僕がニートになるまでの歴史~20歳前編 無職で成人~
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ニートまでの自分史 こたえてちょーだい!見てた, ニートの1日とは, ひきこもりテレビ, 無職つらい体験談
長く書いていますが、僕がニートになるまでの歴史シリーズも20歳を迎えるところまで来ました。今回の20歳編はもう10年以上前の事ではありますが、まだ最近の出来事のようにも思えたりします。自分を変えたいと思い行動するも、変わりきれない部分がそう思わせるのでしょうか・・。
前回の19歳後編の話はこちらからどうぞ。まだ読んだことの無い方は、最初から読んで頂ければ幸いです。
無職で20歳を迎えた
学校に行けなくなって3年目になる。休学扱いという形での高校在籍はこれ以上は無理であると学校側から告げらる。やむを得ず休学生の肩書を手放し退学した。20歳という節目を迎える年に俺は人生で初めて無職状態になった。
しかし無職になっても「あと少し待ってもらえたら高校に戻れたのに・・」なんて事は全く思わなかった。なぜなら、高校に通わなくなった時点で学校に復学するなど考えられなかったからだ。
ただでさえ通うのが辛かった高校に留年生として通う自分のイメージなんて湧くはずもない。声が震える場所という悪印象が学校から切り離せないのだ。堂々と留年する人もいるが、ただでさえ人の目を気にする俺に留年の選択肢は無かった。
無職の響き
無職になった年の感覚は、休学状態とは全く異なっていた。無職と言う言葉の響きは非常に強烈で、何をするにしても卑屈になってしまう呪いにかかっているかのような状態。無職慣れというと表現は不適切かもしれないが、慣れるまではかなり違和感があった。
たとえばゲームなどを売る際には決まって身分を書かなければならない。馬鹿正直な自分は事あるごとに「無職」と職業欄を埋めていた。嘘でも学生、バイト、社会人などいくらでも書いていい事を知らなかった。世の中は嘘だらけなのに、無知とは恐ろしい。
テレビなんかを見ていても、犯罪者の身分が「無職」なんて話を聞くと、そんな気が無くてもまるで自分までが犯罪者予備軍になったような感じがした。親などとニュースを見るのが嫌だった。無職の肩書きはキツイ。
ちなみに今でも自分を茶化し「無職でーす」と友人の前でも無理をする事はある。どこか、ニートや無職の自分に負い目を感じて生きてるのだろう。
「無職ニートが偉そうな事を言うな」などとネットなどでは書かれている事もあるが、少々金を稼いでいるだけでモノ言えぬ弱者に対し暴言を吐くような人間は好きに慣れない。こうやって俺のように発言する場の無いひきこもりやニートの人は、心無き暴言に深く傷つく事もある。
リアルであれネットであれ、働いていないから文句は言えないでしょ的なポジションを押し付けてくる人もいるが気にする必要が無いと思えるまでにはかなりの時間を要した。まあ、この頃の俺がそんな考えを持つ事など出来やしないのだけど。
ワシらが若い頃はネットなんて無かった
学校に行かなくなって3年目にもなるとひきこもりも板についてくる。
だんだん生活も、昼夜逆転は基本となるような日々が続いていた。ちなみに俺は昼夜逆転を悪いことだと思っていない。(昼夜逆転の治し方参照)
基本的に俺は起きる時間、寝る時間を指示されるとかなりのストレスになる。どうせ無職なのだから寝るのは自由という考えだ。
また、当時の俺は次のような生活を送っていた。
9時50分 起床 (テレビ視聴のため無理やり起床)
9時55分 こたえてちょーだい (興味の無いテーマなら寝てしまう)
12時 笑っていいとも (眠たくても、いいともには頑張って起きる)
13時 ごきげんよう (見たり見なかったり)
13時半~ (自由時間 昼寝)
16時~ 再放送ドラマ
18時 ニュース (政治などの動き、芸能関係の速報)
19時~深夜 (テレビ視聴、自由時間)
4時 就寝 (朝刊の新聞配達のバイクの音がツライ)5時~8時 (寝られない場合はこれらの時間を超える事も)
昼夜逆転になると親はうるさいので、朝の10時にはなるべく起きていた。この10時から始まる「こたえてちょーだい」という番組を目標にすれば起きやすかった。視聴者からの体験エピソードを集めて再現VTRを見るのだけれど、主婦層向けとは言え面白かった。
川合俊一と、菊間千乃アナなどがメインで進行するが彼らの掛けあいも好きだった。テーマによっては完全に興味が無かったり、起きても眠気が取れない場合は2度寝するなど不安定な部分もあった。
それでも何とか12時の「お昼休みは~ウキウキウォッチ♪」の歌で起きる。この頃の俺のひきこもり生活における日常は、ネットも使っていなかったのでテレビを中心にしていた。ネットほどの激動は無くとも、それでも日替わりで何か楽しめるのはテレビくらいだ。
無料で家の中で遊べる最大の娯楽がテレビ。ネットがあれば確実にネットにのめり込んでいたのは、後の俺の行動からもわかってくるのだけど。
笑っていいともに関しても、この年くらいには毎日のように見ていた。これらを好んだのは、生放送特有のトラブルなども出てくる感じが新鮮だった影響が大きい。とにかくテレビ三昧。テレビばかり見るので、業界用語も自然と覚えた。
カンペや、お蔵入りなんて言葉は一般的に知られているが、そうでない言葉も覚えて行った。タレントが何気なくテレビで業界用語を使うので、その意味がどんどん理解出来るようになる事に面白みを感じた。
少しだけ書いてみると次のような感じの事を把握しながらテレビを見たりした。
今日は少し「巻き」がかかってるな
この人、この日は「けつかっちん」だったのか
尺の事情があって仕方が無いんだろう
あ、今スイッチャーの人ミスったな
ブイ(VTRのこと)だけ流す番組か・・
今のカットね(両手でテープを切る動作)
端っこの人が見切ってしまってる
タッ券(タクシーチケット)や26時などの日またぎ、抜き、待ち、ワイプ、場ミリなど知っている人は何とも無いのだろうが知識として増やしていった。今ではだいぶ忘れてしまった業界用語。こういった、業界脳みたいな感覚の視聴者に変化していった。今にして思えば本当にテレビしか無かったな・・。
朝と夜の考え事 ひきこもりが希望を見据えてみた
これまで過去に書いてきた不登校の2年間はとても大変だった。強迫性障害など精神的な問題を含めた体調の悪さは顕著であったが、3年目に当たるこの年くらいから少し落ち着き始める傾向も出てきた。同時に自分もこのままではいけないと考える時間も増える。
考え事は殆ど布団の中でするのだけれど、朝は起床してすぐにボーっとした頭で考える。良い事をなるべく考えて将来に希望を見出そうとした。といっても、だいたい自分にとって将来的に楽しそうな事というのは女性と仲良くする事でもあった。
恋愛経験が無かったのも大きい。好きだった娘の事を思い返してみたり、好きな女子アナの事を考えたり。現実的に関わる事が困難そうな女性に対してばかり妄想の矛先が向かう。結果的に何か寂しさや虚しさに辿りつくがやめられなかった。
楽しそうな朝方の考えとは打って変わり、夜になり寝るために電気を消すと自分の置かれている状態に嘆く日々にもなっていた。朝とは真逆の思考だ。昼間はテレビで笑っていても、夜の真っ暗な部屋ではなんとも言えない不安に襲われた。
今後を考えると悲観的になってしまい泣いてしまう日々も続いた。自殺の選択肢くらいしか、自分が楽になれる道が描けない。だけど死を考える自分と、まだまだ生きていたいと考える自分は同時に存在する。幸せな人生が送りづらい現状を思うとたまらなく悔しく泣き続けていた。
しくしく部屋で涙を流しながらも、今だけ・・今だけ苦しいと自分自身を励ました。しかし励ます要素があまり見えない未来に落ち込む事の繰り返しでもあり抜け出すのは困難に思えた。これではいけない。
何とかこの現状は打開せねばと思えば思うほど、自分の置かれている状況にプレッシャーもかかり重たいものになった。そんな俺にも、この成人の年には転機が訪れている。
次回は20歳後編を書きます。
僕がニートになるまでの歴史シリーズ
- 僕がニートになるまでの歴史~19歳後編☆男でも出産の痛み!?
- 僕がニートになるまでの歴史~19歳の引きこもり生活(前編)~
- 僕がニートになるまでの歴史 高校3年後編 不登校から地獄へ
- 僕がニートになるまでの歴史~高3から不登校までの道のり前編~
- 僕がニートになるまでの歴史~この世から消えたい高2男子の日常~
- 僕がニートになるまでの歴史 ~高1編 ぼくとDQNと学級崩壊~
- 僕がニートになるまでの歴史~中3編 男よ、好きな女には告白しろ~
- 僕がニートになるまでの歴史 中学2年生編~クラスで一致団結?虫唾が走るわ!!~
- 僕がニートになるまでの歴史 中学一年生編 ~イジメがニートを生む~
- 僕がニートになるまでの歴史 小学校5、6年生編 我が人生のピーク時はここだった
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Comment
はじめまして。タガナという19歳の専門学校生です。僕はうつなのか強迫観念なのか分からないのですが、とにかく色々な症状が出ているので病院に通っています。その症状の一つに、ち○○が見えないか気になるというわけではないですが、便がズボンにくっついているのではないかという強迫観念に悩まされています。今、専門学校には休み休み通っています。大学には一回入ったのですが、人間関係に悩んで2ヶ月で辞めてしまいました。なので約一年ぶりの社会復帰が専門学校に通うことになります。この記事を読んでこれからに対して不安を抱くところに共感しました。僕ももっと症状があるのですが、それはまた機会がありましたら書こうと思います。では、失礼しました
タガナさん はじめまして。
コメント頂きありがとうございます。
なるほど。「便がズボンについている」ような気がしてしんどいのですね。病院に通われているとの事で、相当に困られており僕と似ているように思いました。トイレは日課ですからね。そういった生活の中で、頻繁に気になる場面に出くわすというのは本当に苦痛ですよね。
大学をお辞めになられて、復帰として専門学校を選ばれたとの事ですが、かなり頑張っている最中かと思います。休み休み通っているとの事ですが、通えていると言うのは凄い事ですよ。強迫観念を持ったままの生活は「生き地獄」みたいなものなので、通えている事実が素晴らしいです。無理をしない程度に継続して通えるといいですね。
強迫観念など神経症状を抱える人は、「なるべく外へ意識を向ける事」が克服のポイントになると、とある専門家から聞いた事があります。なるべく意識は自分の内に込めず、タガナさんが頑張っている今のような生活がベストなようです。少ししんどいけれど休みながらでも通えるというのは克服に向かう一歩なので、ちょっとでも回復していくといいですね。
それでは失礼いたします。