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僕がニートになるまでの歴史23歳編①~就活のスタートすらわからん~

 

「僕歴シリーズ」も短大卒業の年までやってきました。22歳編と同様に、長くなりそうなので数回に分けて書いていこうと思っております。ちなみに前回を未読の方は、こちらからどうぞご覧くださいませ。

 

就活オリエンテーション

短大1年目は色々と困る事があったけれど、2年目は2年目で苦しい展開に追われる事になる。安息の時は俺に訪れるのだろうかと考えるも、どうも簡単には手に入らないようだ。まあ・・平凡に安心し続ける事が出来るような性格ならこんな事にはなっていないのだけれど。

何しろ4年生の大学と違い、短大は2年しか無い。入学した次の年には卒業の年という早さで時が流れてしまう。名残惜しむ時間すら無いような感じだ。

 

2年に上がってから早々に、入学時と同様に学校側からのオリエンテーションがあった。もう卒業の年でもあるので、当然ではあるが進路の話がメインになる。進路と言っても大学を抜ければ、基本的に就職しかない。ただし、成績次第では夜間学生も4年制の大学に編入する事も可能だった。

俺もこの頃には、何となく学校に馴染めていたので、出来る事なら短大終了後は2年追加で学校に在籍したいとも思った。しかし、そのまま大学に残ったとしても、特に目的のある事をやるわけでもない。もう肩書き「学生」を手に入れるためだけに2年分の学費を払う余裕は親には無かった。

また4大卒となったところで自分の人生が大きく変動するようにも思えなかった。俺はこの時点で、短大を最終学歴とする事を決めた。そして形だけは「就活学生」という状態に入る。しかし、引きこもり時代から順調に調子を上げていっていたとはいえ、卒業後に一般企業に入れるという感覚そのものが無い。

 

何と言えばいいのだろうか。もう1年後には卒業するというのに、就労している自分の未来を全く描けない自分がいた。淡々と進む就活オリエンテーションは、どこか別世界の説明をしているようで意味も理解できない。こんな事で、自分が就職するなどという次元に近づけるのかと不安になった。

 

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就活生としての意識が芽生えない

 

就活オリエンテーションによって学生が集められた講堂内で俺は1人で不安になった。「周りの奴らは本気で就職する気なのか?」「就活の意味がわかっているのか」という自分がまだ就職する事が出来ない感覚と、これから就職していける状態の人との間に起こる温度差がヒシヒシ伝わってくる

進路指導の職員さんによる「就職状況は今は大変厳しいですよ!頑張らないと仕事が無いですよ!」という煽りのフレーズだけが頭に今も残っている。「とにかく厳しい」「資格を取る事で少しでも有利に就活を進めて」という声だけが聞こえてくる。あまり俺には役立ちそうに無いアドバイスだったが・・。

 

俺にとってはこの時が就活の始まり。何も知らない為に不安だらけ。何から始めればいいのか、自分は今の時点で一体どういう立ち位置なのか。仕事を探すとは何なのか。周りと上手くコミュニケーションも取れていないので、周りの人から情報を得るにも抵抗があった。俺は孤立していた

頭が混乱して仕方が無い。周りに聞いても仕方が無いけれど、「もう就活を始めるの?」などと聞いてしまう俺がいた。どこか周りの人に「いや・・仕事の探し方なんかよくわからん」と言って欲しかった。俺だけが就職から遠い位置にいるのでは無いと思いたかった。

就活生になるにも関わらず、意識そのものが仕事を始める状態にすら立てて無い現実に焦りが出てしまう。そういえば、中学入学の頃も次は高校に入るなんて意識が全く無くて「受験に向けた勉強」という意味が理解できていなかった。そんな感じに似ている。

 

わからないからとりあえず聞く

 

あまりにも就活オリエンテーションの意味がわからない。そこで、説明会の後に俺は動いた。とりあえずこの場で説明していた進路指導の職員さんにどうすればいいのか聞いてみようと考えた。みんな講堂から出る中で俺は恥ずかしながら、自分の取るべき道を相談してみた。

自分のこれまでの不登校からの事情を含め、短大生だけど無職と学生の中間にいるような存在である事。病院通いの事なども含め、心身の状態など何もかもが不安である事を告げた。すると、答えとしてはすんなり返ってきた。

 

職員さんは、先ほどまでの「就職は試練だ!」という態度ではなく優しい雰囲気で俺に対して次のように言った。本当に一言だが「まずは、あらたくんは愛ワークに行ってみると良い」と教えてくれた。

愛ワークというのは、正式名称が「ジョブカフェ」という。「ジョブカフェ」は読者の方も聞いた事があるのではないかと思うが、全国に設置されている若年者に対する就労支援の窓口だ。ガチのハローワークとは違い、俺のような就労する以前の問題を抱える人などにも向けて作られた機関になっている。

ハロワ=1人でタッチパネルを触って仕事を探すという感覚だが、ジョブカフェは仕事を探す前に悩み相談を受けてくれたり、面接の練習に付き合ってくれるなどの就活サポートの体制が整っている。企業との間にワンクッションが入る感じで、ハロワよりはハードルが低くなっている感じと言えばいいだろうか。

 

カウンセリングを始めとした就活セミナーなども充実していて、履歴書の書き方から面接の仕方まで1から教えてもらう事ができる。無料利用という事も重要で、やはり金銭的に負担が無い支援を受けられるのも大きい。

俺は愛ワークにさっそく電話をして、自分なりの就労へ向けた活動を始めた。形は新卒の学生だが、正直なところ自分はまだまだ働ける状態に無いという不安も重なる。自分の中で働く事に対して異常なまでの恐れを持っており、社会人の自分像を持てないでいた。

 

親と就活の話をしてもプラスにはならない

 

親は親で、俺の卒業後は就職だと思っている。息子が不登校から着実にステップアップしていると思い込んでいる。親の思う俺と、俺自身が思う自分の状態には相変わらず天と地の差がある。少し調子が良さそうなら万事が解決すると思っている親の考えがものすごく嫌だった。

それでも愛ワークへは行かねばならない。親にだけは、仕事を探している事をアピールしなければいけないからだ。何もしていないと非常にうるさい。ニートでの経験上、就活をする動機の1番は正直なところ、この親に対する「就活やってますアピール」が大きいように思う。

「自分の意思で働こう」では無く、「親がうるさいから少しでも仕事を探そう、探すふりをしよう」という活動だ。やらされてる感が気持ちの中にあるため、結局は命令通りに動いているロボットでしか無い。愚痴になるが、親には黙っていてもらえた方が仕事を探す気分は上がるのだ。

 

親に就活を急かされる度に俺は「今の一言で仕事を探す気が失せたわ!お前(母親)のせいだわ!」と吐き捨てる。親は親で「何を言よるの!仕事はあんたがやらないかん事やろ!」と返してくる。我が家は就活に関する話を親子でして滅入る事はあっても、勇気づけられる事が無いのが基本だ。

俺から親に投げかける「お前ら(父母)がいなかったら就職は速攻で決まってる」という言葉に対して、「じゃあ家から出て1人で仕事を探せばええんよ!」という母親とのやり取りは、32歳を過ぎた今も続いているわけだが・・。

 

どちらにしても目指すべきは愛ワーク・・。そう考えると気分が落ち込んだ。

また、2年生に上がった時期には、原付免許の取得を目指している。去年は自動車免許の取得を諦めていて大金を失ったばかりだ。また辞めるかもしれないと思うと、原付からのスタートの方が無難だと思えた。何をするにも、移動手段を自転車から少しランクアップさせようという目標もできた。

 

原付の免許を取る

 

すぐにでも取りに行けるのが原付免許だけあって、交通ルールに関する問題を解くだけ解いた。この原付免許に関しては、すんなり感があった。とりあえず○×系の問題を解いて、一定の点数を越えたら合格だからだ。試験会場では緊張したものの、運よく一発合格を決めて晴れて免許取得が決まる。

ただ、この原付免許にも講習があって合格者だけ、原付に試しに乗るという実技があった。乗れなくても免許は貰えるのだろうが、形だけでもやらないといけないようだった。何だか臭いヘルメットを被らされて、原付の止め方や運転の仕方を学んだ。潔癖症には予想外のヘルメット・・辛かった

 

周りの受講生は高校を卒業したての大学生くらいだろう。18~19歳くらいの若者(俺も若いんだけど)で埋め尽くされてやりにくかった。少し隣の男子と雑談もしたが、俺の年齢を聞いて「ちょっと原付だと(免許を取るのが)遅いですよね」とデリカシーの欠片も無い事を言われる。

何気ない一言だが、どこの誰だかわからん相手に言われる切なさ。特に悪気が無いだけに争う動機にもならずモヤモヤした。ここで「舐めてるのかオマエ!」と言い争うべきなのか、殴りかかるべきなのか、大人の対応でスルーをすべきなのか。

少し時間が過ぎてイラっとくるタイプの俺には、対応まで後手後手なのは、この時に限った事ではないが。無事に免許は取得でき、短大卒業までにやるべき就活などにも手をつけて行くことになる。

 

 

終わりに

就活がさっぱりわからないなりに、人に聞くと言う形で自分が取るべき行動を模索し始めました。僕が就活をはじめるに当たって、躓いてしまったのはこれまでの学生生活と違い、全部が自分手動になったと言う事です。当たり前なのですが、僕には違和感がありました。

また、就活と言っても僕にはやりたい事もありません。やりたい事が無いので、漠然と仕事を探す事になります。ただ「何かの作業でもするのかな?」と他人事のようにも思える時期でした。このやりたい事が無いと言う状態に関しては、持論ですが単純に僕の「社会を見る」という経験値が不足している影響からだったと思います。

どんな仕事があるのかを知ったり、実際に自分が何かを体験したりするなかで発生する出来事が無いと、人は無の状態から何かを想像して生み出す事などが難しいのです。遊びやバイトなどを通して、色々な世界に触れる必要性を感じるのもこういう体験からでしょうか。

 

それではこれで終わりますが、ご閲覧ありがとうございました。

 

僕がニートになるまでの歴史シリーズ

 

 

 

 

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ニートに至るまでの経緯を決して無駄には出来ないと考え「僕がニートになるまでの歴史シリーズ」で半生を書き散らかしている。ニート当事者の方、保護者の方、またその他の方に届けられる記事を書いていきたい。
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