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僕がニートになるまでの歴史~22歳編① 働けないから短大生はじめました~

今回から夜間大学編に入ります。通信高校を卒業後、夜間大学を受験して合格という流れは順調に引きこもり生活から社会復帰をしているようですがまだ働ける状態ではありませんでした。短大生の肩書きにすがりつく事で、自分の居場所を手に入れています。

前回の記事はこちらになります。参考にどうぞ。

 

短大で頑張る人たち

 

2004年の話になる。

俺の通った夜間大学は4年制大学の中に存在しており、位置づけとしては「短期大学」という扱いになっている。講義は18時~21時過ぎまで。休憩も挟んで約3時間の授業という仕組みだ。全員学生ではあるが、昼間の仕事やバイトを終えた人が通うケースが多い。

俺は、ほぼ母親の命令に従っているだけなので、あまり学習意欲も無かったが「無職扱いされないだけマシ」という理由で通う。短大には先に入学している高校時代の同級生であるS君という友達もいるのだけれど、後から入る俺はひとつ下の学年になるので不安だった。

 

短大に通う生徒の年齢層は幅が広く、若ければ高校を卒業したての18歳の子たちもいる。高校を出ていきなり夜間短大というと、少し珍しい進路にも思えたが、この高校を出たばかりの子たちは意外と多く感じた。

事情は色々あるのだろうけれど、高卒資格だけでは不安な時代を物語っているように思えた。特に愛媛のような田舎だと、仕事は少なく大学生でも就職難が待ち受けている。彼らに聞いてはいないが、最低でも短大卒という肩書が必要だったのだろうか。

また、2年間で優秀な成績を収める学生は4年生への編入制度も設けられていたので、編入を狙う生徒もいた。正直にいうと、4年生大学に進める人が羨ましかった。あまり勉強をする気は無かったが、この時の俺が2年後に社会に適応できる状態になれるとも思わなかったのもある

 

高卒の子たちが多いとわかると、俺としては何だか複雑な気分になった。俺の弟とちょうど重なる年代だからだ。俺が大学を留年して一緒にいる訳でもないが、どちらにせよ微妙に俺の方が年上。働いていて学業をやり直したいと思った訳でも無い自分の居心地としては悪い。

他には俺の母親よりも上の世代の女性もいた。おばちゃんっぽいと言えばいいのだろうか。かなりフレンドリーであったし学業にも真剣に取り組んでいた。通信校でも思ったが、学びたいと思った時に学べる風潮が日本に無いのが残念に思う。年配の方は、若者より勉強に真剣だった。

 

やり直しの利きにくさというか「みんなが学校に行くから行って、やる気が無くても通う」という風潮は見直されるべきだと思った。通信から短大にかけて俺の目に映った一番やる気のある生徒というのは、親もしくは親以上の世代の方であったからだ。

逆に、現役の年齢の学生ほど俺も含めて適当に流された人生を送っている感があった。学費も時間も消費して、周りと同じ流れに乗る事に違和感を感じる事は、まだまだ日本社会の教育には許されない概念とも思う。高校、大学もしくは専門の路線が必ずしも正解とは思えない。

 

そして俺の歳から少し上くらいの層で20代中盤くらいの人も多かった。社会に出てはみたものの、色々と大学で学ぶ必要性が仕事で出てきたなど理由は様々だったが、やはり年齢が上の人になるほど熱心に講義を受けていた。

俺もこの頃にはまだわからなかったが、学べる時間ほど貴重な時間はないのだと今の若者には言いたいと思ってしまう。ああ・・。これが徐々にオジサン化している感覚と呼ぶのか。学生時代に学業に励むは当然の様で難しい。

 

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単位や資格なんてどうにでもなれ!

 

 

入学後に受講するための講義を選択するオリエンテーションから俺は困っていた。大学からは、興味のある科目を自分で必要に応じて取る選択をしなければならなかったからだ。俺はすでに通信高校で単位制度に触れていたにもかかわらず短大になるとわからなくなった。

というのも、好きでこの学部を選んだわけでも無かったからだ。夜間は商業系の学部のみというのは入学前から理解していたが想像以上に興味が無い。せいぜい、自主的に取りに行ったのも心理学やパソコン関係くらい。経済関係の講義には全く興味が無かった。

また、簿記なども受講した。大学生になると自然と耳にするようになった「資格があれば就職に有利」という言葉が俺の頭にずっとあったからだ。何かにつけて「資格を取ろう」はキャッチコピーになっていたと思う。まるで資格があれば生活に困らないかのような流れがあった。

学内の掲示板にも、色々な資格に関するセミナーが貼り出されており「資格を持つ事が当然」と思うようになっていた自分がいる。俺は肉体労働が出来ない人間だと思っていたので、事務関係の資格勉強でもやろうかなと簿記の選択をした。

 

資格マニアなんて言葉が出るほど流行していた資格ブーム。俺は何も知らなかったのでとりあえず就職有利とウワサされている簿記に手を出しただけで、もちろん興味も無いので理解できず簡単に資格の試験には堕ちている。

資格に関しても色々と言いたい事はある。まず資格を所持しても、その資格を活かせる職場なり仕事について安定的に続ける事が前提になるのだ。俺は、のちに社会と全く折り合いがつかない人間だと判明した時に「資格なんてクソ食らえ」と発狂している。

何事も使えて初めて資格なのであって、取れたらそれでオッケーでも無い。むしろ資格なんぞ勉強せずに色々な人の輪の中に入りコミュニケーションを取れる人材の方が強かったりする風景を見ていると、結局コミュニケーションかよという気持ちになる。

 

他の科目は英語などは当然のように組み込まれていたり、経済関係の講義は周りの人と話していたら流れで選択する事になった程度だ。体育だけは絶対に触れないようにだけして、あとは適当に単位が取れると思う講義のみを選んでいる。

 

せめて学生らしく

 

 

オリエンテーションも終わり講義を受けるようになった直後くらいに、しばらく会っていなかったS君と偶然にもパソコンの講義で再開する事となる。まさか同じところで講義を受けられるとは思っていなかったので嬉しかった。

普通高校で初めて知り合い友達となった彼が、今自分がこうして空白のひきこもり期間から抜け出たものの社会に置いていかれてる感を抱いている時に、また一緒に学べるというのは強みに変わった。持つべきものは仲間かなと、普段は人間づき合いの悪い俺もこの時は思った。

 

パソコンに続き、他の科目でもS君とは授業が被る事があった。後にS君も短大に通ってはいたが、あまり単位を回収できていなかった話を聞かされる。そういえば、S君は高校時代も勝手に学校から帰っていたりと素行が少し乱れており単位がやばかったような・・。

DQNでは無いが、若干そういう傾向があったなくらいのタイプだ。どちらにせよ、同級生とこんなところで再開して授業を受けられるのが嬉しい。俺にとって、この短大生活が最後の学生生活なのだと思うと友達も欲しくなっていった。

 

S君と一緒にレポートをしたり、講義を聞いたり、短大まで行き来する事が自分の中ではとても楽しい時間だった。中学、高校と苦しい学生時代を送っていたのでせめてラストは楽しみたかった思いがあった。ただ、「声が震える」恐怖感は残ったままだったが・・・。

 

声の震え、音読恐怖症に対策した方法

 

 

さすがに、高校を辞める原因にまでなった「声の震え」に対する対策は打っていく事となる。周りにどう思われようが関係ない。とにかく自分に対して、音読を要求される場面があれば回避しようと考えていた。

ほとんどの講義は、音読するように教授が誰かを指すという事は無かったがそれでも指す教授はいた。その教授は偶然にも自分の担任の先生であった。これなら話が早いと思い、俺は早々に教授室を訪れ事情を話して当てないようにお願いした。

自分のこれまでの経緯や状態を話して、自分に起こっている困難を具体的に言うつもりであったが、意外に話がスムーズに通った。すぐに意味を理解してもらえたようで当てないという約束をしてもらう

 

この時の教授の対応から、中高からでも同じように先生に対して少しでも苦しい事は伝えておけば良かったと思わされる。何事も自分ひとりで抱え込む事だけが正解とも言えないと思った。

しかしそれは当時の自分には優遇扱いと思い込んでいた為、仮に音読を回避させてもらえても受け入れられない話でもあったので仕方が無い部分もある。ただ音読に悩まされる学生には、こういった話し合いで回避できる事例も存在する事を伝えたい

 

精神面の状態に関しては、通信の頃に比べれば少し落ち着きを取り戻し始めていた。不安に満ちた生活を送るものの、通信時代に比べてまだ2年間の学生として猶予期間が出来た事、S君という存在による孤独感の消失などは大きかった。

学費も夜間のみなので一般の大学よりは安いため、親に対する負担面でも気持ちが楽ではあった。漠然と自分の将来が見えない事や、夜間の講義だけで昼間は何もしていない事に後ろめたさはあるものの、学校へは通い続ける事となる。・・安定できた心があったのは最初だけなのだが。

 

次回に続きます。

 

僕がニートになるまでの歴史

 

 

 

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不登校→ひきこもり→ニートから社会復帰しバイトをするも凡ミスを連発。たび重なるエラーで職場に居られなくなり転職を繰り返す。そんな中、仕事で頻繁に起こるミスの原因は発達障害の影響と発覚。復帰と挫折を往復して現在はニートの1982年生まれ。

ニートに至るまでの経緯を決して無駄には出来ないと考え「僕がニートになるまでの歴史シリーズ」で半生を書き散らかしている。ニート当事者の方、保護者の方、またその他の方に届けられる記事を書いていきたい。
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