福田萌の「努力できるワタシ」な考えは酔ってて嫌い。かわいい顔は好きだけどね。
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最終更新日:2015/11/10
言いたい事をぶっぱなす お金で買う成績, 福田萌の炎上事件簿
自分は、世の中は高学歴であるほど有利だと思っている。もし仮に「高学歴」である事を誇りに思って人に自慢したい人がいるなら、自慢くらいドンドンすればいいと思う。それだけの事をやってきたという自負は持っていて然るべきだろう。ただし、その高学歴を「自分の努力のみ」で勝ち取ったと思っているなら、それは少し考えが浅いと思う。
さて、今日はなぜこんな出だしになっているのかと言うと、タレントの福田萌さんの発言がネット上で物議を醸しているからだ。その内容は、「高学歴」についての議論。彼女の夫(オリラジ中田さん)も慶應大学出身で高学歴夫婦だ。福田さんの発言は炎上と扱われニュースに発展。
●私たち夫婦は、自分の力で学歴を掴み取ってきたという誇りがある。
●親が用意してくれた道を歩んだわけではなく、努力の証明書として学歴がある。
●(夫について)慶應に入るだけの努力をしてきた人だから、芸人さんという職業は不安定だけれども、もし何かあっても、この人はがんばる馬力がある人だと思える。
よくあるタレント煽りも入った報道かもしれないと思ったため、真相を動画でもチェックしてきた。すると、福田さん自身もしっかりと考えを持った上で発言されているようだった。文字にすると嫌味っぽくはなるが、彼女が実際に高学歴であるのだからそれは仕方が無いだろう。ただ、自分としてはいくつか反論したくなった点もある。
自分は低学歴であり、頭も良くないが福田萌さんの言っているような「努力」や「自分の力」どうこうに関する考え方については持論を持っているため、黙っては居られない。福田萌さんの意見に賛成か、反対かは個人の自由だが「一言いわせろ!」的なニュースであるのは間違いない。
学歴は本当に「自分で掴み取った物」と言えるのか
そもそもの話だが、自分は「学力」や「学歴」を自分で手に入れる物だと思えない。以前に書いた話と重なるが、「努力は人から与えられる物」だと考えている。人によっては「努力は、平等に誰もができる事だ」と考えているかもしれない。だがそれは大間違であり・・というか「良い環境で育ててよかったね!」と返すくらいしか出来ない。
人は生まれながらに不平等だ。教育熱心な親もいれば、放任すぎるほど無関心な親もいる。教育へのマインドや意識付けは、家庭環境から始まっており、経済状況などによっても大きく変動するものだと思う。
例えば、親が読書好きで、本棚がみっちり埋まっている家庭の子供は、無意識のうちに読書に関心を持つチャンス(きっかけ)が生まれる。反対に、親がそもそも本を読む事を面倒がり、一冊も家に置いていない家庭さえ存在する。学校のテストなどで点数を取っても、褒める親か褒めない親かで変わる。挙げれば切りが無いが、学習へのチャンスは不平等だ。
「自分の人生に学校の勉強なんか全然役立ってないぜ」と、子供に最初から勉強の無意味さを説いている親もいる。また、こういった環境下にいると似たような人が集まり、結果的に学歴への関心はどんどん薄くなっていく。類は友を呼ぶと言えばわかりやすいかと思う。
これらの話は、苅谷剛彦氏という教育学者の方が著書:学力と階層にて詳しく分析しているので興味のある方は読んでみると良い。苅谷氏は「人は生まれながらに所属する層」なるものがあると分析しており、学力格差への警鐘を鳴らしている人物である。
高学歴組であっても、こういった「生まれながらの層」の影響を受けていると感じられたり、「自分が努力できる環境下にあった」と思うと考え方も変わってくるかもしれない。もちろん、それでも「自分の努力だけでやれた」というならそれも否定はしない。
プロブロガーのイケダハヤト氏などは、自分の環境下で起こった小さな成功談が頑張れる力に繋がったと努力論を語っており、著書:新世代努力論を出されている。苅谷氏の本がデータ的観点の分析であるなら、イケダ氏の本は実体験から考えられているスタンスの書籍となっている。新世代努力論の感想はこちらから。
俺の成績アップは努力では無く「金で買った」とさえ思ってる
学歴や学力を得るには、それ相応の育ちを要する面もあると書いたが、家庭教師や塾通いなどが出来るかどうかは大きい。塾に通えば、予習予習で実際に学校の授業で受けるよりも早く知識を入れられる。
自分は小6の頃、親から無理やり学習塾に入れられた。そのため学校の授業を先に習うので、いざ学校で授業を受け問題を解くと、誰よりも早く解けていた時期があった。周りは自分を「頑張って勉強している」と思っていたようだが、勉強嫌いの自分が勉強を頑張れるわけが無い。単純に塾で先に教えられ、解けるようになっていただけなのだ。
しかし、この経験で非常にオイシイ思いが出来たのも確か。勉強嫌いな子供だった自分が、少し早く塾で予習するだけで認められる。そりゃ、頑張る気が無くても「もっと俺に注目しろw」と調子に乗って行く。こうなると勉強嫌いどうこうより、周りよりもデキる自分的な状態に酔い、結果的にさらに勉強を加速させられる事になる。
対照的に塾に行きたくても「経済事情で行けない」または「親が教えられる学力で無い」などの状況にある子は他人に頼って学力アップを図れないケースも出てくる。実際に、これら両方に該当する人にも出会ってきたが、なかなか自力で学力をつけるというのは困難なのである。
幸い自分の両親は、分からない事は教えてくれる人だったので、塾と家の両方からサポートを受けてポンコツな自分でも、そこそこ点数は保つ事ができていた。授業への理解が遅い自分が、一部科目を除きほぼ平均より少しだけ前目の成績で安定できたのは、周りの教えが良かったからに過ぎない。結果的に不登校になり学力を殆ど使う場が無かったが・・。
これらの事から、自分は「学力」など調子に乗せられたら得られる物であると思っているし「学歴」もそういった成功例の積み重ねの結果だと思っている。学歴や学力は決して「自分だけの力」と言い切れたり、「努力しました!」の一言で表現できるものではない。自分に至っては完全に親と塾費用のおかげだろう。
また成績の良い人の話を聞く中で、「勉強が嫌いで、いつも嫌々で仕方が無い中で頑張ったんです」という話を聞いた事も無い。どちらかと言うと、勉強して点が出ると面白いなど、やればやっただけ解けるので楽しい回路にハマった人などが自分の周りに多かったのもこういう考えに至っている理由でもある。
福田萌さんが「学歴は個の力で手にした物だ」と主張するのは構わない。ただ、その考えだと学歴なき人間は「個々の努力が足りない」の一言で一蹴される事も出てくる。そう思うと、「努力とは何かね?」と問い詰めたくなる自分が出てくるのである。福田萌さんも努力をするところはしてきたと思うが、「全部自分の手柄」な発言はいかがなものか。
全体的に少し難しく書かれている傾向があります。言いたい事は伝わって来るのですが、学者さんの書いている事は複雑になりがちですね。
嫌な事を嫌々でもやってる人こそ、努力をしているのではないだろうか。偏った考えの管理人あらたのプロフ。
■漫画ファンとしてレビューしています■
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貧しくなると実効的なIQが下がるとかなんとか言われている。これは自分でも経験があるので判る。同じ知的素質があっても、貯金100万の人と借金0万の人とではてんで変わって来てしまう。後者は切羽詰まる。
何か現状を変える意欲・努力の余裕そのものがかなり切り詰められていく。そして、この余裕を少しでも取り戻させてあげようという仕組みが底辺層への福祉だとも思う。勿論無駄金・不正もあるかもしれないが、7割8割機能すればそれで上出来だ。切羽詰まった事でいろんな素質を埋もれさすより、ちょっとでもそれを発掘しようという功利的な考え方である。
だが、自称勝者の中には、そういう「切羽詰まる」という状態がいかに能力発揮やまともな思考の癌になるかという事に思考が巡らないタイプがいる。当然、その手合からすれば「努力が足らない」となる。
そもそも、慶応クラスになってくるとかなり知的素質は高い。勿論全員がそうではなかろうが、世の中には「能力的にパソコンを弄れない若者」がいるという風な事をどれだけしってるのだろうか。
そういう若者が、どれだけ受験をしてもまず名門校は無理だろう(もともと素質があった・突如開花した様な場合は知らないが)。受かったとしても100人に1人いかという様なレアケースなのは当然である。そんな若者は、99%の失敗に賭ける様なことはせん。だれでもそうだが。それでそんな人は、土方とかそういう方面に行って働く事が多い訳だが、その若者の適正としてそちらを賢明に選んだのであって、「努力を放棄」したのではない。
自称勝者の意見と言えば、
あの人たちは努力してないのだから、土木の賃金をどんどん下げてやれ。
努力もしないで酒呑みの貧困層は、福祉をどんどん切り下げろ。
みたいになっていく。いろいろ屁理屈はつけようとも、追い込まれた人間をさらに追い込むイジメみたいな行為をやってるのに過ぎない。追い込めば、彼らはますます酒に行くだろうし・その日暮らし度が増す。
「北風と太陽」の童話に感心出来ない様なそういう教養の浅さが、バカな北風強化策に向かわせていると思う。
太陽ばかりなのはバカだが、北風ばかりなのはもっとバカで悪質だろう。
無題さん こんにちは
コメント頂きありがとうございます。
>>だが、自称勝者の中には、そういう「切羽詰まる」という状態がいかに能力発揮やまともな思考の癌になるかという事に思考が巡らないタイプがいる。当然、その手合からすれば「努力が足らない」となる。
おっしゃられている通りです。追い込まれている層の人々は、いわゆる勝ちパターンのレールに乗る事すら許されていない現状があります。人は生まれた時点で、裕福な家庭にいるか貧乏な家庭にいるかなどあまりにも不平等な状態からスタートします。これらの状況から這い上がる人はいますが、統計データなどを見ても分かるのですが非常に不利を被っているんですよね。
>>それでそんな人は、土方とかそういう方面に行って働く事が多い訳だが、その若者の適正としてそちらを賢明に選んだのであって、「努力を放棄」したのではない。
自称勝者の意見と言えば、
あの人たちは努力してないのだから、土木の賃金をどんどん下げてやれ。
努力もしないで酒呑みの貧困層は、福祉をどんどん切り下げろ。
みたいになっていく。いろいろ屁理屈はつけようとも、追い込まれた人間をさらに追い込むイジメみたいな行為をやってるのに過ぎない。追い込めば、彼らはますます酒に行くだろうし・その日暮らし度が増す。
こちらに関してもその通りだと思います。「学問」という分野では上手くいかない人たちが、自ら道を切り開いていったという彼らなりの「努力」なんですよね。貧困層に対して「努力が足りない」と切り捨てれば切り捨てるほど、結果的に巨大な格差として世の中が混沌としてくるような気がしてなりません。
偏った分野(学問)で成果を出せるかどうかで「努力」の有無を語る事は暴論以外の何物でもないと僕は思います。
感情論で書いてしまう自分とは真逆に、説得力に満ちたコメントを頂きありがとうございました。心を打たれる思いです。
またお時間がございましたら、お越しくださいませ。