国に性をコントロールされる男!【エロ消費者への警告】
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書評の本棚 男子の貞操, 童貞に読んで欲しい一冊
女性はわかりませんが、男性は「じぶんの性」を深く考えることって無いですよね。タイトルが面白そうなので読んでみた「男子の貞操」がとても興味深いことを書いていたのです。
現代では、メディアの影響を受けることが多くなっているのですが、「男性の性」もまさに影響を受けているというのが本書の主張。
大まかにいうと
- わいせつの基準は国家ルールの上に成り立っている
- 国家ルールに準じたコンテンツが、世の中には出回っている
- 「性意識はじぶんの意思から生まれたもの」だと思いがちだが、ルールありきで生まれている
こんなところでしょうか。
あまり考える機会が無かったのですが、本書を読んでいると改めて「じぶんの性って何だろう」と思う事があったのです。
童貞に悩む男性から、既婚男性まで・・色んな男性が読むべき本でした。というか、エロが好きな男性はさっさと読んで!
JKブランドなんて本当は無かった!?「タブー破り」とは
「わいせつの基準は国家が作っている」というのは、読んでいて納得させられるものがありました。お上が「アウト」だと言えばそれはアウトですが、「セーフ」と言えばセーフなのです。
この制限の中から生まれるコンテンツが、「性の商品」として社会に出回っているわけです。
たとえば、「JKが~」みたいなものって多いんですよね。最近でも、メルカリに卒業したばかりの子の制服が高値で取引されているニュースがありました。
これは、未成年や女子高生に対して大人が関わることが「タブー視」とされているから高い価値がつくということを示唆した現象でした。「見ちゃダメ」「やっちゃダメ」と言われると、逆に好奇心を向けてしまうということですね。
こういった「タブー破り」は、国家のルールがあるからこそ生まれるコンテンツなわけです。
ルールの中で生きるからこそ、次から次へとあやしげな物に価値がつくようになるということを書かれていました。
JKが本当に好きかは別として、「こういった国の環境下にいる限りは性的な趣向もコントロールされているよ」という主張が繰り返されているわけです。
不倫関係などに燃える人がいるのも、タブーを破ってる感が強いからこそなのです。
男性から見る女性が、「記号」で表されている社会
ぼくの「胸が好き」という趣味も、国家的なコントロールを受けているのかもしれません。
著者の坂爪氏は、「女性が商品として提供されるメディア」の怖さにも触れています。女性の人格ではなく、記号化された部分を上げると
- 「女子高生」「人妻」などの社会的所属
- 「18歳」「20代」など年齢条件
- 「巨乳」「ロリ」などの身体的特徴
- 「ヌード」などの露出度合い
- 「新人」「素人」といった裸の鮮度
このように男性を性的に興奮させる特定の条件が、社会に浸透しているとの主張があります。
女性個人の人格から切り離された、「実態の裏付けのないイメージ」ということが書かれており記号化しているとの指摘が多かったですね。モノとして見ていなくとも、モノになりかねないみたいな。
確かにアダルト作品を中心に、女性をこういった記号で表すことが当たり前になっているのが現状だなと思うわけです。
こういった「記号を生み出している母体が国家である」という話が書かれておりました。まあ、裸族の村でヌード写真を売っても誰も要らないですよね・・。
性に関しての好みを、じぶんで選んでいるようで、無意識に選ばされているとも坂爪氏。
刺激的で、お手軽に手に入るため「これがじぶんの好みだ」と刷り込まれている人も多いのです。
ぼくの胸好きも、ひょっとして・・(汗)
あまり意識しないけど、記号を含めた分かりやすさから男性は性をコントロールされているのかもしれません。
「お上の見えざる規制」のデメリット
でも、これの何がいけないの?と思う男性もいるでしょう。「俺は別に好きで見てるんだからいいだろ!」的な。
これらの最大のデメリットは「貧しい性的快楽しか得られなくなる」ということを書かれています。
それが先ほど述べた「タブー破り」という一瞬で消費できるエロしか求めなくなるという事に直結します。刺激的かつ手軽に手に入るため、思考が商品よりになるということ。
本来、男女間の性的関係は「時間をかけて形成されるもの」であることに対して、これらの記号追いかけでは省かれるものが多くなりすぎるという話。
AVを信じている男性など、まさに問題になるべき存在というわけですな。
「相手女性がどう思うか」といった話よりも、記号的に見て「胸が大きい方が・・」とか「性的になテクニックがある方が・・」という方向に走りやすい思考になるということなのです。
規制されている範囲内で、エロ商品が世の中にバラまかれていますが、述べてきたような記号による女性像は作られ続けているわけです。
これらが悪影響し過ぎると、リアルへの面倒臭さが出てくるということにも触れていました。つまり、結婚への支障という(汗)
こういった快楽に慣れた男性は、「積み重ね型」のエロには苦痛を伴い始めるというのは耳の痛い主張でした。
「男女関係を築いて、一緒に性を考える」なんて話は、エロ消費者にはかなり長い道のりなんです。
人のことは言えませんが、風俗に行っちゃう男性などが該当すると・・。
うーん・・確かに、色々と人間関係のわずらわしさから利用するというのはわかる(汗)
じぶんの性はじぶんで作れ!
著者の言いたい事としては、じぶんの性はメディアに踊らされずに作ろうということでしたね。
分かりやすい動画サイトで手軽に済ませるのではなく、「相手と関係を構築して探していかなければわからない」という話に。
女性とのコミュニケーションを重ねた上で、そこからお互いの事を知っていくことが幸せであるということを書いておりました。
「セクシャル・リテラシー」という言葉も出てきており、性に関するリテラシーの無い人は、ひたすら上から降りてくるエロを消費させられるという・・。ぼくもですが・・。
- 「うわー・・この女優さん可愛い!」
- 「おー・・カトパンktkr!」
- 「胸が・・胸が・・」
みたいなことを言っている人は、まともに女性と関わってないがゆえに起こる問題だとのこと。ワシ、問題だらけやないか・・。
でも、こういう男性は本当に多いと思うんですね。
「じぶんの性を探す」というのは、どうしても時間もかかりますが、じぶんの性くらいじぶんで語れるようになる道を模索したいなと思いました。
性に悩める男性には一読の価値があります。ぼくの年齢で読むというより、本当はこういう本こそ性教育の段階で教えるべきなんじゃないでしょうかね。
「エロの消費者」になると、本当に色々と搾取されるんです。課金せずとも、動画サイトとか何時間も見ちゃうので・・。これは積み重ならない一瞬の消費だわ・・。
抜け出せるように、ここは踏ん張っていきたいと思います。性へのリテラシーを高めるためにどうぞ。
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