強迫性障害をテーマにした映画6作品を当事者のオレが教える
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生活お役立ち情報 強迫性障害の人が出てくる作品, 強迫性障害を映像で理解する
強迫性障害(旧強迫神経症)を題材にした映画をレビューしてみました。といっても、あくまで強迫性障害に対してのみフォーカスしているので内容は二の次です。「強迫性障害の事は、文章を読むだけでは理解できないよ」という方に向けて僕の観た作品をまとめてみました。実際に僕も、文章で伝えるには限界があると思っていますのでちょうどいいかと。
言葉にはできない苦悩が映像化される事で伝わる事もあると思ってるんですよね。強迫性障害への理解を深めてもらう活動という意味で、知って頂ければと思います。というか、当事者以外の人が観るとどう感じるのだろうかとも思っています。自分自身も、当事者でなかったら観る事が無かったですからね。
すべてがそうと言い切れませんが、「強迫性障害あるある」も多く含まれていると思います。基本的には、病気の知識が無いと観ても意味不明で終わる作品もあるので、興味関心のある方のみレンタルされてみてはいかがでしょうか。それではスタート!
undo
タイトルの読みは「アンドゥー」である。自分は最初に脳内で「うんどう」と変換してしまった。レンタルショップでこのタイトルをスマホ画面で見せて、どこに置いてあるか場所を尋ねたら「あんどうですね。こちらにどうぞ」と案内されたが、「惜しい!」と心の中で思った。うん、話が逸れたが映画批評に入ろうか。
本作のテーマは「強迫性緊縛症候群」という症状が出てくる。強迫性障害とは少し違う気もするが、症状は「何でも縛らないと気が済まなくなる症状」のようだ。山口智子がこの病気の女性を演じるが、ひたすら周りにある物を縛り続けるため、夫役の豊川悦司が病院に連れて行く事に。短編ドラマ的に作られており、時間も50分ほどの作品である。
キスシーンが印象的。そこそこ長い時間をキスシーンで埋めてくるので、家族で見ると気まずいかもしれない。小学生の下校中にも二人がそれなりのキスをしていたりするのだが、すげえ場面だなと思った。この作品は「愛」がテーマでもあるので、こういったシーンを取り入れる事で、観る側に考えさせる狙いもあったのだろう。
妻である山口智子は縛り続ける事で「何を訴えたかったのか」という部分を考えながら見る作品。症状の原因は作中でも予測されていくが、はっきりとこれだと断言している部分はない。色々と夫であるトヨエツが、寄り添って行くのだけど・・。それにしても山口智子が可愛かった。
アビエイター
レオナルド・ディカプリオが強迫性障害者の主人公を演じている。主人公の名はヒューズで彼は父から譲り受けた莫大な資産で映画製作をしたり、航空事業にも手を出して行くというストーリー。ヒューズは実在した人物で、作品形態は伝記となっている。作品は正直なところあまり面白いと思わなかった。
それでも見ていたのは、単純に強迫性障害について関心があるからだ。ヒューズの強迫行為を見ていると、おおよそ何が気になっているのかは想像できる物だ。潔癖症が特に目立つ。マイ石鹸を持参しており、手が擦り切れるほど洗っていたシーンはつらそうだった。そのまま手を切って血が出て、衣服に付着してさらに洗う姿は切ない。
部屋の中で牛乳瓶に排泄していたり、服を着れなくなったりと、この病気を知らない人だと意味不明で退屈するかもしれない。また病気を主体にした作品かと思いきや、飛行機を操縦して墜落するという場面も壮大に映されていた。けっこう映像にお金を掛けたのではないだろうか。
全体的に時間は170分と長すぎるので、自分の場合は最初から分割して観る事に決めていた。一度に観るには疲れる。「次はどうなる!?次はどうなる!?」と段々と楽しみが増していくタイプの映画では無いので、そういう意味でも強迫性障害への知識は最低でも持ち合わせていないと何をやっているのか見失いそうな作品だと思った。
イン・ザ・プール
「なんか腹立つわ~」と思ってしまう松尾スズキふんする精神科医・伊良部一郎の言動に注目してしまう。強迫性障害が登場すると知って借りたので、そこそこシリアスな作品かと想像していたが、単純にコメディ映画となっている。登場する患者の症状は3つ。いわゆる勃ちっ放しの陰茎強直症、ガスや火元が気になる強迫性障害、そしてプール依存症。
また、この映画内では強迫性障害が「強迫神経症」との呼び名になっているが旧来の呼び方をしていたのは古い作品だからだろう。強迫性障害と言われるようになって、確かにそこまで歴史があるわけでもないので当然か。家を出ては戻ってチェック、ビデオ録画してチェックなど強迫性障害あるあるの基本を再現できていたと思う。
勃ちっ放しのオダギリジョーのシーンはどれも笑いに走っている。実際に存在する症状のようで困っている人には笑いごとでは済まないとも思ったが・・。腰をひたすら屈めるオダギリジョーの動きがいちばん印象に残る。とにかく伊良部に雑に扱われる患者たちが可哀そうに思えていたが、これがリラックスできる医者との関係と言われたらそう思うかも。
プール依存症に関しては、勃ちっ放しと強迫性障害のインパクトが強すぎて薄れていた感はある。とりあえず、「強迫性障害」の症状に関してはしっかりと特徴を見れるため、興味があればレンタルをされるといいだろう。
memo
佐藤二朗の監督作品。自身の強迫体験を元に撮られた映画だけあって、佐藤自身が演じた強迫行為には並々ならぬ説得力を感じた。彼の手洗い行為が凄い。ひたすら「大丈夫」とぶつぶつ唱える苦悩感が表現し切れているのは当事者だからこそだろう。見ていて、「今どうしても気になる」が重く伝わった。
韓英恵が主人公であるが、彼女の強迫観念はとにかくメモをしないといけないという行為となって現れている。ペンと紙にひたすら殴り書く彼女だが、それが用意できなければ指を噛んで血を流し近くにあるポスターにメモをするといった行動を取っていた。そんな彼女が、叔父役の佐藤二朗と関わる事で徐々に癒されて行くストーリー。
好きな場面は、佐藤二朗と韓英恵のベッドでの初対面シーン。めちゃくちゃ面白かった。必至に言い訳をする佐藤に、父を呼ぼうとする韓のやり取り。かなりアドリブが入っているであろうと予測できるが、おっさんが女子高生のベッドにいた事を帳消しにするための必死さが実に秀逸であった。佐藤二朗の世界観が素晴らしい。
総合的な感想としては、強迫行為を表現するシーンが非常に多いと感じたが、その多さから繰り返し行為の苦しさを上手く再現できていると思った。全く強迫性障害を知らない人から見ると、意味不明であると思うが、全体的には病気の苦悩が分かりやすく知れていい作品になっているのではないかと思う。
恋愛小説家
いきなり犬をゴミ箱に捨てるわ、暴言を吐くわで「めちゃくちゃだなこのオッサン」というシーンから始まるが、ずっとそんな感じなので段々と慣れてくる不思議さ。しかしこの毒のある役柄が、観る人を惹きつけているのも事実でもある。
主演のジャック・ニコルソンとヘレン・ハントが、共にアカデミー主演男優賞と主演女優賞をダブルで受けた事などでも非常に有名。今回のブログ記事では強迫性障害の枠に入れているが、そういった病的なシーンが無くとも人々の中にインパクトを残していった作品だ。
気になる症状を紹介。レストランに通うが、ナイフとフォークを持参せねばならない潔癖症状。回数を決めてドアの施錠をすること。石鹸を変えまくって手を洗う行為。また他にも、小さなこだわり儀式のような場面もチラチラ見受けられた。ただ、そんなに彼自身が生活に困っている感を出していないので窮地にいる状態では無い。
なんだかんだで、恋愛をするのは強迫性障害に限らず前向きになるパワー。ヘレン・ハントに対してまっすぐにぶつかっていくニコルソンの芝居も上手くて評価が高いのもなんとなくわかる。それでも、自分は強迫性障害の症状に対して意識がいってしまうが当事者だから仕方のない感想だとも思っている。
マッチスティックメン
詐欺師の主人公ロイは強迫性障害を患っている。映画の所々で強迫観念に捉われてしまうロイの様子が出てくる。ストーリーはなかなか面白い。ロイは薬が切れた事をきっかけにセラピストの元を訪ねる。そして妻との離婚が原因にあると分析され妻の元にいる娘アンジェラと会う事に・・・。ここから怒涛の展開が幕開けだ。
娘と再会してからどんどん精神が安定して行くロイの様子が見ている側にも伝わってきた。父として娘に会えた事で変わっていくロイは幸せそうだ。仕事中もだが、何かに没頭している時は病気の事も忘れやすくなるものだ。潔癖症なのにロイの車が汚い事などは、アンバランス感を演出していたのだろうか。
アンジェラに詐欺を教えるようにせがまれて教えていたところはどうかと思ったが、奪った金を返すように伝えるのは父親らしさがでていて良い。まあ、アンジェラが詐欺を教えないと「男の子とやっちゃったんだよ」と父親として聞きたくないであろう話を聞かされる羽目になりそうだったので仕方が無いのだろう。父親の心理なんだろうな。
父娘の喧嘩シーンなどは見応えがあったし、楽しそうな場面も、悲しい場面も素晴らしい。ラストは想像していなかった展開でこれは最高か、最悪かの二極の意見に分かれると思う。それほどのドンデン返しである。
強迫性障害にはこの本が気休めに
前に紹介した本なのですが、この本は自分にあっているようにも思えます。強迫観念が起こると、あえて無視するようになったのですが、少しだけ心が落ち着くようになってきました。もちろん魔法の書籍では無いので一発で治るというものではありませんが。
当事者の書かれた本なので、相性のいい人はすんなり受け入れて回復に繋がりやすい書籍なのかもしれません。
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