サポステに通うニートたちの卒業を見ると焦る~僕がニートになるまでの歴史24歳編⑥~
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ニートまでの自分史 嫉妬心を行動に変える, 若者サポートステーション
今回で、24歳編もラストになります。前回を未読の方はこちらからお読みくださいませ。初めてサポステを利用した頃の話になります。
愛ワークからサポステへ
女性とお別れしてからは、意識がまた社会へと向くようになった。スーパーのバイトを辞めて、女性と関わって別れて・・。家でゲームもそれなりにやったので、そろそろ動かねばという流れになる。当然、この「動かねば」には母親の猛烈なプッシュも存在している。恒例の「いつまで働かないの」という母の言葉にはいつまで経っても慣れる気がしない。
「まずは俺の為にお前が働く姿を見せろ!」などと自分は言うのだが、そうなると結局は負のループというか、とりあえず親に無理やり言いくるめられる。そして、やる気が失せながら職安に行く事になる。過去に若者向けの就労支援機関の話(愛ワーク)を書いたが、再び愛ワークに向かう。スーパーで働き始める前に行った以来の顔出しだ。
担当の相談員さんに「色々あって・・スーパーは辞めてます」と自分で言うのが情けないと言うか、仕事についていけない事や、自分自身の強迫性障害の症状がどうだとか。言い訳と聞こえても構わないので、一連の流れはすべて相談員さんに話した。
これからまた仕事をしないといけないけれど、何だか自分が働いていく上で重大な何かが欠如しているような不安が襲ってきて仕方が無かった。
愛ワークの相談員さんも、おそらくこの時に俺という存在は「働く意思はあるけれど、『働く事』に困難を伴っている」という認識をしたような感じがした。その場で勧められたのが、「若者サポートステーション」という支援組織になる。「ここに行ってみるといいかもしれないよ」と紙を渡され、後日に伺う手続きを取ってもらいサポステに行く事になる。
若者サポートステーション
今でこそ言えるが、正直なところサポステの説明が書かれた紙を見た時には、「支援機関のたらい回しにあっているのかな」という感覚が強かった。自分は、愛ワークではお手上げ状態と言われたように思えた。いや、実際に自分でもそう思っているのだから確かにお手上げなのだが。サポステに行っても変わらないだろうけど・・と諦めムードにあった。
しかし、この若者サポートステーションとの関わりは、自分にとってはかなり大きい意味合いを持つ物に変わっていく。間隔は空いているが、2年ほどお世話になっている。利用するには年齢制限はあったと思うが、この頃に若年者と言われた15~35歳だったか。その年齢内の人は、特に必要な利用料など無く無料でサポステを使わせてもらえた。
ここは就労支援でも少し異質な場所になっていたように思う。自分は、不登校や引きこもり、そしてニートで悩んだらとりあえず地域のサポステに行く事を勧めている。ネットなどを見ていると、地域によって対応に差があるのか、相談員さんも人それぞれだという話は目にする。だがネットは信用せず、とりあえず行ってみないとわからないのは確かだろう。
ただ、自分の通ったサポステはサポステ内部に止まらず、外部の人々などの出入りもよくあったので、色々な人に出会え様々な事を教わるきっかけに繋がった。年配のベテラン相談員のような方もいれば、自分より少し年上の人もいたりと、多くの人々が存在する。
何をサポステでやっていたのかというと、カウンセリングを主体としながらも、利用者同士の交流。また対人コミュニケーション力アップみたいなセミナーも受けていた。
カウンセリング
カウンセリングは、本当にそのままカウンセリングなので特に書くことは無さそうだ。ただ、カウンセラーの方がこれまで出会った人と少し雰囲気が違う。良い意味で常識をぶち破った感のある人なので自分は話し易かった。そのまま定期的に予約だけを入れて、とりあえず2週間~3週間くらい空けながらだっただろうか。少しずつ通う事に決めた。
うるさいウチの母親も、サポステ通いは認めた。たぶん、息子がもう働くと言うレベルに無い事はこの時点でわかったのだろう。母親も少しくらいだが、カウンセリングに顔を出している。他には親の会などにも出ていた。
ただ、18歳で不登校になり社会から離脱した息子を支え続けて6年。もう母親もどうこう動いても無理だと悟ったのか、カウンセリングも軽く受けただけで母親は切り上げている。息子だけが通う状態になった。自分としては、両親でカウンセリングは受けて欲しかった。両親の言動によって、常に影響を受け続けている事を第三者から聞いて欲しいからだ。
そんな思いは通じなかったのだが、少しずつ出て行く時間が増える息子を見ていたように思う。「放っておく」と言うには小言が多く、よくわからない母親だった。
集団セミナー
集団セミナーと書くと、いかにも意味ありげなセミナーになってしまいそうだが、そういうセミナーでは無い。単純に、生きて行く上で必要なコミュニケーション作法や、利用者同士の交流、また特別その時だけイベントをやるなどの企画があったり。総合的に見ると、とりあえず人の中に入って何かをするという感覚の場になった。
コミュニケーション作法などは、正直なところ一般社会を生きている人もやった方が良いのではと思えるほど良質な物が多い。自分の気持ちを相手に伝えたり、相手から伝えられたメッセージをどう受け止めるかという考え方。アサーショントレーニングなども楽しかった。普通に生きていると気がつかない事に気がついていく自分がいた。
また、同じような悩みを持った人も多い。そういったメンバーが集まる場は、最初こそ緊張はするけれど、慣れればそれなりに居心地も良い。例えば、このブログで漫画コーナーを設けているが、絵を描いてくれている「ふるかわまさる」くんとはサポステを通して出会っている。彼もまた自分同様「サポステは良かった」という感想を持っている一人だ。
こういう支援機関で仲間が出来るというのは、物凄くメリットがある。みんな「普通」と言われる枠組から飛び出ていても、ここでは別に変な目で見られないのだ。昼からのセミナーなら、その時間になるギリギリまで寝ていて起きていきなり来たとしても問題は無い。本当にフリーな空間であり、楽しい事が多くて自分の場合は通う率が高くなった。
「こんな事をやってるよ」「次はこのセミナーに出てみない?」といった会話を、利用者同士で約束して参加してみたり。誰も自分を否定する物はいないので、自分はそのまま言われるがままに受け入れていく。セミナーに出れば出ただけ、外に出る習慣がついていくので、良いことだらけだ。
同じ環境の人々からの刺激
そして、もちろん色んな人が来るので、それなりに人同士の摩擦もある。人によって合う人もいれば、絶対的に無理な人もいると言う事だ。そういう実戦的な意味でも、人との距離がリハビリになっていく。不登校、ひきこもり、ニートなど社会から離れる時間が過ぎると、急に人の中でやり取りするのはキツイ事が多い。
サポステをステップとして使う意味は大きい。
そして、いつまでも全員が「ニート状態」でいるわけもない。ニートの集まりとは言え、ここに来ている人の大半はやはり「働く事」を目標に意識を置いている。言葉には出さないが、「働かないといけない」という事は全ての人が背負っている。もちろん、自分も例外ではないので、「ここを早く卒業できるように」と意識を持っていた。
時間が流れれば当然、バイトを始める人だっている。急に来なくなる人もいるし、新しく入って来る人もいる。「あの人はもう働き始めたんだってさ」と聞くと焦るし、「学校に行くんだって」と聞くと羨ましい。一般社会と同じで変化が常に起こるのだ。どこに行っても人がいる以上は競争心を煽られる。
だが、この場での競争心は良い煽りだとも思う。誰かから言われるような物は気持ちが悪いが、他者の様子をリアルタイムで聞いたり見たりするので、「自分も動かねば」といった考えになりやすい。このように刺激されるので出来るだけ受けておきたい煽りだった。自分はこんな感じで、サポステを活動拠点に位置付け25歳を迎える。
続く。
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Comment
とても勉強になりました。
私がいま行ってるハローワークでも、こういう機関はないのかな、と考えていたところです。
ハロワではなく、サポステというところがあるのですね。
私も調べてみます( ^ω^ )
まぁささん こんばんは。
僕も、当時はサポステというものを知らないままでしたので・・。
今ならサポステに限らず、少しずつ支援の場は増えているようにも思います。
自分に適した場を見つけられるといいですね!
ありがとうございます。
調べてみると、私の住んでる市にもあるようです。
自分が社会で働くことができないこと等を相談できるだけでも救いですね。
サポステ、見学に行き、いいなあと思いました。
毎日、一人で辛いので、親の会も参加したいけれど、基本、子どもが通ってる親事が条件ですかね。
息子は会いたくない人が多過ぎて、電車にも乗れず、プライドも高くてお世話にもなりたくない、人も信用しないので、行けないでしょう…。残念です。 毎日、悪態ばかりついて どうするんでしょうかね。
それは、ともかくサポステ、力になってくれそうでした。