合評価】 A

【カテゴリ】 囲碁理論
【対象者】  中級者~有段者

【内容】   ☆☆☆☆
【構成】   ☆☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆

数々の囲碁理論に関する棋書が出ているが、武宮先生のファンであればこの棋書で理論を学んでみては如何だろうか。特筆すべきは検討や解説もさることながら、読み手のやる気をも上手い具合にコントロールされていると言う事。問題を解く際には、誰もが間違いやミスをしてしまう。人によっては、間違いが続くとやる気その物を失っていく事もある。

しかし本書の素晴らしいところは、そういったアマチュアがまず間違うと言う前提で書かれていると言う事。本書の途中で武宮先生から「そう打ちたい気持ちもわかります」というメッセージが添えられており、間違った手に対しても配石次第ではありえる手とフォローを入れてくれている。ミスした側を全否定しない配慮は地味に嬉しい。

本書の解答も面白く、武宮ワールド的感性のような解答を求められる場面もあったりと読み応えがあった。全体的に「ゆとり仕様」というと語弊があるが、打ち手の気持ちに対して余裕を持たせ勉強させる棋書というのも、一つの良さであると私自身は評価している。

碁の戦術 アマの知らない21の秘策 牛窪義高

【総合評価】 A

【カテゴリ】 囲碁理論
【対象者】  初段以降

【内容】   ☆☆☆☆
【構成】   ☆☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

この棋書はパラパラめくっただけでは効果に気が付けない。私は最初にこの棋書を手に取った時は惹かれなかった。なぜなら偶然に「アキ三角の図による愚形」や、「三線と四線に打った場合の違い」などが書かれてあるページを見てしまい勝手に級位者向けの棋書と認識したからだ。のちに牛窪先生の「碁は戦略」を知り本書を再読し良さに気付く

改めて読んだ時には、感動モノだった。とにかく牛窪先生は解説が上手い。本書は囲碁における基礎を教えているようで、応用的な事をしっかりと伝えている。複雑化しやすい内容もわかりやすくしてくれているため、人によっては級位者向けのように見てとれる事もあるが内容はちゃっかり有段者向けとなっている

デメリットは文章量が多いため、読みにくさを感じる事がある事だ。ただし贅沢な中身を伝えてくれているためそれくらいは仕方が無いとも思う。棋書のみで勉強している人などは、本書「碁の戦術」そして別に「碁は戦略」を同時にセットで持っておくと良い。まずは本書から読む事をお薦めする。

第一感の死活 進級シリーズ 日本棋院

【総合評価】 A

【カテゴリ】 詰め碁
【対象者】  級位者

【内容】   ☆☆☆☆
【構成】   ☆☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

いつまで経って使える死活の詰碁本。基本、応用、発展の順で問題レベルが上がって行く。それぞれ約100ページ使われており、合計で320ページほどある。じっくり勉強できるだけの問題数と、バランスの取れた内容が魅力的。日本棋院の囲碁文庫は定評があり、今でも人気しているため棋書集めをされている方などは所持されているのでは。

「第一感」というタイトルについてだが、誰でも一瞬で解ける内容だったり”ひと目シリーズ”のような簡単さを指しているわけでも無い。本書はある程度の棋力になれば第一感で解くことは可能だがそれなりに鍛錬が必要となる。初心者では無くなったくらいの級位者の方が読んでみて解く気になりそうなら勉強していくと良い。

趙治勲先生の名著「ひと目の詰碁」などをステップアップに読み終えた人が、本書を手に取られるのも一つの選択肢だと思う。手のひらサイズでコンパクトな為、少し間が出来た時に取り出せるところも好感が持てる

淡路塾特訓コース1 モタレ攻め指南 淡路 修三

【総合評価】 A

【カテゴリ】  モタレ攻め
【対象者】  中級者~低段者

【内容】   ☆☆☆☆
【構成】   ☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆☆

理想的なモタレ攻めの教科書と呼べる棋書。級位者の頃は、モタレ攻めの概念を上手の方から教わるも今ひとつ腑に落ちないままでいた。しかし本書はそういった難しかったはずのモタレを、アマチュアの碁を題材にして実戦的に分かりやすく学ばせてくれる。

モタレる前の準備に打たれる手などの大切さを、失敗図も含めた解説で手厚く伝えてくれている。読むのであれば、中級者~上級者の間くらいで目を通し始めるのがベストではないだろうか。

目安で”中級者~”とさせて頂いているが、もっと詳しく言うなれば指導を受ける際に「直接的に相手の石を追いかけるな、遠巻きに攻めろ」などと言われやすい人に適正抜群で即効性のある内容だと思う。発売当初に購入したが、本書は当たりの典型的な例の棋書だと私は感じている。

石の強弱判断事典  淡路 修三

【総合評価】 A

【カテゴリ】 定石
【対象者】  中級者~

【内容】   ☆☆☆☆
【構成】   ☆☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆☆

囲碁には定石があり、その定石には手順や形を覚えると言った勉強が付き物だ。しかし、本書は定石の強弱にスポットを当てており、定石を打ち終えた後の狙いを中心にまとめられている。星打ちや、小目から発生する定石への攻め方などが詳細に書かれてあり、非常に読みやすく有効に役立てられる内容。

本書はアマチュアの碁に登場しやすい簡単な定石後の狙いを多く扱っており実戦的に使えるよう編集されている。巻頭では、定石の基本形を事典形式として掲載しており、必要な図が探しやすくなる工夫がなされている。また、石の強弱も数字と%で表してくれており、解説と共に分かりやすさを追求された過程が見受けられ好印象

総合的な感想としては、「実戦的に打った(打たれた)定石を、その後どうしていけばいいのか分からない」と考えてしまう人などがこの棋書を参考にされると棋力アップに繋がるという印象を持った。この手の内容は、本書でなければ理解できないという事はないが読みやすさや学習のしやすさの面で言うなら他と比較すると優れていると思う。

呉清源の生涯一局 昭和の棋聖 100年の軌跡 呉清源

【総合評価】  A

【カテゴリ】  打ち碁
【対象者】   有段者

【内容】    ☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆

こういう打ち碁の本があると読みやすいなという典型的なお手本が出てきたような感想。昭和の巨匠を殆ど知らない自分に取っては、こういった棋書がある事で少しでも偉大さを実感する機会が増えてありがたい。打ち碁をメインに扱っているが、ひたすら棋譜が並ぶだけでは無い。写真なども掲載されており、対局の際のエピソードも書かれてある。

掲載されている棋譜は60局と、棋譜集や打ち碁集という観点で見ると「もっと掲載譜は多い方が良い」と感じる人もいるかもしれない。しかし本書に関してはこれくらいが調度いいと言える。理由は、読みやすさを追求していると感じるからだ。並べ続けるだけでなく、解説などもわかりやすく書かれており、バランスが非常に良いと思う。

これは呉清源先生の偉大さとエピソードがあって成立している打ち碁本であるが、出来るならこういったスタイルで現代棋士の打ち碁集を出してもらえたらありがたく感じる。今はネットが普及し棋譜だけなら、どこかに掲載されている事もある。しかし囲碁ファンとしては、棋士ひとりの人間性の話も棋譜と同じくらい知りたいのも確かだ

「圍碁」 名局細解シリーズ 囲碁編集部

【総合評価】  A

【カテゴリ】  棋譜解説
【対象者】   上級者以降~

【内容】    ☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆

雑誌「囲碁」(題字は圍碁)の付録についてくる小冊子が12冊まとめて毎年販売されていたシリーズ物。小さな箱にコンパクトに収納されることで貴重な品のように見えるが、まさに本物。棋譜とプロ棋士による解説のみで構成されているが、小冊子なので的確なポイントにのみ解説が入る。これにより、だらだらしがちな棋譜解説もテンポよく読める

棋譜並べの際に「解説が多すぎると面倒」と思う人に重宝する。解説の多い棋書はありがたいが、全てが頭に入るわけでもない。本書くらいの内容が調度いい。ネット上でも評判がよく今では中古ですら見つけられたらラッキーな存在となった。毎年発売も、2012年に「圍碁」が休刊してからは発売されておらず、碁打ちの間で語り継がれる名著だ。

今となっては手に入れにくいが、絶対に手に入らない訳でも無い。資金に余裕があれば、アマゾンやヤフオクに出品されている場合は是非手に入れておきたい。ただ、美品を求めると総じて相場が高くなりやすい。私も趣味で集めてはいるが、どうしても手が届かない価格になっている物もあるため、出せる資金の範囲で購入している。

よく分かるヨセの基本 (日本棋院新書 進級編) 趙 治勲

【総合評価】  A

【カテゴリ】 ヨセにおける考え方
【対象者】  中級者以降

【内容】  ☆☆☆☆
【構成】  ☆☆☆
【実用性】 ☆☆☆☆
【即効性】 ☆☆☆

布石構想を練る序盤のワクワク感、戦いが起こり互いに譲れない中盤の緊迫感、打つ場所がどんどん無くなっていく中で見極めねばならない終盤の慎重感。囲碁はいつも忙しく、ドキドキハラハラの連続である。私はそういう部分が好きで、囲碁にハマったと言っても過言ではない。しかし、どうしてもハマれない局面もあった。それがヨセだ。

ヨセは先手で打っていくことはもちろん、出入り計算などの細かい目算が求められる。私は正直、どうしてもこういったヨセを楽しく思えなかった。いくつかの棋書を読むも、ほぼ理解不能と言うべきか。言いたい事はわかるのだが、複雑に見えて頭に入らない。そんな時に出会ったのが本書だ。地味だと思っていたヨセに光が見えた。

基礎から解説しているヨセ本だ。もちろん、苦手な人はそれでもわからないかもしれないが、少しずつ読み進める事で理解できる可能性は高くなるだろう。本書は問題1問に付き、次ページで1カ所だけ解説がついてくるため、複雑化させた解説は少ない。もちろん、大まかな解説は冒頭にあるが、以降は解説が少なくなるため最低限のヨセ解説書という感覚だ

S とりあえず手に入れろ 話はそれからだ ~歴史に名を刻む名著たち~

Sランクの棋書は、可能であれば新品購入して保管するくらいの勢いを推奨している。どうしても難しい場合は中古でも仕方が無いが、とにかく手元に置いておきたい。場合によっては、絶版化してしまうとプレミア価格が付くため中古のボロボロ品質ですら高額になる事も。そうならぬよう注意が必要だ。手に入らない状態だけは絶対に避けたい。

石の形 集中講義 完全版 楽に身につくプロの感覚 三村 智保


【総合評価  S

【カテゴリ】  囲碁理論
【対象者】   級位者~低段者

【内容】    ☆☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆☆

 

棋力は目安程度に書いてあるが、級位者であれば騙されたと思って一読してみる価値は十分にある。理由は簡単で、碁に置ける基礎中の基礎がこの本に詰まっているからだ。「石の形を軽視すると必ず盤上で痛い目に合う」というのは、これまで指導して下さった先生方との検討はもちろん、自分の経験を重ねても当てはまる。

筋にも直結してくる「石の形」はなるべく早いうちに身につける方が良い。我流で打てば打つほど自分のスタイルが確立されてしまい、矯正は難しくなってしまう。私はこの棋書を読む事で「石の形」に関して効率を意識化できるようになった。これだけのレベルにまで昇華されているのは、三村先生のセンスの賜物とも呼べる。

「サカレ形や愚形の何がいけないのか?」と疑問に感じ考えている人や、平気で「2目の頭」を叩かれている人などは読んでみると囲碁観が変わる事は請け合いだ。すぐに効果が出て来なくとも、じわりじわりと自分の碁が変化する事を実感できる。

ちなみに、旧版の全304ページに対して、完全版は全352ページと微増している。追加点は、各章の項目ごとにまとめページを増設していること。また旧版には未掲載だった「好形と眼形」が完全版では18ページ収録されている。全体的には旧版との間に大差はないが、どうせ買うのであれば完全版をお薦めしたい。

依田ノート  依田 紀基

【総合評価】  S

【カテゴリ】  囲碁理論
【対象者】   中級者~低段者

【内容】    ☆☆☆☆☆
【構成】    ☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆☆

依田ノートの評判は、ネットで検索すれば当然のように出てくる。それもほとんどが高評価。支持されている理由は相当にあるが、魅力は何と言ってもこの棋書1冊に勝利を目指す最低ラインの基礎知識が全て詰め込まれている事にある。

実利、厚み派などの枠組みはまだ先の話で、ありとあらゆる碁打ちに向けられたオールマイティな位置に存在する棋書だ。囲碁理論書を薦めるならこの「依田ノート」は避けられない。それほど充実した内容が収録されており、本書のキャッチコピー「2目強くなれる」は伊達じゃない

読み頃は19路に慣れてきたくらいがベスト。理由は、基本的に19路での打ち方として見なければいけない場面が多いからだ。小さい碁盤で打っている間は、読んでも意味が分からない部分もある。読んでみて内容が分かる項目は合格点、わからなければすぐにでも勉強するポイントをしっかり教えてくれる。

一つだけマイナス面がある事を伝えておかねばならない。それは構図の問題である。近年の棋書には無い傾向だが、ページをまたいで解説を読まねばならない部分が出てくる。これは、読みやすさを追求すると問題になる「玉に瑕」に該当する。気にしない人は問題なく名著なので是非とも目を通されるといいだろう。

 

 

ひと目の詰碁 やさしい問題を反復練習 趙 治勲

【総合評価】  S

【カテゴリ】  詰碁
【対象者】   初級者~初段程度

【内容】    ☆☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆

囲碁を始めたら基礎力をつけるために「詰め碁を解きなさい」と教わる人が多いと思う。そして、詰め碁を解いてみるも「解けなくて諦めてしまう」などの理由でやめる人も多い事だろう。私もその手のタイプだったのだけれど、詰め碁が嫌いでほとんど最初は詰め碁を勉強しなかった。

解けないからつまらないし、解けても非常に時間がかかり、他のジャンルの棋書を読む方が効果的に思えるのは実体験からの感想だ。詰め碁を嫌う人はかなりいるが、そう思うのは当然で確かに詰め碁は解けないし、時間もかかって先に進め無くて面白くない。練習よりも、実戦をしたい気持ちがはやる。

しかしこの棋書は違った。まずカンタン楽勝という事。それも、それほどの棋力が無くとも解く事が簡単で分かりやすい。そうなれば読み進める事も苦にならないという訳である。「詰め碁は答えを見ていいから簡単なモノから解きなさい」とはチクン先生の言葉で、その通りの本となっている。

碁を始めたばかりの人でも解け、決して飽きさせない工夫をさせた「ひと目の詰め碁」は初級~初段くらいまでの人向けだ。また、しばらく囲碁から離れていた人などは碁の感覚を取り戻すためのウォーミングアップ詰め碁としても愛用可能。碁を趣味にしている方であれば9割の人は持っておいて損はないだろう。

 

勝利は10%から積み上げる  張栩

【総合評価】  S

【カテゴリ】  読み物
【対象者】   勝ちたい人、負けず嫌いな人

【内容】    ☆☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆☆☆

張栩先生はやっぱりどこか違う。そう思っていた事が、この棋書を読む事で確信に変わった。「勝ち」の前にはプロであろうとアマであろうと関係ない。棋力の差に決して惑わされず、ただ目の前の「勝利」をどん欲に奪いに行ける人だけが勝者になれると考えさせられた一冊。格上、格下の概念が本書には存在しない

勝負の中に生まれる油断や、自惚れなどを一掃させられた感がとてつもない。数々の結果を残してきた張栩先生の言葉だからこその説得力に刺激を受けた。読後はどんな人も対局に向かう姿勢が必ず変わるはず。凄い人たちの成長へアドバイス文句は大体決まっているが、張栩先生も例外なく同じで「地道な一歩」を例に出された。

張栩先生いわく、強くなる為には「勝率をまずは2~3%上げること」だと書かれている。目の前に小さな壁が立ちはだかれば、確実にその小さな壁を超える姿勢こそが大事という内容だ。張栩先生というと異例のスピード出世のイメージがあったが、確実なる勝ち星を取り込んでの今だったのだ。

この棋書の素晴らしいところは、誰が読んでも為になる事だろう。囲碁という世界だけに止まらない。ビジネスマンだろうが、高校生だろうが立場は関係ない。今、何かに対して挑戦している人なら一読しておくと良いのは言うまでもない。勝負の哲学書としても非常に優秀な内容であった。

 

打ち込み読本 即効上達シリーズ5  日本棋院

【総合評価】  S

【カテゴリ】  打ち込み後の変化図
【対象者】   19路で打たれる方

【内容】    ☆☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆☆

アマチュアなら絶版化する前に買っておかないと後悔する一冊。数ある打ち込み系の棋書の中でも、抜群のコストパフォーマンスを発揮しているのは本書を除いて他に見当たらない。日本棋院から発刊されているこのシリーズのお手軽さたるや、囲碁ファンの間では常識だろう。特にこの「打ち込み読本」だけは黙って買いのレベル。

なぜ本書だけは買いなのかというと、とりあえず押さえたい打ち込みに関する基礎知識が豊富に掲載されているからだ。隅の三々への打ち込みはもちろん、辺で起こる打ち込みの攻防なども変化図がしっかり分かりやすく掲載されておりボリューム満点。これ一冊を理解しようと思えば、有段者でも容易ではない読み応えがある。

そうかと言って、初級者などの打ち始めたばかりの人にとって不要かと言えばそうでもない。自分が打ち込んだ後や、相手から打ち込まれた場合の応手パターンをしっかりと確認するためなどに十分な効果を発揮してくれる。分からないから不要なのでは無く、分からないから必要なのである。

特に三々への打ち込みに関しては、級位者の頃は混乱しやすい。そんな時にこの棋書があれば、まるで指導者が傍でナビゲートをしてくれる感覚だ。誰が買っても損をしない、一生使える打ち込み読本と覚えておくといいだろう。打ち込みマスターを目指すなら、まずは本書から手を付けてみる事をお薦めする。

 

筋と形に強くなる 囲碁定石事典 監修 小林光一

【総合評価】  S

【カテゴリ】  定石事典
【対象者】   19路で打たれている方

【内容】    ☆☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆

囲碁部に置かれてあったので手に取ってみたら、非常に使いやすく読みやすかった事に衝撃を受けた。やや大きいけれど、それでも片手で持ち運びできるスマートさに惚れて購入を即決した私の自慢の定石事典。総ページ数は560ページにもわたり、小さいながら多大な情報量でサポートしてくれる便利さが魅力。

そうは言っても小さいので、何も知らない人からすると「見づらかったり、内容が少し省略気味なのでは?」と思われる可能性も無きにしもあらず。しかしそんな心配を吹き飛ばすかのように、小林先生が全力の監修を手掛けてくれており安心の定石書となるのは間違いない。小型の事典なので、本棚を圧迫するなどの心配も皆無だ

近年の書籍はデジタル化されてある物も多く、タブレットなどでデータ化された定石事典を使われている方も多いかと思う。しかしまだまだ囲碁の定石書などはアナログでないと、調べる楽しみが減少する人もいる。私などはそのタイプだが、こういった手頃なサイズの事典は使いやすく重宝するのでお気に入りとして愛用している。

ツケヒキ定石などの簡明なモノから、大斜などの大型定石まで網羅しており、眺めるだけでも十分に楽しいお手軽な定石書として活用されてみてはいかがだろうか。

碁は戦略  知らずに打てない19の秘法 牛窪義高

【総合評価】 S

【カテゴリ】 囲碁理論
【対象者】  三段~高段者

【内容】  ☆☆☆☆☆
【構成】  ☆☆☆☆☆
【実用性】 ☆☆☆☆
【即効性】 ☆☆☆

この棋書に出会うか出会わないかで、囲碁人生は大きく変わっていたと思うとゾッとする。黙って買いの名著だ。私の感覚だが、高段者でも本書の内容をしっかりと把握できているかと言うと疑問が残る。しかし、強くなる人は本書に書かれてあるような事は実戦でも応用して使えているのではないだろうか。

特筆すべきは、牛窪先生の解説とその説得力である。一般的な棋書を読んでいると「なるほどね」と思う事はあってもそれ以上の”衝撃”を受けるような事は少ない。その他の棋書の場合は良書だったとしても「どこかで似たような内容を読んだ事があるが、今回もためになったから良かった」などの感想で終わる事も多いであろう。

本書は書かれてある内容をすべて把握して打ち回せるようになれば、あっさりと高段者になるのは間違いない。テーマ別に様々な作戦が用意されているが、どの作戦を見てもわかりやすく理解しやすい。高度な技術を噛み砕き、アマに知らせると言う事は非常に難しいと思うが、これだけのパフォーマンスを見せてくれた牛窪先生にはただ感謝しかない。

時が過ぎ絶版化して初めて名著と騒がれてしまう棋書があるが、おそらく本書も絶版してしまうと名著認定を受けるであろう。至高の一冊として大事にされるのではないかと私は予想している。

囲碁観が180°変わる苑田流格言 楽に身につくプロの常識 苑田 勇一

【総合評価】 S

【カテゴリ】 囲碁理論
【対象者】  級位者~低段者

【内容】   ☆☆☆☆☆
【構成】   ☆☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆☆

苑田先生の棋書は安定しており、分かりやすく読みやすい。東の宇宙流である武宮先生に対して、西の宇宙流と言われるその感性は非常に洗練されたものがあり今日もファンを魅了している。本書はただの格言本だと思うことも無く次へ次へと読み進めたくなる内容が豊富に詰め込まれている。

級位者の頃は、格言を破り破って負けるパターンが多い傾向が出ると思う。理由は、格言の意味や重みを知らないからである。無視し続けているわけでもないがこの棋書を読めば、そういった意味のわからなかった格言が苑田理論として頭に入ってくる。置き碁を題材に多くのテーマが出されているが、押さえるべきポイントはすんなり理解できる。

苑田節も面白い。”美人は追わず”などが有名だ。意味は「弱い石(美人)はつい攻めたくなるが、攻めても利益があがらないときには追わないのがいい」の意味で、こういったイメージしやすい言葉に置き変えてくれているので楽しみながら読める。棋理を理解しようと思えばそこそこ学べる価値ある一冊として推薦しておこう。

よんろのご 張栩

【総合評価】  S

【カテゴリ】  囲碁入門
【対象者】   囲碁を始めたい方 (特に小さな子供たち)

【内容】    ☆☆☆☆☆
【構成】    ☆☆☆☆
【実用性】   ☆☆☆☆☆
【即効性】   ☆☆☆☆☆

張栩先生が考案者の囲碁入門者向け「よんろのご」。張栩先生自身、お子さんに「よんろのご」を使わせているとの事。張栩先生と言えば、碁界に大きな功績を残してきたが、この「よんろのご」によってアマチュア囲碁界にも普及推進の役割として功績を残した。勝負の碁、普及の碁と囲碁界を背負った棋士の仕事ぶりに関心させられる。

その名の通り碁盤は”四路”を使用している。碁石は青りんご、赤りんごを代替品にしてあり子供に取って視覚的に、白黒の石より身近なりんごの方が可愛らしくスムーズに受け入れられるようになっているだろう。「よんろのご」は簡単そうに見えるが、実は非常に奥の深い部分もある。もちろん入門者向けとしてしっかり機能するので安心して良い。

同時にあると便利なのが、別売りになるが「よんろのごのほん 張栩からのもんだい100」の存在。少し囲碁を離れている人なら、「四路」であろうと問題を解くと間違う事もしばしば出てくる。囲碁が好きな方は、小さな子供たちにも教えたくなると思うがこの「よんろのご」でまずは気軽に触れさせ子供の脳の活性化に使うのも良いだろう。

手筋で差が出るポケットヨセ200  日本棋院

【総合評価】 S

【カテゴリ】 ヨセ手筋
【対象者】  ヨセに対する苦手意識をお持ちの方ならどなたでも

【内容】   ☆☆☆☆☆
【構成】   ☆☆☆☆☆
【実用性】  ☆☆☆☆☆
【即効性】  ☆☆☆

どんな勉強にも言える事だが、苦手な事を学ぶ際にはやる気になれるかどうかという部分が非常に大きなウエイトを占めると私は思っている。特に私は、ヨセに関する勉強をするとすぐに意味がわからなくなりやる気が失せる。出入り計算など細かい事に対する理解が出来ないのだ。囲碁は長年やっているが、このヨセの部分に関しては理解が進まない。

では、ヨセに置ける勉強はしなくていいかというとそうでもない。嫌がっていたとしても、中押しで負かす意外には終局まで打つしかない。しかしここで思うのは、出入り計算などを考えるのが難しい場合は、とにかく今自分に打てるヨセを頑張る事だけを考えれば良いという事。アマ特有の見落としなどは、突き詰めれば本書のような手筋で一撃できる

そういった意味で、私のヨセの勉強はひたすら実戦的な手筋を細かく学ぶ事に切り替わった。本書の安定感は、言うまでも無く本物。すでに絶版化しているが、多くの人の元に渡ったのか、ネットでも格安で見つけやすく悲観する事の無い現状。これからどうなるかわからないが、とりあえず中古で安い品を探してみるといいだろう。

レビュアー紹介

管理人:あらた

棋力:碁会所4段  東洋囲碁1d

碁歴:12年

棋風:厚み、模様派

 

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不登校→ひきこもり→ニートから社会復帰しバイトをするも凡ミスを連発。たび重なるエラーで職場に居られなくなり転職を繰り返す。そんな中、仕事で頻繁に起こるミスの原因は発達障害の影響と発覚。復帰と挫折を往復して現在はニートの1982年生まれ。

ニートに至るまでの経緯を決して無駄には出来ないと考え「僕がニートになるまでの歴史シリーズ」で半生を書き散らかしている。ニート当事者の方、保護者の方、またその他の方に届けられる記事を書いていきたい。
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