*

僕がニートになるまでの歴史 ~高1編 ぼくとDQNと学級崩壊~

 

 

義務教育を終えたものの、まだまだ降り注ぐ学業の恐怖。
絶望と死を想像することへの不安を抱え高校へ入学をした。

 

 

まったく違う中学からの寄せ集まりにどんな生活が待っているのか不安だった。
入学式の日に登校すると、でかい掲示板に各クラスの生徒の名前が貼られてある。

 
中学3年時に同じだった人も何人かいたので、少し安心することができた。
ここから3年という歳月を通うと思うと気が重たい。
しかし、それ以外の道も無い。

 

仕方なく、何の目的もなく通う高校生活は始まった。

 

 

 

ルーキーズ

 

 

 

俺の入ったクラスは、とてもヤンチャな生徒が多く、かなり不良と呼ばれる
存在の生徒が揃っていた。そのせい、入学して間もない頃にも関わらず
授業中はお喋りと、教師への反発で荒れに荒れていた。

 

 

格別に不良校として名が通っている高校でも無いため、とんでもないところに
来てしまったと思った。なぜ、俺が漫画のような不良クラスに入っているのだ

 

 
気がつけば、学級崩壊しており、先生たちには学年1の問題クラスの烙印を
押されるハメになっていた。

しかし、そんな烙印などお構いなしと言わんばかりに俺の入ったクラスは大荒れしていく。

 
教師に喧嘩を売る生徒、注意を聞かない生徒、ゲームをする生徒、教室を出ていく生徒
先生が黒板に板書をしている際に後ろから消しゴムを投げつける生徒。

 

 

もはや暴徒と化していた

 

 

この頃は、まだ携帯が普及していなかったが、ピッチは一部の生徒たちの間で
所持されており、同時にワンギリも流行。

 

 

 

授業中にワンギリが多発し、鳴りやまぬ携帯音にキレた先生は、授業を投げて出ていく
こともあった。ベテランの先生だったので、ふざけた態度は断固許さない姿勢だった。

 
そのベテラン教師に変わり、若い担任の先生が「おまえら、何やったんだ!!」と
怒って入れ替わりに入ってくる事もあった。

 

この若い先生は、すごく良い先生でクラス全員みなが言う事を聞くのだけど、
どうもベテラン系の先生とは荒れに荒れてしまうクラスだった。

 

ろくでなしブルースルーキーズのような森田まさのり漫画みたいな展開が多い
小学生などの学級崩壊の話は知っていたが、高校で起こるとは思いもしていなかったので
俺は正直あっけに取られていた。

 

女子生徒もいたが、女子は女子で、男子生徒が荒らした授業に乗っかり化粧をしたり
手紙交換をしたりと、好き放題やっていた。

 

 

こんなDQNたちによるトラブルは日常茶飯事で、問題が無い日の方が少ない。
授業が停止され、まともに勉強も進まないという状態はかなりあったが
その分だけ音読という状態から離れられる。

 
どちらにせよ勉強に身が入らない俺は、少しだけ命拾いしているとさえ
思いながらそっとこのクラスの中に息を潜めていた。

 

 

 

DQNと共に

 

 

 

こういった荒れたクラスなので、苛められることは覚悟した
音読恐怖症もどんどん悪化の一途をたどっており、高校に入ってからは
まともに人に関わろうとしなくなっていた。

 

 

お昼は弁当制度になり、持ってきた弁当を食べる。中学から同じだった子も次第に
周りと仲良くなり徐々にグループに馴染むので、俺とは別行動になる。
俺は、1人で弁当を食べると言う事が増えていった。

 

 

そんな中、教師に喧嘩を売る事で有名なDQNグループは、げらげらと笑いながら
教室の後ろに溜まって弁当を食べている。

 

俺は、自分がぼっち飯をしていることがつらかった。周りからひそひそと
あいつは1人だと噂されているようで何か不安で仕方が無かった。

 
そんな時、大声で話す後ろの席にいるDQNの様子を伺おうと
振り向いた時に、先生に喧嘩を売ったばかりのAと目が合う。

 

 

しまった・・。やっかいなところで目を合わしてしまった。

 

すると、このAは「あらたくん!」と俺を呼ぶ。
ややこしい事になったかと思い、俺も恐る恐る振り向くと

 

「一緒に食べようや!」と言っている。

 

どうやら1人の俺を誘ってくれているらしく、こうしてDQNグループと
しばらくの間は弁当を食べる事になった。

 

特に俺に害を与えるわけでも無く、攻撃的になるのは教師たちに向けての話。
どちらかというと、クラスメートにはみんな仲良くしようと意識しているようでもある

 

ふと、中学の頃を思い返すと、普通そうに学生をやっている生徒に限って
苛めをやっているようにも思えた。

 

義理人情というのだろうか。俺は、こういったDQNはあまり嫌いにはならなかった。
時折はDQNグループとも関わるようになっていく。
この人たちは、ドラクエなら良いスライムというポジションなのだろう。

 

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音読の恐怖

 

クラスが荒れていようが、音読は関係なく襲いかかる。
しかし、この1年時は劣悪な学習環境が俺に味方をしてくれていた

 
明らかに長い文章を読まされている最中に、DQNグループのBが俺に向かって
「あらたくん、もういいじゃん。読まなくてよくない?」というのだ。
先生の言う事なんて聞かずに読むのやめちまえ的な意味で俺に言ってくる。

 
さすがに、先生が読めという手前、読まないわけにもいかないので
読み続けていたら勝手にBが読んでいる文章の最後の行を大声で読み上げ
「先生!終わりましたよ!」という。

 

 

先生もおじいちゃん先生だったせいか、気がついておらず、読み終えたと
認識して俺の音読は終わった。

 

 

騙されているおじいちゃん先生を面白がるDQNグループと
騙してでも早く読み終えたかったニート予備軍の俺。

 

 

奇妙な組み合わせだが、お互いの利になっている事に変わりは無かった。

 
また、クラスのおしゃべりが止まらないので、仮に朗読して下さいと言われ
読み始めても、俺が読んでいるのか読んでないのかさえ、わからない状態が多い。

 
もうこのクラスには、声を張ろうが小さかろうが関係ない。
誰も俺の朗読など聞いていないと思うと安心して読めた

そういった雑音に声を紛れ込ませて俺はこの崩壊クラスを利用した。

 

 

幻聴的な感じで恐怖倍増

 

 

比較的に楽なクラスだと思ってはいるものの、自分の声の震えに対する
なんともいえぬ恐怖感はいつも抱えていた。

 

 

この頃から、クラスのどこかで聞こえるヒソヒソ話が気になって仕方が無くなる
誰かクラスで、俺の事をウワサしているのでは?
という幻聴ではないが、人の話し声に耳を澄ませないと仕方が無かった。

 

 

誰も俺の話をしていないと認識することで、不安は和らいでいく。

 

 

どこからか聞こえてくる声。ほとんど生徒たちの他愛もない雑談だが
俺にはあらたくんって声が震えてるという声に聞こえてくる事もあった。

 

少しでも俺の名前がクラスのどこかで言われると過剰に反応し
「あらた」の単語にビクビク怯えていた。

 
もちろんほとんど空耳だったのはわかるが、当時は聖徳太子ばりに
耳をクラス全体に傾け、俺の声が震えるという状態が誰にも知られていないかを
ひたすら調査していた。

 

 

担任交代令

 

 

この大荒れのクラスの崩壊は止まらなかった。しかし、崩壊のままで終わるわけもない。
学校側でも対策は練られ始め、とうとう話は大きくなり
担任が交代という騒ぎにまで広がっていた。

 

変わりに来る担任は、おそらく生活指導系のちょいヤバの先生になる。

 

しかし、荒れる中でも担任の先生は生徒から慕われており
「これは本当にヤバイ。心を入れ替えよう」という動きがクラスに広がり
この担任交代問題を境に荒れが無くなっていった。

 

 

もちろん完全に収まるわけではないが、少なくとも先生がキレる事はなくなり
徐々に収束に向かう。

 

 

文系、理系への進路

 

 

 

また高校1年ではあるが、大きな進路選択を迫られた。
2年からは、文系に進むか、理系に進むかを選択しなければいけない。

 

 

しかし、理系クラスは少ない人数しか入れない。どちらかというと
優秀な生徒のみ行けるという状態だった。

 

 

だが俺にはそんなこと関係無かった。とにかく理系に行くしかない。

 

理由はずっと書いてある通り、俺は朗読が嫌。
文系に行けば、国語の授業が理系の2倍相当に増加するとも言われている
圧倒的な朗読の仕掛けが待っている。意地でも行きたくない。

 
ただ理系クラスは、偏差値が上の人たちによるクラス。
いわゆる選抜組と言われる人たちが各クラスから数名だけ
選ばれて入ることのできるのだ。

 

俺は約40人学級の中で成績は、10番前後だったので厳しいと担任の先生から伝えられた。

 

また同時に「なぜ理系に進みたいのか?」の質問も問われた。
本を読むのが怖くて仕方が無いという理由は言えなかったので
興味のあったゲームを作る仕事に就きたいという理由のみを伝えた。

 

良い先生だったのでウソをつくのも気が引けたが、仕方が無かった。

 

 

文理の判定は3学期

 

 

1年の終わりには、文系か理系かの発表が行われた。
クラス全員に配られていく名簿に、俺の進学先は理系と書かれていた。
なんとか命綱は確保できた。

 

俺は理系で生き延びることができる。
なぜ、クラス内10番程度の学力で理系に行けたのか?

 

担任の先生からは「現状はかなり厳しい事になるだろう」と言われる。
同時に「他の科目の先生からの判断では、あらたの授業態度は評価が出来る」という
声を頂いての評価だったとの事。

 

 

上位の成績者には不真面目な生徒も多かった。悪名高いクラスだけあって
悪い奴が多いクラスというイメージがあるのだろう。

 

俺のような、ひっそり目立たないようにでも、大人しく授業を受けていた生徒は
真面目な生徒に映り、成績が今ひとつな部分があるが、いずれ開花するだろうという
期待値込みでの評価だったらしい。

 
誰も声が震える事に怯えていたことを知らないが、日常が良い意味で裏目に出た。
国語の世界から、数字だけの世界に行ける。
ひとまず不安材料は減らせて2年になれることだけが俺の希望だった。

 

 

俺は2年に進学する。

 

 

続きの高校2年生編はこちらから

 

 

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