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その仕事に「盗む価値」はあるのか?マニュアルが必要な若者たち

 

タイトルをつけて思ったのですが、最近は自分を「若者カテゴリ」に入れる事に抵抗を感じています。なぜかと言うと何かと大人から「さん」づけで呼ばれ始めてるんですよね・・ここ1~2年くらいかな。「あらたくん」って気軽に言えない感が出てきたのでしょうか。「あらたさん」と言われてどんどん大人になっている感じがしています。

まあ、余談ですけどねw

 

仕事をしていた頃は、しばしば次のような事を言わていた。

 

仕事は盗んで覚えろ

う~む・・。前から思ってたけど、パソコンに打っただけでもムカつく台詞で嫌いだなコレ。新入社員の方などには常套句として投げかけられる定番メッセージだが、自分以外にもこの言葉を聞くと嫌悪してしまう人がいるのではないだろうか。もっと勝手な憶測で言うと、若い人に多くいるように思う。

また新入社員でなくとも、こういう事を言われる人は、相応にいるようにも思っている。一概にそうとは言えないが、言われやすそうなタイプをいくつか挙げてみよう。

 

・自分の判断で動くのが苦手な「指示待ち」と呼ばれる人

・事あるごとに他の職員に聞かないと「不安」になる人

・「教わった仕事」をやっていると、他の業務に気がつきにくい人

 

他にもいろいろあるが、今回は自分のケースをモデルに挙げている。職場の先輩から「仕事を見て覚えろ」と言われても、上記で挙げたような理由で失敗し叩かれ続ける。そして、いつの間にか「自分はダメ人間だ」と思い込むようになる。そうなると、必要以上の緊張感にしばられ結果的にさらなる失敗を招く材料となってしまいがちだ。

理想の人材は「新人教育などが要らない、ある程度の臨機応変さを持った人」だろうが、そういう人材はそもそも少ない。程度の差はあるが、どうしても職場での教育は必要になる。

 

ろくに教えもせずに「見て覚えろ」と言い続けていたのでは、今の時代だと自分のような若者は、すぐに辞めて行くだろう。自分が辞める事については、もちろん能力不足もある。ただいつまでも仕事に対して「盗み取れ」「見て覚えろ」の教育をしているというのも労働環境においては、非生産的な風潮だ。

今の若い新人労働者には、しっかりと基礎から「教える」という事が必要だと思う。「最近の若者はすぐ辞める」と一蹴していたのではラチがあかない。若者も仕事を覚えようと必至であることに変わりは無い。ただ「盗む文化」というものに馴染めない人もいるのだ。

今日は、この「仕事を盗め」系の話をするが、最近読んでいた本の中に、しっくり来る内容があったので紹介させて頂こう。

 

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「盗む価値」のあるような仕事かどうか

 

「やりがいのある仕事」という幻想 (著:森博嗣) より引用。

 

(仕事は)必ず全てを教えてもらえるというものではない。これは、昔からの常識で、「仕事は見て覚えるもの」と言われてきた。ところが、最近になって手取り足取り教えたりする研修や、やり方を細かく記したマニュアルが目立つようになった。研修やマニュアルがあるのは、その仕事がルーチンワークだからだ。いうなれば、つまらない、お決まりごとの仕事だからである。

仕事の最前線というのは、誰も教えるほどノウハウをまだ持っていない。ただ、過去の似た例を適用して、自分で工夫や想像をして臨むしかない。この過去の経験だってなかなか人に伝達できるほど記号化されていない。これを使える事が、すなわち「仕事を覚える」という意味でもある。

 

「研修」というのは本当に大事だと思う。(さすがに訳のわからない会社の教訓を連呼しているのは例外とするが)仕事のしょっぱなで躓く自分のような人間は、マニュアル人間と呼ばれようと、しっかりとした基礎を教えて欲しい。ここを曖昧にすると後々に響く事が多い。

このご時世、ルーチンワークは増えている。基本的にどの職場もある程度は毎日同じような仕事をしているだろう。いつもクリエイティブに創造を繰り返しているような職種もそうそうは無い。それにも関わらず、「仕事を見て盗め」という人たちが多いのはなぜか。

 

それは書かれている部分にもあるが、結局のところは「言っている本人たちが、人に伝達できる状態にない」という現状があるからだ。大手の企業なら、末端まできっちりゲームのルールのようにマニュアルが整備されやすいが、小さな企業だと人の出入りも多く、そもそもマニュアルらしきものすら存在しない手探り状態だったりする。

そんな中にいると、どうしても先輩の決めたやり方や、先輩が思う効率的行動の考えが重視されやすい傾向が出る。そうなると、先輩たちの考え方が基本となるので、それなりの事が出来ていても、「先輩基準でどうか」という小さな狭い世界における仕事のやり方が求められやすくなる。酷いところだと「先輩たちの仕事のやり方は凄い」の空気ができる

 

どこでも通用する全うな仕事のやり方を盗めと言われるならまだいいが、個々のやり方の問題になる話を延々と「これぞ仕事のやり方だ」と誇らしげに語られても困る。現代の職場は人の入れ変わりが激しいところも多い。そういう場こそマニュアルが必要なのに、どうでもいい仕事のやり方を「見て覚えろ」という空気が蔓延していたりする。

先輩風を吹かし、自分たちの仕事すげえ感を出したい人はけっこういる。新人に教える訳でも無く、「見て覚えろよ~」と勿体ぶるようにさえ見える事も自分にはあった。そして、見て覚えて仕事をやったところで各々のやり方が出てくる。それに対して、効率が悪いだのケチをつけられたら面倒この上ない。

 

そんな中で働く若者がすぐ辞めると言われても、仕方が無い面もあるのではないだろうか。マニュアルも無いのに、そんな個々の価値感レベルを「盗め」と言われてしまえば、細か過ぎてやる気も失せる

ひと昔前はそれで通用したかもしれないが、現代の若者は視野が広がり転職を想定した仕事をしていたりと「今の職場」の枠に捉われ過ぎると損だと考える人もいる。「これ、外に出たら絶対に通用しないやり方だよな」と思われるような仕事なら、盗む必要も無いし勿体ぶらずに教えてくれと言いたい。

 

「盗む」を推奨される事で自由度が広がる事もある

自分は、すぐに辞める人間だが、大きい企業も小さい企業も少しだがバイト経験ならある。確かに、大きい企業ほど仕事はマニュアル化されており、むしろ「見て盗む」という仕事のやり方は嫌われる。基本に沿っていないと、最初からやり直しなんてザラだった。そして「勝手に進めないでくれ」と向こうから教えに来る事もある

自分は基本は小さいところでしか働いて無かったので、マニュアル化もされていない職場が多かった。教えるにも先輩も我流すぎて指導のしようが無いのかもしれない。仕事が出来る人でも「教える技術」まで持っているかは不明だ。仕事を回す為のノウハウというのは、ある程度は時間を掛けないと作れないし、結果も出てこないのは当然だろう。

 

結局、そういうマニュアル無き職場に行って、応用力や器用さを求められる事になるが、少なくとも教えてもらえないのであれば、そこまでこちらもビクビク怯える必要もないのかもしれない。ある程度は好きなようにやってみたらいいのかなと考えるのだ。

小さい企業なら勝手な事をして怒られる事もあれば、逆に「これやっても怒られないの!?」と思うほどスルーされる事だってある。

 

「仕事は盗むもの」と言っている人のいる職場なら、盗み損ねた場合の言い訳もしやすい。「見て覚えようとしたら、間違ってしまいました」などマニュアル不在の職場だからこその理由ができるだろう。

ある意味「盗め」という人が多い職場は「自由度が高い」とも考えられる。良いように解釈したが、このように考えたい自分がいる。

 

 

終わりに

僕は仕事に対して、「やりがい」を求めているんですよね。人生のほとんどを仕事に費やすなら、「つまらない」と思いながら働きたくないからです。そういう事を考えている時に、本書を図書館で借りて読んでいました。自分のような考え方をする人に厳しい言葉を投げかける本かと思っていたら、意外とそういう感じでもなかったですね。

どちらかというと、仕事に対してのイメージを良い意味で変えてくれる本でした。タイトルからは自分が煽られてる感じはするんですけどねw 図書館などで調べてみて下さい。

 

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