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1巻で完結する漫画まとめ「読む時間が無い」多忙者向け2016【随時更新】

 

漫画は好きだけど、巻数が多いと読む気が失せるという人も多いと思います。僕みたいなニートはいつでも読みまくり出来るのですが、働いていたりすると「落ち着いて読む時間が無い」という人もいますからね。

という事で、仕事で忙殺されている方に向けて、一巻(短時間)で読み終える事が可能な漫画をレビューしてみました。

一巻完結の作品って内容が薄そうな印象を持っている方もいるかもしれませんが、意外と濃かったりしますのでオススメです。打ち切りになった作品とかでは無く、最初から「一巻でやるぞ」という作者の意気込みで描かれているモノも多いので名作に化けている作品も多いのです。

 

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随時更新しますので、ブックマークをお忘れなく。

今回もレビューに当たり、漫画ランキングを作ろうかと思いましたが、一巻作品だと甲乙つけがたいという漫画が多く困りました。なので僕がレビューを書き次第、随時追加して行くという形にさせて頂きます。まだまだ書きたいのですが、書き終えるのを待っていたらずっと先になりそうなので今から発表しておきますw それではご参考程度にお使い下さいませ。

過去の漫画ランキングは↓になります。

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さらにランキングのトップ101~200位はこちらから

 

銀河パトロールジャコ

よく漫画のキャラは「決めポーズ」なるモノを取っているが、真似してみたくなるのは決まって鳥山明の作品なんだよなぁ・・としみじみ思わされる。ドラゴンボールのフュージョンがいい例だ。ジャコの独特な人差し指を上に向ける姿イイです。最初は「変なポーズしてるなぁ」と思っていても、読めば読むほど親しみが湧くような感想を抱くようになる。

ストーリーは銀河パトロール隊員のジャコが、悪の宇宙人が地球に向かっているというので退治に向かったところ不時着するところから始まる。不時着したオオモリ博士のもとに現われる悪い奴をジャコが戦って解決するという鳥山ワールドの王道作。さすがと言わんばかりのアクションシーンは必見で、ドラゴンボール世代は買いの一冊だと思う。

そして、今ではすっかりレンタル商品しか読まなくなった自分が新刊で買った理由はオマケにある。オマケだが、ドラゴンボールファンにはオマケと言えないレベル。本作は、孫悟空の母親「ギネ」が初めて出てきた事でも有名。ジャコという作品自体がドラゴンボールに繋がっていく作品なので、買ってでも読みたくなったというわけだ。

 

スマグラー

人気漫画「闇金ウシジマくん」の真鍋昌平のデビュー時の作品。借金をきっかけに、やらざるを得なくなった主人公の仕事は「運送屋」だ。といっても真鍋作品のテーマに、ヤマ○運輸や、佐川○便の仕事が出てくるはずが無いのは真鍋ファンならお分かり頂けるだろう。ウシジマくんの世界そのままに言うと、「死体を運ぶ仕事」ただそれだけだ。

絵に関してはデビュー作品と考えれば読める範疇。漫画家が通る、徐々に上手くなっていくライン上のいちばん最初がこの作品だと思えば何ともないだろう。粗削りだが、「死体の運送」というおぞましい仕事を表現するには十分で、ヤバイ仕事に手を出してしまった主人公の心情もしっかりと描写し切っている

本作もウシジマくんも知らないなら、まずは読んでみるといいだろう。面白ければウシジマくんの世界に入り込む事ができるはず。「大好き」になるか、「絶対拒絶」かの2極に割れてしまいやすい真鍋作品だが面白い漫画を探すならば試す価値はある。

 

ちーちゃんはちょっと足りない

このマンガがすごい! 2015」のオンナ編でグランプリに輝いたので気になり借りてみたのが出会ったきっかけ。タイトルや表紙の絵から、女の子の馬鹿っぽいギャグ漫画なのかなと思っていたが、中身は全く別物といわんばかり。女性部門でトップだったようだが、作品としての出来栄えは見事で、男性にも何ら問題なく受け入れられると思う

女子中学生の”ちーちゃん”を中心に物語がテンポよく進むが、自分はちーちゃんの友人の”ナツ”に注目していた。ナツの中にある不満が回を増すごとに表出し、誰もが持つ“他者への嫉妬心”や”比較してしまう自分”に嫌気が差し始めるシーンに共感した。生きている以上は仕方が無いものだが、考えてしまう苦悩が形として上手く作品に出ている。

自分はラストはもう少し違った形で描く方が良かったのではないかと思った。ネタばれになるのでボカした表現で書くが、中途半端さがあるのだ。もちろん、この中途半端さの裏には作者が読者に向けて「あなたはどう考えますか?」というメッセージを入れているとも受け取れる。物語りの中盤~後半を読み、グランプリを取った理由を噛みしめた

 

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

押見修造は思春期モノのスペシャリストだなと、彼の錚々たる作品を見ていると思わされる。思春期に起こる悩みはとにかく深い。世界の誰よりも悩んでしまう孤独感や悲壮感、絶望感を忠実に再現していると思う。苦しい、苦しいという主人公の「吃音症」が読み手にグッと迫りくる。もちろん、自分が音読恐怖の体験者であるのは前提になるが。

この作品は本当に良くできていて、ネット上などでも話題に上がるくらい非常にレベルが高い秀逸作。誰もが持つ可能性のある不自由感を、これでもかと言わんばかりに表現している。共感を呼ぶのは、同じような症状に苦しんだ人たちが「そう!これが苦しくて仕方がなかった!」という部分をしっかりと描き切ってくれているからだろう。

志乃ちゃんの苦しんでいる、他者に理解されない想いは漫画を通して世間に認知されればいいとさえ思う。少なくとも、教師として壇上に向かう方には事前知識として読んでおいて欲しいくらいだ。「こういう子供も少なからずいる」という事を知ってくれているだけで、問題に悩まされている人は救われるはずだ。

 

ピコピコ少年

もう自分も立派なオッサンになってしまった。「昔は~」と今の子供たちに向けて語れるようになってしまったのだから。そんな昔の話になるが、本作の主な読者ターゲットは30代で小学校時代をファミコンで育った人たちに向けられているように思う。ゲームのやり過ぎで親から呆れられながら遊んだ人ほどハマる作風なのが本作の魅力だ

読めば読むほど、ファミコン少年の自分がどんどん思い出されて懐かしくなる。ハイスコアガールとの違いは、作者の実体験がエッセイ化されているようなところにあると思う。ゲームも昔は今ほど市民権を得ていなかった感じがあって、「ゲームをやり過ぎると馬鹿になる」みたいな風潮があった。

そんなゲームをめぐって、お母さんと子供が対決したのは昭和~平成にかけた産物だ。今の子供はパソコンを与えられて、スマホを持ちゲームへの縛りはそこまで感じないのではないだろうか。小学生時代を懐古させてくれる作品として、ぜひともオススメしたい。「悪そうなガキ」を中毒性のあるタッチで描いている作者の会心の一冊である

 

バカ男子

タイトルからそのまま過ぎるけれど、「おバカな男子」の物語り。基本的に男の子は馬鹿なのは同意せざるを得ない。特に子供の頃の男の子は、野生の猿のように遊びまくる。精神年齢がそれなりに大人っぽくなるには、相応の時間や学習が必要な生き物なのだ。そんな男子の生態を、実体験を漫画と言う形に起こして作り上げてくれた名作

作者の清野とおる氏が子供心を忘れていないところもポイント。歳を重ねれば風化してしまう思い出だが、鮮明に当時の状況や周りの人の様子を記憶されているからこそ描けた作品だろう。本当はみんな面白い過去を持っているし、何かしら”おバカ行動”は取っているはず。そういった部分を、今の時代に持ち込んだ清野氏の才能に拍手を送りたい。

 

漫画貧乏

「ブラックジャックによろしく 」や「海猿」で大ヒットをした漫画家の佐藤秀峰氏の作品。佐藤氏が自らの経験を元に漫画界の裏側を、漫画を通して読者に伝えている。「漫画」といいうジャンルではあるが、「漫画業界全体に対する問題提起」とも取れる内容。この本を読むと、いかに漫画で稼ぐと言う事が難しいかが素人目にもわかる。

クリエイターという職業上、どうしてもここからが仕事で、ここからは仕事で無いなど線引きをされてしまうのは仕方が無いとは思う。ただ、漫画の原稿1ページを単位として報酬が支払われるとなると、取材や描くに至るまでに調べた時間などはどうなるのだろうか。人によって全く作品を仕上げる過程が違うので、グレーゾーンなのだと思うが難しい話だ。

これまでの漫画家は、出版会社に依存しなければ漫画を世に送り出す事は不可能だったが、電子書籍の登場で少しは変わって来るのだろう。漫画家は、漫画を描いていればいいだけの時代はもうとっくに終わっていて、一部の売れっ子作家を除けば自分から売り込みに掛かる必要のある時代だという事も教えてくれている。漫画業界を知りたいならコレだ

 

ざんねんなこ、のんちゃん。

「ザ・トラウマ」と呼べる名作がここにある。「神経質」と呼ばれる性格や気質を持った人が読まないと「意味不明」でスルーされる可能性の高い作品。おおらかな人は、数ページ見て何かのホラー漫画かと勘違いするかもしれない。自分は強迫性障害のある神経質人間だが、見ていると「わかるわ~w」という感覚が大量に盛り込まれており笑える。

残念な意味で感度が高すぎる「竹ノ内のん」という存在は本当に不思議な存在だ。見る人が見たら本当に感染させてしまいそうなトラウマを扱っているので、「病んでいる人や疲れている人は読まない方がいい」と前置きしておかないといけない気配。ごくごく少数の人たちに伝わればよい感じの作風が、読者の心を離さない理由の1つと言えるだろう。

 

ゆかりちゃん

タイトルの名前「ゆかり」は、ご飯にかけて食べるあの「ゆかり」の事だ。この名前がつけられるに至る過程は作品内で描かれている。グルメ漫画とも取れるが、使われるのは「ゆかりふりかけ」のみだ。しかし、そのゆかりを使ったレシピが美味しそうなんだなこれが。自分は料理をしないが、このメニューは絶対美味いという品が作中に登場しまくる。

「ゆかり」のレシピを公開しながらも、心温まるストーリーがもう一つの楽しみとなっていく。ゆかりちゃんのズレた天然ぽさが可愛らしく、父親とのやり取りの中でほっこりとさせてくれるところに自分は惹かれた。ゆかりのお母さんは亡くなっているが、お母さん譲りな性格が垣間見れた時がいちばん良いようにも思う。

美味しそうな表情で食べるゆかりちゃんはとても魅力的で、読んでいる側の人間まで幸せな気持ちになることは請け合いだ。そして、ちょっとした事で感傷的になる父親も素敵だった。これを読むなら近所のスーパーで「三島 ゆかりふりかけ」も買ってご飯を炊いておくと、読後すぐに食べられるのでオススメだ。

 

オトノハコ

「オトノハコ」は廃部寸前の合唱部の物語り。主人公はもちろんいるけれど、全面的に出てくる作品では無い。合唱部に関わる部員たちの青春モノという位置付けと言えばいいだろうか。本作品が連載されていた雑誌はマイナーで現在は存在しない。当ブログの読者層から見ると、本作品を知っている人は少ないのではないだろうか。

岩岡ヒサエさんという作家さんだが、絵柄からは温かみを感じ雰囲気もなごむ。コンクールを目指す為、いろんな部員が一致団結して頑張る過程が描かれる。あまり描写としては少ないながらも、この世代特有の恋愛の話なども出てくるため応援したいと思う場面もチラホラ。「爆発的な面白み」は求められないが、「癒し」や「優しさ」に触れられる漫画だ

独特なラストを見せてくれる。ストーリー全体の流れを通して考えられた終わり方だったように思う。先輩のちょっとした言動に、読者が想像をめぐらして終わるような感覚だ

 

夕凪の街 桜の国

日本が「世界で唯一の被爆国」という事実は子供の頃から知っていた。しかし、どこか戦争の話は遠く感じていた。自分とは違う世界とさえ思ってしまう事もあった。そういった自分みたいな立場にいたのが広島出身の作者だった。あとがきを見ると、この作品の出来事が一気に繋がる感覚があった。本作は「感動や教訓」で止まらせてはいけない作品だろう

本作は戦後10年のヒロシマを描いている。なので、被爆後の様子という描写はあまりない。戦争を語る作品に付き物の、残酷な描写やグロといったものは少量になる。絵柄的にもグロさはない。しかし被爆者や、被爆2世の人に対する差別は悲しく表現されている。作者のこうのさんの優しい絵柄の中だからこそ、人の差別心はより残酷な物に映る。

戦争は現在にも語り継がれてはいるが、語り継げる人が居なくなろうとしているのも事実。「このお話はまだ終わりません。何度夕凪が終わっても 終わっていません」というメッセージはどういった形で今後伝わって行くのだろうか。「歴史の教科書に載ってるよね」という扱いにならないよう、ずっと語り継がれて行く必要があると思う。

 

ストロボライト

ブックオフで「この表紙の女の子は可愛いな」と思ったのが読むきっかけ。感想を先に言うと、偶然手にした作品ではあったが読めたのはラッキーだったなという感覚。リアル世界の恋愛をテーマに描かれているが、少し空想世界を意識した作りにも感じ取れて芸術的な視点も組み込まれているように感じた

ストーリーが細かく、とても一巻で仕上げたような作品に思えない感覚が読後の自分を包み込んだ。ネタばれがあるので詳細は書けないが、交錯する男女の想いが最終的にまとめあげられていく視点が秀逸。「夜行列車」の場面になると、読者ひとりひとりに感情の波が押し寄せることだろう。1巻で読める作品としてでは無く、1つの恋愛作として評価したい。

 

カツラアキラ (桂正和×鳥山明 共作短編集)

「銀河パトロールジャコ」の存在を知った際に本書も同時に見つけた。掲載されている「さちえちゃんグー!! 」と「JIYA -ジヤ- 」はそれぞれ、鳥山明が原作を。桂正和が漫画を担当して作られた作品。ジャンプスクエア、ヤングジャンプで掲載されたそうで、雑誌よりコミック派に移転した自分にとっては嬉しいコミック化だった。

鳥山明も桂正和もジャンプ黄金期と呼ばれた時代を引っ張ってきた名作家。どちらの作品も好きなのでタッグを組んでくれたのはありがたい。原作は鳥山明っぽさ全開で、ちょっぴりエッチな要素を取り込んだアクション派の作品となっている。また作画の桂正和の画力はいわずもがな綺麗な仕上がりだ。巻末対談もファンならしっかり読みたいところ。

2作中どちらが面白いかと言うと「ジヤ」をプッシュしたい。ジヤの性格が真面目で面白く、九文字に乗り移っていく話は好きだ。鳥山作品らしく、お色気と笑いを融合させているのであの雰囲気が好きな人にはバッチリかと。こういったビッグネームの二人が合作を世に出して行くのは面白いと思う。もっと色んな作家さんのコラボが見たくなる一冊だった。

 

夫の遺言

年の離れた夫婦が結婚後わずか1年半。夫が死別してしまうというところからストーリーは展開されていく。亡くなった夫には、多額の財産があったがそれと共に愛人、元妻やその子供、隠し子、さらには借金なども発覚してしまう。そういった問題を法的にどう解決して行くかを途中のコラム解説も交えて読み進められる作品。

弁護士の監修の元に作られているところはあるが、漫画として面白くなるように設定されている。夫に先立たれた妻の絹代は、最初の印象はニートなのかなと感じていたが、どんどん成長して行くので見ていて清々しかった。男性ありきの生き方だった彼女は、夫の死から自分の中で生き方を見出し、前に突き進んでいくので見どころは多いにある。

相続問題などもしっかり解説されていて、「就活」ならぬ「終活」などの重要性もちゃっかり描かれている。巻末には、亡くなった際に困らないように的なニュアンスで、「事務的な事はこういう風に書いておこう」というページが存在する。元妻、愛人などの存在で印象的にはドラマなんだけど、最後は漫画らしくと言えば変だがキチっとまとまっている

 

ネムルバカ

それでも町は廻っている」を読んだ際に感じた面白さがここにあった。主人公は同居している2人。ミュージシャン志望の先輩と、何となく人生を歩んでいる後輩の青春ノスタルジー作品。どのような「それ町」と同じような面白さがあったかというと、そんなに突く必要性の無さそうな小ネタがところどころに盛り込まれている事だ

「壁を乗り越える」「駄サイクル」などの話は、作品内の雰囲気を一気にシリアスにしながらも、小ネタを交えた作中の雰囲気バランスを取るのが絶妙である。ふざけたノリの時もあれば、「なるほど」とタメになる自己啓発的な要素が垣間見えたりする。同居という生活など自分には無縁だけど、こういう青春の形も楽しそう。

ラストは先輩であるルカが駆け上がっていくのだけど、そこで置いて行かれるような不安を感じる後輩の気持ちはよくわかる。その部分を上手くまとめたルカの最後はいいなあという感想。それにしても「駄サイクル」の中にいた男のいやらしさは記憶に残り続けるほど上手く描いていたと思う。「感じ悪い」「気持ち悪い」の二重コンボを描くのも才能だ。

 

響子と父さん

本書は、作者の石黒氏の作品「ネムルバカ」とリンクしている。気にする人は気にするのかもしれないが、どちらも読んでいる自分の感想としては、どちらを先に見ても特に問題は無い。両方の作品を読む事で繋がりがあって楽しいという感じだ。お父さんと娘の話を書いているのだけど、普通にそこらへんにいる親娘である。

漫画としてキャラとして父親が作中で色々と変な事をしているのだけどこんな親父がいたら面白いだろう。単純に父娘モノとして読んでも面白い。彼氏を連れてくるシーンなんかお約束の父親不機嫌という状態なんだけど、人生ゲームを始めるとかどういう発想なのか。「父、母、娘VS相手男性」の構図に持っていこうとする父親には笑った

とにかく親父のボケにツッコミの娘のシーンが多い。そういった一連のやり取りを楽しめる人はすぐにハマるだろう。父親にとって娘という存在は特別なようだ。

 

さよならゲーム 原秀則“野球”短編集

タイトルのまんまだけど、「野球」が好きな人向けになる。短編集なので、色んな話が入っているが自分が好きなのは「バックホーム」かな。高校野球の監督と娘の話なのだけど、娘は父親の事が好きじゃない。理由は、野球にばかり熱くなってしまっている父が嫌いで、家と全く別の顔を持っている事だった。野球好きで監督をしているので仕方が無いが・・。

娘は女の子なので甲子園とは無縁な事もわかっていて「男の子が生まれて欲しかったんでしょ」という気持ちを抱えている。父親の注意を引きたくても、野球に行ってしまうお父さん。確執もあったが、そういった流れの中で最後に話は動き出す。この話は1話完結だが、他にも前編と後編などに分けた作品がある。総合的にバランスのいい作品。

絵柄は「上手い」とまでは言えないが、万人が読める作風だと思う。野球をしている躍動感あふれる動きを楽しむというより、ストーリー性に重きを置いている。野球にまつわるドラマが好きな人などはいいのではないだろうか。

 

not simple

報われない男の一生を描いた作品。ただただ平凡に生きる事がどれほど遠い話なのか。そう思わされる主人公イアンの存在。少しだけでも、幸せの「し」の字だけでも届けてあげたい男だろう。客観的な観点から淡々と描かれているような雰囲気が、よりイアンを孤独な存在であると主張しているようにも思えた。ただただシンプルに生きるのも難しい。

「運もツキもない」という言葉が作中に出てくるが、人生に置いて「運とツキ」というのは本当に重要だと考えさせられる。人はみな自分の環境が当たり前のように存在していると思いがちだが、それは「客観的にものすごく恵まれた事なんだ」と自分も含めて気が付ける人は少ないように思う。作品のラストを冒頭で見せ、さらに追い込むラストは必見の創造作。

読後にスッキリするタイプの作品で無い事は確か。やり切れなさ、虚しさ、悲しさがじわりと押し寄せる感じだ。そういった感情に浸るのもこの作品の醍醐味である。そして、好みもあるかもしれないが、少し絵がわかりにくいところがあった。人物をじっくり見ていないと、似ている人が多く誰が誰だかわからなくなりそうだった。絵に対する相性が必要かも。

 

スキエンティア

タイトルの「スキエンティア」というのは、科学を象徴する女神を意味する。本作はまさにその科学が肝となるのだけど、SF科学に近いと言えるだろう。近未来的な雰囲気を漂わせているが、中には本当に近い将来実現するかもしれないと考えさせられる話も存在する。「クローン」はさすがに怖いが、「ロボット」などはリアリティを感じてしまう。

物語りは全7話あるけれど、どれも良作と呼んで申し分が無い。絵に関してはあまり魅力を感じないが、ストーリーが素晴らしいため気にならない。上手くは無い絵のタッチだが、万人受けしやすいわかりやすさがある。「ラブ2000」などは、ラストがどうなるのか想像しながら読んでいたが、誰もが納得するであろう終わり方を展開して感動した

この作品は高評価されており、フジテレビの人気オムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」にも使われた。ストーリーテラーこそ出てこないが、奇妙な出来事を読んでいるとドラマのための脚本かとさえ思えてくる出来栄え。ちなみに使われたのは「ボディレンタル」という老婆が若い女性の身体を借りる話。ちなみにホラー要素は無いので怖いのが苦手な人も安心。

 

監督不行届

本作は「庵野秀明」と「安野モヨコ」の日常を描いている。二人とも知っていたが、本作を読んだことで結婚していた事を知った。夫婦の姿をエッセイ作品として安野先生が描いている。庵野氏のオタクぶりはすさまじく、本作を読むまでのイメージから一変した。「ナディア」も「エヴァ」も知っていたが、作り手までは興味が無かったのも大きい。

庵野氏がどういう人物かよくわかる。そして、その夫と共に人生を歩むと決めた安野先生もすごい。やはり飛び抜けたモノを作り上げる人はどこか抜けているというか。常識的な人に常識を超える作品を作れと言う方が無理な話なようにも思う。本作は庵野氏を妻視点で観察してどう感じるかを楽しむ作品。自分が安野先生の立場なら怒るな・・とは思う(笑)

お互いにリスペクトしあった関係だからこそ成立しているように思う。安野先生の「モテる女子」になりたいという願望は、良い意味で崩されて行ったのではないか。自分は、人生に置けるかけがえのない相手を見つける事ほど難しい事は無いと思っているので、嫉妬しながら読んでいた。そして庵野氏の巻末に綴ったあとがきを読んで更に嫉妬した。

 

黒博物館 スプリンガルド

19世紀のロンドンに現われた怪人「バネ足ジャック」の物語りを描いている。女性ばかりを狙った「バネ足」の男はまさに名の通り足にバネを仕込んでいる。奇怪な声で笑ったりと薄気味悪い存在だが、その犯人を追いつめる話は面白い。作品として非常に素晴らしい出来栄えだと思う。試し読み無しで、”買い”に直行しても損は無し。

まず「バネ足」の仕組みだが、普通に考えるとありえないというツッコミを入れたくなる。「バネ足男」の登場から犯人発覚までのテンポの良さ、そこからアクションシーンに持ち込んで行くストーリー構造の面白さは優れている。人の心情を揺さぶる台詞やシーンも惜しみなく入れているので読み応え抜群だった

2部作にしてあるのも良かった。オマケ的な意味合いにならず、ストーリー性の互換作用を発揮しており1部で上がり切ったテンションが冷めることなく続く感覚だ。「短編作はこうあるべき」というお手本のような存在感を示す。また話の合間に出てくる、学芸員のコメントも良い。テレビCM明けの拍手感も出ているので、好みは分かれるとは思うが必要な煽りだ。

 

虹ヶ原 ホログラフ

「読む時間が無い」という人に薦めたくて1巻完結をまとめているのだけれど、本作に関しては時間の無い人は読まない方がいい。一度だけ読んでも、消化不良になる可能性が高いだろう。展開されていくストーリーは非常に凝ったものであり、どちらかというと少しずつ少しずつ考えながら読む事を楽しめる人に向けられていると思う

過去と未来の話、時系列の流れが変則的。読み手側にも少し思考力が試されるようにも感じた。ただ面白いのは確か。思春期の少年少女のやり取りの中に潜んだ暗い影、大人たちの間で起こっている問題がどんどん広がっていく。まるでそれらの出来事がパズルのピースとなっているかのように、作品の至るところに散りばめられている

ラストまで読んで、難しい物語りを自分なりに解釈してからが本作の始まりのようにも思った。登場人物の表情や雰囲気はどれも美しいとは言えないが、蝶がある場面で舞う姿を描いていたのは美しく印象深かった。ぜひ、試しに読んで2度目3度目で物語りの壮大さを感じてみて欲しい。短編の浅野いにおも、実力は確かであった

 

SEASONS~なつのひかりの~

夏菜の感情が強く伝わってくるシーンが印象的。「ありがとう」を叫んだシーンと、「お父さん」の二カ所。彼女の感情の高ぶりが、まるで本を超えて届くかのように胸に突きささる。お兄ちゃんの正体などは、何となく読んでいてわかったけれどそれでも物語りとしては温かい作品だったんじゃないかという感想を持っている。

絵も高橋しんという作者の作品らしさが出ており、女性の色気などもきっちり表現されている。大人になった夏菜の姿などは、さすがだなという感想。カラーページが何よりキレイ。今回レビューしているのは「ヒミツキチ」の話だけど、冒頭の同窓会の話もなかなか良い仕上がりだった。夏の風景をしっかりと描いた作品なので、夏に読むとより良いかと。

 

蟹工船

「おい地獄さ行ぐだで」と何やら冒頭からおかしなことを言うオッサンが。その地獄というのがが「蟹工船」というひたすら船内に停泊し、カニを引き上げては缶詰を作るという作業船を意味している。読んだだけで「あ、俺は死んでも無理」と思ってしまった。この蟹工船は有名な作品で、小説だったのだけど漫画としても作品化されている。

とにかく蟹工船は劣悪な労働環境という事。カニを触ってひたすら作業しても、風呂にまれにしか入れず、食事もわずか。まともに働けるような環境に無いため、ストライキをおこしたり漁夫や漁師が一致団結するなど人が集まった時の群集心理なども描かれている。とにかく上の人間の絶対的命令が酷く、リアル北斗の拳的な面も覗かせる

資本社会の勝ち組と、貧乏な人たちとの格差がコンパクトにこの1冊にまとめ上がっている。メンタル的にダメージを追う場面も多少は描かれており(死体にまとわりつくハエ、男が男を襲う、武器で人を傷めつけるなど)読み手も警戒は必要かと思う。ブラック企業も真っ青な内容を読みたい方はぜひ。

 

アバンギャルド夢子

もはや大人向けのビデオに出てくる女優みたいな夢子。とにかく男の人のアレが見てみたくて仕方が無いという彼女。空に浮かぶ雲を見れば妄想し、野球のバットを見ても妄想妄想。本物が見たい見たいと、ある種の思春期男子の女子バージョンみたいなところがある。どうしても見たくなる夢子の悶々とした日々が面白い。

変態漫画だなと思った。ブックオフで立ち読みしている自分まで変に見られるのではと思ってしまったのを覚えている。彼女は性欲という視点で求めてはいないので、そこが応援してみたくなるポイントだったりもする。押見作品といえば「惡の華」が有名だが、本作を世に放った時にはすでに異彩を放っていたといっても過言ではないだろう。

 

裁判長!ぼくの弟懲役4年でどうすか

「裁判長!ここは懲役4年でどうですか」の漫画を担当している松橋犬輔氏の弟が、実際に逮捕されてしまったという話を描いている。罪名は売春の斡旋で、女子中高生を客に紹介していた事で捕まっている。まさか漫画のような出来事が、自分の身内に起こるとは・・。そんな著者の動揺が漫画を通してリアルに伝わって来る。

弟はそんなに悪い事をした風な様子も無いのだけど、家族周りがボロボロになっていくのが分かる。特にかーちゃんが辛そうにしている姿が印象的。裁判官が弟に「斡旋は間接的な事でそんなに悪い事じゃないと思うんだけどなぁ・・」と罪人の本音を聞き出そうと釣ってくるらしい。作者曰く、これはたまにある展開らしい。

そして「描き切れなかった事が・・」と最後の方でちょっとだけ作者がつぶやいているのだけど、「そこが気になるんだけど!?」という終わり方だった。警察からの嫌がらせがあったみたいな話なのだけど、そこだけ消化不良かな。ノンフィクションらしく、細かいところまでしっかり描けている作品だと思う

 

フィラメント

人気漫画「蟲師」の作者である漆原友紀による初期短編集。ジャンルはファンタジーに入るだろう。作者らしい死生観を作品に映し出している部分も大きく素晴らしい。ホラーではないが、「死」を関連付けさせている物が多く、深く掘り下げて読ませてくる。考えさせられるというより、作者の独創感が伝わって来るイメージだった。

「雪の冠」がいちばん好きだ。誰もが王様だったけれど、王様じゃなくなっていくというストーリーの作り方が上手い。少年が冠を椅子に置いて行ったところなんかも、絵を通して訴えかけてくる物がある。「岬でバスを降りたひと」もよかった。好き嫌いは分かれると思うが、ファンタジーが好きな人は読んでみるといいだろう。

 

熱病加速装置

4話の短編集なのだけど、面白かったのはやはりタイトルの「熱病加速装置」だと思う。横は崖という危険極まりないガードレールの上を、少女が歩くシーンが出てくる。右にも左にも心がぶれないようにと思いながら歩くその姿が思春期っぽい(中二病?)のだけど、分からんでも無いと思ってしまった

落ちるかもしれなかった瞬間に手を引っ張られ助けられたが、それでも落ちかけた一瞬のギリギリ感を楽しむ彼女の言葉はドキッとさせるものがある。中学生や高校生くらいの多感な時期を過ごす男女の面白さを描いた作品は、どれも読みごたえがあった。個人的に、冒頭の「てんねんかじつ」も好きだったかな。ちょっと大人向けだけど(笑)

今は帯つきで売られているのか分からないが、発売当初の帯には「浅野いにお」や「花沢健吾」からの絶賛の声があった。有名作家をも唸らせた独特の「味」を今作を通して確かめてみるといいのではないだろうか。

 

画太郎先生だぁ~い好き

なんでこんなに品の無い作品ばかり描けるのか。ギャグ漫画の第一線をいつの時代も突っ走る画太郎先生の短編作。基本的に画太郎作品は下品で、とても絵が汚くて、それでいて何だか気持ちが悪いという3拍子を揃えて魂をぶつけてくる。作者自身も自覚はあるようで、作中でも汚い絵がどうだと自分の事を客観的に分析。さすが巨匠は違う。

本当に酷いので、親に読んでいるのを見られたくないとさえ思ってしまった。でも読むんだなコレが。今作の流れは「世にも奇妙な漫☆画太郎」未収録エピソードとなっている。あの番組をパロってはいるものの、内容は単純にクソの一言で片づけられる不思議。そしてクソなのにここでオススメ出来てしまうという矛盾を抱えている

ラストに近づくに連れて、バラバラになるオチは飽きてくるんだけど、たぶんここで笑わないと画太郎先生に悪いとさえ思ってしまう。それだけ自分が画太郎先生が大好きなんだろう。「はうあ」「ぶべら」の台詞はやはり良い。とにかく迫力で最初から最後まで押し切るという力技に尽きるギャグ漫画なのだけど、そういうのが大丈夫な人はぜひぜひ。

 

士道サンライズ

「士道」の続編として位置しているが、「士道」を知らない人が読んでも面白い。明治時代の話で、日本海軍の軍艦「神威(かむい)」が巨大タイフーンに遭遇しロシア軍艦に助けられるところから幕を開ける。しかし助けられたようで、実は助けてもらえないという状況に陥り結果的に戦う事になるのだが、戦う事より軍艦からの脱出がメインとなっていく。

というのもロシア軍艦の艦長の父親は、ロシアと日本の抗争に巻き込まれて死んでいるため日本人を憎んでいたという話。主人公の雪村が武士の血を引いているので、剣術を期待させるが時代の変わり目でもあるため銃なども登場する。良い具合にバランスの取れた戦い方を描写しているので、短編作としても非常に楽しめる物になっていた。

 

アレキサンダー遠征

いきなり福島の原発事故をちょっとネタっぽく使ってる感があったけどセーフらしい。絵柄や、読み応えがとても真面目な物に思えず(まあギャグ漫画なので当然だが)売れている漫画家が書いたら野次が飛んできそうな気が・・。騒ぐほどの事ではないが、突っ込まずにいられない。このテイストは好みが分かれるかもしれない。

動物や、生命を生むマシーンに対して腰を振る博士など最後の方は尋常じゃない展開だった。ギャグ漫画として展開されるのだけど、読者はかなり着いて行ける人じゃないと笑えないかも。どうでも良さそうな事を、どうでもいい感じに叫んで落とすみたいなパターンは嫌いじゃなかった。作者のツイッターも見たけど、作風とのギャップに悶絶w

 

サヨナラフラグ

人間関係には別れがあって、その別れが切ないんだよって話。男女間のハナシかと思いきや、友人同士の話もあったり豊富なドラマがオムニバス形式で描かれている。

分かれなきゃいけない時っていろんなケースがあるんだけど、いちばんまずいなって思うのは言いたいことを言えずにすれ違ったまま終わるパターンなんだよなと読んでいて胸が痛くなった。

自分も思い当たるところがあるんだけど、人は言わなきゃ絶対に伝わらないのに「伝わるはず」と思い込むことってあるよね。「話せばわかる!」とまでは言わないけど、別れたあと悔んではいけない相手とは話すべきなんだろう。

 

生活【完全版】

福満しげゆき作品テイストがふんだんに盛り込まれた1冊。登場キャラクターのゆるい掛け合いが読者のツボを捕えてしまうのでトントン吸い込まれる。おかしいことだらけなのに、あえて突っ込む余地を許さない特殊武器。これをふんだんに使ってエロ犯罪者を成敗していく。

意味不明な「吊るしプレイ」にこだわりを見せつつそこにポリシーを掲げていたりと、ギャグ要素に抜かりなし。また福満ワールドに必ずと言っていいほど登場する女性の存在はここでも惜しみないです。

絵そのものを見ていると、これといって上手い系にカテゴライズされないのに、ものすごくセクシーだと毎度ながら感心。おっぱいも大き目に描くし、作者の好みがかなり入ってるwだからこそツボに入ると可愛いなと思ってしまうというか。注意は1つ。文字が小さくて読みにくところが多いw

 

今日を歩く

作者の散歩日記。読んでいるとなんじゃこれ?と思わされるが、次第にハマってしまい最後まで読み進める事に。日常で起こるどうでもよさそうな事を突き詰めて観測している。著者も「定点観測」と言っているが、その通りの内容で間違いはない。散歩を通してすれ違う人々とのドラマだ。

絵柄との相性もいい。キレイな絵を描いているわけでも無く(失礼ながら・・)かといって雑過ぎず。プロと素人の狭間で揺れるような素朴さが味わいを出している。この作品を読んでいると、「変わらない日常の中でいかに楽しみを見つけるか」という哲学のような考えさえ生まれてくる。

毎日同じ道を歩いたつもりが、どんどん脇道に外れて迷ってしまった作者の心を表しているようだ。実際は知らないがw「人生に疲れたな」といった、少し休息が欲しい時に読むべき一冊

 

人間仮免中

作者のエッセイ漫画というのは、今日の漫画界では一つのジャンルとして土台を築いている。ただ、「作品として世に送り出すからには」という気持ちが入るのだろう。どんなにありのままを出していても、どこか作品として整えられた意図を感じてしまう。だが、この人間仮免中にはそれが見えない。飾る気は毛頭ない。

むしろすべてをさらけ出してしまったが為に、あまり事情が分からないまま読む人は、一つのホラー作品と捉えてしまうのではないだろうか。序盤でいきなり歩道橋ダイブしているのだけど、すべては「ガチ」なので笑うに笑えない場面もしばしば。

「自虐ネタ」というと軽く聞こえてしまうので、どう伝えればいいのか分からない。自己犠牲ネタというか、もうこの作品そのものが自爆行為に等しい。それでも世に放った本書の価値は計り知れないものがある。壮絶な過去と統合失調用のコラボレーション作品

 

シマウマ外伝 廃品回収

「アウトロー系が見たい」と思って立ち読みしたら、絵柄が好みにフィットした。エロくてグロい描写が多いので人は選ぶと思う。ストーリーは、復讐代行業者に依頼して、思う存分復讐を果たすという趣旨。女性、子供は読まないでください。

だいたい悪い事をした奴が復讐されるのだけれど、「素性を明かさないまま復讐依頼」をしようとしたりするズルさのある依頼主にもプレッシャーをかける場面も。ヤバイことに関わった以上は、同罪という話。読んでいてスカッとする話もあれば、モヤっと終わる物もあるのは飽きさせない作りと評価する。

 

家族がいなくなった日 ある犯罪被害者家族の記録

ある日、強盗殺人犯に父親を殺された娘さんが描いたノンフィクション漫画。実際に起こった事件を元に、作者の絶望から復帰までの道が記されている。巻末で、同じ心境の被害者遺族に訴えかけるメッセージが描かれている。胸を打たれる内容で、被害者の苦悩が伝わる。

救われる瞬間というのは、よく言われる話だが「時間が経った時」なのだろう。心の整理をつけた時に、落ち着いて亡くなった遺族の墓石に向かえるかどうか。そんな風に思う。また、作中では断固として加害者側を許さないという意思が出ていた。被害者として当然の思いだと思う。

遺族側に届ける作品だと思うが、加害者側も読むと作品化の意味は大きいと思う。

 

パンティストッキングのような空の下

自分は基本的に絵柄で入るタイプなので、偶然ネットで紹介されていたこの作品を見て「闇金ウシジマくん」が頭をよぎり購入。ダークな世界観で描かれる漫画なのだろうなと。実際に読んでみると、どこか鬱屈した思いを抱えた作者が魂を込めて描いていると感じた。いや、作者の事を詳しくは知らないけど・・。

ちょっと政治的思想の偏りがちらほら見えているけれど、人間である以上は偏っている方が面白い。あまり自分が政治ネタに関心が無いので、どうでも良かったけど。気にする人がいるならそういう部分。他は問題なく面白い。

作者の15年間の集大成というだけあって、ボリュームガッツリ。「世にも奇妙な物語」と「闇金ウシジマくん」がコラボしたような作品になっている。最終話のロリコンは面白かった。性的な描写や女性が嫌がりそうな単語が連発されるところが推しにくいけど、男性は気にせず読んでみて欲しい。

 

童貞地獄

童貞のまま死んだ主人公。死んでたどり着いた先は地獄なんだけど、その地獄は女鬼たちが潜む逆ハーレム世界。女鬼たちが童貞たちの、童貞魂を抜き取るためにいろいろと仕掛けてくるストーリー。奪われたら消されるので、必死に童貞を守るというネタ。

エロ要素はほとんどなく、どちらかといえば純愛作品。自分はタイトルで興味を持って読もうと思ったが、意表を突かれたピュアっぷりに感動した。女鬼はどうにかして童貞を奪うことしか考えないが、ヒロイン鬼がとても純情で相手の気持ちを考えて行動する子で心打たれる

タイトルでつまらないだろうと思い込んでいる人はお試しに読むのもありなんじゃないかな。

 

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