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僕がニートになるまでの歴史~22歳編③ 男は無職でも恋をすると背伸びするだろ~

少し間が空いてしまいましたが、引き続き今年も「僕がニートになるまでの歴史シリーズ」を書いていこうと思います。そろそろ文章上ではこのタイトルは長いので略したいです。あまり浮かびませんが「僕歴(ボクレキ)」とかセンス具合はどうでしょうか。

大まかに前回の話に振り返りますと、2004年の春から夜間大学に通い始めていたという話です。それの続きが今回になります。こうやって自分史を書いていると、もうあの頃が11年前の話になるのかと感慨深い物があります。

それでは前回の話を未読の方はこちらへ。いつも読んで下さっている方は、続きをご覧くださいませ。

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そして俺だけが残った

見た感じは順調な学生生活に切り替わり始めていた。家でのパソコン時間が多い事には違和感があるかもしれないが、それ以外は気持ちも外の世界へ向かっている。気持ちにも変化が訪れ「俺は学生っぽくなっている」と意識する部分もあった。

しかし学生と言っても夜の3時間のみ。そんな日常なので学校の無い昼間は、必然的に「何かやっている人」でないとおかしい話にもなってくる。学生でありながら仕事があるのは基本。本職持ち、バイト、主婦業など色々なパターンの人がいた。

講義の休み時間や、授業終わりには「みんな昼間は何をしているの?」という話にもなってくる。ニートの俺からすると、昼間は何もしてなくて当たり前なのだけど、世間一般はやはり何かしていた。気心が知れるほど会話が気まずくなる事もある。それは次のような会話だ。

 

A「昼間はバイト行ってるよ」
B「普通に働いてる。トラック運転しょーる」
C「普通に会社員やってます」

 

俺「あ、まだバイト決まらなくてw 探してるんですけどねw」

 

次第にこの空気感がたまらなく辛くなった。俺が働くにはハードルがあるのだけれど、そんな話を出会ったばかりの人たちに理解してもらえるとも思えないし話す気にもならない。バイトを探していると言う言葉も、最初だけ取り繕えただけで段々と胡散臭くなっていった

「何でバイトしないの?家の人は何も言わないの?」などと聞かれる事もあったが、「働けないから」という答えているようで答えにならない話をする事もあった。おばちゃん学生からは「うちの息子やったら怒るわw」とも言われたが、そりゃそうだと笑っておいた。

 

働ける状態では無いが、自分が学生に復帰している事は前進しているはずだった。にも関わらず人生が更に遅れているように感じる。家の中にいる方がマズイとはわかっていたが、外に出ると周りの状況がリアルに見える分その出遅れ感はシビアなものだった。

そこで俺は、昼間に何かしなければと思い仕事以外でやれそうな事を探した。ちょうど大学生という立場もあってか、自動車の教習所に通っている人も多かった。俺も今の時期になら学生肩書で通えるので、教習所に通ってみようと思うようになる。

 

ちょうど就職の話を聞いた時に、都会と違い愛媛のような田舎は仕事をするなら免許必須とも聞いていた。「就職のため」と自分に言い聞かせて、親に頼んで教習所に通うようになる。「昼は教習所に通ってる」そんな言葉が言いたかったのもある。

 

エンストから考える教習所と人生


とりあえず申し込みをして教習を始めてみたが思った以上に難しい。今思えば馬鹿な話だが自分への誇りとプライドでミッション車での免許取得を目指した。ネット掲示板などに書かれている「男がAT限定というのは恥ずかしい」という言葉を鵜呑みにしていた。

確かに自分でも、何だかATはカッコ悪いと当時は思っていた。ミッションを取って初めて免許と言う感覚が自分の中にハードルを作り始めて行く。そしてこの無駄なプライドのせいで、最初からAT限定にすればよかったと後悔するほどMT車が動かせない状態に陥った。

 

俺の不得意とする事でもあるのだけれど、人に教わる事に対する理解速度が非常に遅い。また、不器用なせいかギアやクラッチなど複数の事を同時にこなす事に困惑した。嘘か本当か、発達障害に運転はキツイなどの情報を見るが、一度に同時の事をするのが俺には厳しかった

教官たちは、自分たちは出来るので「これくらいわかるだろう」というペースで教えてくる。しかし俺はそれに対応する理解力が無くエンストを連発。教官がイライラし始めるのが、直に隣の俺に伝わるので上手くいくモノも駄目になってしまう。

思ったように教習は進まず、エンストと教官のイライラに俺は怯えてしまうようになった。結局その後はしばらくの間、実技を後回しにして学科のみを受けに通った。あまりにも運転したくないので、車に乗らないまま学科を先行的に受けていく状態だ。

 

俺は、思い返せば学生時代から何事も理解が遅かったかもしれない。自分ひとりで無いと集中できないのもあったのか、学校で勉強すると集中できず家でやるという二度手間が多かったように思う。本当に「学校に座っている時間とは何だったのか」という頭だった。

正直、この教習所の教官の存在など俺には不要だと思っていた。アクセルとギアの操作は、教科書を読めば出来るようになると思えたし、エンストも1人でやっていれば誰にもイライラされる事は無く、俺もマイペースで覚えられる。それならお互いに楽な関係なのに・・。

 

強いて言えば事故の心配だろうが、「さすがに壁や周りの車にぶつかる前にブレーキくらい出来るわ!クソ教官が!」などと、どこにもぶつけられない思いを抱いていた。何をするにもマイペースで無いと対応できない自分の能力にも嘆いた。

教習の終わりに教官から言われる「あらたさん、少し覚えるのが遅いけど頑張りましょう」という微妙な励ましは、補習確定を宣告されているようで焦りが増していた。人生も教習も立ち止まってばかりだ。

 

女は基本的に「待っている」らしいぞ

そうこうしている間に短大に慣れる。徐々に話す相手も広がり始め、決まって話す女の娘も出来た。ちょうど3つ下の娘で特に仲良くなった。可愛い子で胸も大きい。毎日顔を合わし講義で一緒になったりする事で興味を持つようになる。気がつけば恋心を抱く俺がいた

これは仲良くなりたいと思い、わざと彼女の前で携帯を触るようなしぐさをするようになった俺。携帯の話に触れてきたら「メールとかする相手がいないからメル友になってよ」とでも言うつもりだった。とにかく俺からアクションを起こさねばならない。

 

この頃になると、異性と関わる術を考えるようにもなっていた。以前に、急な告白をした事があったせいか、ゆっくり仲良くなりたいと考えるようになった。急に接近してはいけないと勉強してきただけの事はある。

その後、この娘とは携帯の話をして、メールのやり取りをするようになる。上手い具合にメル友という形を作っていけた。初めてのメル友であった。

 

基本的にメールは打つのに時間がかかる自分なので、あまりしないタイプだがこの娘の場合には頑張ってしまった。他愛もないメールの内容であるが、自分から彼女にメールを送った際には、返信が来るまでの間はずっと携帯に張り付くなんて事も頻繁にあった

家ではネット廃人だったので、携帯を横に置きパソコンをしながら返信をドキドキと待つ自分がいる。ネットも好きだったが、異性との交流はとても楽しい。どんどん好きになっていったので、自分からデートに誘う計画も立てるようになった。

 

一緒にデートできる方法をひたすら自分なりに考え、実行するチャンスを伺い始めた。

 

俺「メシでも食いに行こうぜ」女の娘「○○○○○」

初告白した相手とは電話のみでフラれているので、目の前で告白もしていなければデートに誘うなども出来ていない。今回はいきなり告白するという話では無いのでハードルは低いはず。王道ではあるが一般的な雰囲気でデートに誘う道を考えた。

22歳にして、まだ異性とのデート経験もない。デートと言う単語がすでに未知の世界。俺にデートのチャンスなどあるのか半信半疑なままであったが、講義の始まる前に彼女と雑談をしていた時にふと思った。

 

今なら言える!!

 

結局は突発的な流れにしてしまう悪い自分が出てしまった。特にその時の会話がメシの話に関連しているわけでもなかったが勇気を振り絞った。

 

「ねえ。今度、ご飯でも食べに行かない?」

 

とっさに俺は彼女に聞いてみた。明らかに不自然な流れであったが、聞くと決めたら流れを読まずに俺は言ってしまうようだ。彼女は少し考えて「別にいいよ」と返答があった。よくわからないが、彼女の頬が赤く染まっていく。告白したわけではないのに俺も照れた。

 

ちょw 22歳にして初デート確定ww キタコレw

 

あっさりと、人生初デートの予定が決まった。快挙に俺は自分でも驚いた。

一緒に何を食べに行くかを話し、街中に出かける約束をした。なあなあの話にならないように、店や日取りも一気に決めた。そのままデートの日を待つのみとなる。トントン拍子とはこういう事かと思いながらデートの当日を楽しみにした。

 

当時はちょうど「オレンジデイズ」という青春の恋愛ドラマをやっていた。妻夫木聡と柴咲コウが出ているが、俺は何となく自分を妻夫木聡に重ねていた。自分の日常のチャリ漕ぎの場面でも、頭にミスチルの曲が流れる。

大学の講義を聞く自分の態度は非常によくなり、教習所の車にも再挑戦する活力が戻る。わかりやすい男ではあるが、女性との初デートに向けて心が躍るという感覚を初めて味わっている。これはゲームを購入する時や、漫画を読んでいる時などの幸福感とはまた一味違う。

女性から貰えるパワーが嬉しい。

 

男と女のメール

いかんせん女の子と外出するという経験そのものが初めて。不登校や引きこもりで、男に生まれながら女性とは一切の関わりがない人生だった。女子と言う存在に関わる事で、普段の行動から変わり始める。

デート当日に向けてどんな会話をするのかや、どんな服装で会うかを考えただけでテンションが上がっている。ワクワクしてしょうがない。服装も、しまむらかユニクロくらいしか持っていなかった俺が着る服を思考する

 

日課のネット閲覧にも変化が出ていた。普段なら恋愛など自分とかけ離れた世界という認識だったが「デート予定のある自分」が出来た事で、恋愛の掲示板なども見るようになった。想像の中に無い「彼女」や「デート」のキーワードを探した。

また、恋愛の書き込みに多く存在する人(今で言う「リア充」の人たち)の書き込みにも嫉妬心を抱かずに情報を見る事が出来た。「これが元ひきこもりの人間の進化の姿だ!」と言わんばかりに俺は何でもやってやるぞと意気込んだ。そしてデートもいよいよ明後日になった時の事だ。

携帯が鳴り響いている。相手の女の子からメールが入った。

 

「ごめん!明後日のご飯の事だけど行けなくなった」

 

この一行を読んだだけで俺の魂は、一瞬だけこの世から消えていたように思う。

 

続く。

 

よろしければ過去の記事もどうぞ。

 

僕がニートになるまでの歴史シリーズ

 

 

 

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Comment

  1. ゆず より:

    朝方にすみません(´;ω;`)昼夜逆転というフレーズを検索して偶然みつけました(∂ω∂)
    機械があればまた来ます☆

    • あらた より:

      ゆずさん こんばんは。
      コメント頂きありがとうございます。

      昼夜逆転で辿りつかれる方も多いので、またよろしければお越しくださいませ。
      朝方でも歓迎します!それでは失礼します。

管理人:あらた


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不登校→ひきこもり→ニートから社会復帰しバイトをするも凡ミスを連発。たび重なるエラーで職場に居られなくなり転職を繰り返す。そんな中、仕事で頻繁に起こるミスの原因は発達障害の影響と発覚。復帰と挫折を往復して現在はニートの1982年生まれ。

ニートに至るまでの経緯を決して無駄には出来ないと考え「僕がニートになるまでの歴史シリーズ」で半生を書き散らかしている。ニート当事者の方、保護者の方、またその他の方に届けられる記事を書いていきたい。
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