僕がニートになるまでの歴史23歳編⑥~去る者を追う無意味さを自覚しろ~
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ニートまでの自分史 去る者は追うだけ無駄ですよ
ニート歴シリーズ23歳編も今回で最後です。前回はこちらから。長くなりましたが、この年齢ラストの記録となります。
配達もある程度は慣れで出来るようになったが、どうしても慣れない事があった。それは配達先でのお会計。ピザ宅配をする前から薄らと気になっていたが、どうもお釣りを間違えて渡していないのかが心配で仕方が無くなる。「有り金をすべて相手に渡していたらどうしよう」的な強迫観念だ。
また、いつもお釣りを決まった金額だけ所持して仕事を始めるが、最終的に売り上げ記録を出す際にお金をすべて戻さないといけない。1円でも間違っていると怒られるので慎重になる。お金を出したり、入れたりする作業に苦痛を伴う。できればお金は触りたくない。いつも冷や冷やしながら、清算を済ませていた。
だんだん精神的に余裕が無くなっていく中で、落とし物をしたのではないかとも心配になる。ピザ広告をポスティングしている際などには、バイクの後ろに大量の広告を積んでいた為、道中で落としていないか心配になる。そこでバイクを止めては、広告を落としていないかチェックしていたので精神的にも削れて仕事にならない。
仕事でしんどいと言うよりも、自分の確認行為に疲れてどうにもならない状況が続いた。「遅い、失敗が多い」と言われ、自分が頑張るほどに空回りしてストレスが溜まる。そこから確認行為も激しくなる。3ヵ月程度しか働いていないが、継続する状態では無くなっていた。
「辞める」が言い出しにくい
「どんな仕事にも変わりの人材難はいくらでもいる」と思っているが、それでも「辞める」が言い出せない。「辞めたいと思ったから辞めた」という事が出来る人がすごく羨ましい。自分の目指すべき姿であると思うし、こういう人になれない限りは、いつまでも他者基準の中に生きなければならず、とても酷い人生を送る事になる。今も抜けられないが。
「相手に迷惑がかかりそう」とか「せっかく雇って貰ったのに」とも考えたが、それは相手に配慮をしているようで、実は自分が如何にキレイに辞められるかが出ているだけだ。自分は極端に嫌われる事を恐れているので、なるべく相手に合わせようとしてみるのだけど、これは直さなければ人として成長できないとも思っている。
といってもこの頃はまだ23歳。本当に職場の都合にばかり考えをすりよせて偏って考えた。いつ「辞める」を言うかを考えていると、けっこうな時間が過ぎていたのを覚えている。それでも、さっさとここからは消えなければと思い店長に伝える。自分が休みの日の事だった。仕事の最中には言えないので、店長に時間を空けてもらうよう頼んだ。
去る者は追わないで
休日に店長に電話をして「お話があるので・・」とだけ伝えてピザ屋に向かった。だいたい察していたようで、辞める事を伝えたのだが、店長はあまり辞めて欲しくなさそうだった。自分も、そういう引きとめられ方をすると、ハッキリと「それでも辞めます」が言えないでウジウジしてしまった。
すると横で聞いていた女性社員が自分に文句を言ってくる。彼女は次のような言葉を投げかけてきた。
「私も前の仕事を辞めようか、辞めまいかと悩んだ時期があった」「辞めない事で成長に繋がった」「嫌になったらすぐに辞めるのはどうなのか」といったありふれた話だった。店長にでも説教されるならわかるが、なぜかこの女性にガンガン言われるという形になった。たぶん自分のようなタイプの人間が許せないのだろう。
それにしても「辞める」と言った人間を引きとめて何になるのだろうか。せめて「配慮をするから辞めないでくれ」といった、どうしても必要なのでというニュアンスで引きとめるなら理解できる。ひたすら感情のままに相手に思いをぶつけて引き止められるとでも思ったのだろうか。「去る者は追わず」という言葉があるが、その通りだと思う。
そして、この女性が店内の空気を一気に変えた。すごく居心地の悪い空間になった。ただ、自分としては助かった。考え方によっては、この女性の言動がこの人なりのお別れに仕向けてくれていたのかもしれないと。
女性スタッフから「それで、どうするの?」と聞かれた時に、やっとその場で自分が決断出来たのだ。「辞めます」をハッキリと表明できた。この人がいなければ「辞めたい気持ちは分かるけど、辞めて欲しく無いな」的なニュアンスを押し付けられながら申し訳なさ全開に受けて去らなければならなかったかもしれない。
この時だけしか会話した事が無かったので、彼女の言動の真相は不明のままだが・・。
仕事をしなければ調子は戻る
バイトを辞めてすぐだった。憂鬱な毎日が変わり、ひとまず夜間学校にのみ集中すればいいと思えるようになり気持ちはすごく軽くなった。バイトで得た物は、単純に「学校に行くだけならすごく楽」だと言う事。バイトをした事で、社会で通用するかどうかはすごく心配になったが、その後の生活が楽になったのは確かだ。
その後は、夜間学生の生活の残りを謳歌するほど楽しめた訳ではないが、それなりに時間を過ごせた。ただ相変わらず就職とは無縁な日常だったので、そのまま学校を卒業してしまう事になる。4年制大学に編入する事もないので、単純に次の年は「無職」からのスタートになる。思い返すのも嫌になる24歳編だ。
続く
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Comment
こんにちは。
自分も、大学生の頃の初バイト、2か月で辞めてしまいました。
初バイトでこういう経験してしまうと、労働恐怖症…というか社会人として生きる自信を無くしてしまいそうでした。
自分は発達障がいなので、ルーチンワークはものすごく得意なのですが、3個以上のことは同時にできない性質なので、普通の(?)仕事では苦労します。
24歳のスーパー青果バイト記事、思い出したくない過去かもしれませんが、期待しています。(青果や魚って、キレやすい人多いですね)
それでは失礼します。
伝説のニート?さん こんばんは。
最初のバイトはその後の労働観に影響する可能性は大きいですよね。「働く現場はこういうものだ」という擦り込みが生じるので、他所の仕事と比較できない大変さはあると思っています。
ルーチンワークが得意なのですね。それは良い事ですよ。僕は、ルーチンワークも微妙なので、何でも得意な事がある方はいいなと思ってます。2個以上同時もキツイです。本当に自分のペースでやらせてもらえるなら、同時にやれない事もないのですが、スピード感を求められるとパニックになりやすいです。
コメント頂きありがとうございました。青果の話は、またちょくちょく書いていきますね。それでは失礼いたします。